2018/07/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にカインさんが現れました。
■カイン > 少々前から雨の降り始めた貧民地区の一角。
大き目の軒の下に陣取る事で雨から逃れながら、路地の方へと視線を向ける男の姿があった。
当然、出歩いている人間の数など数える程しか見かけない。
普段であればこの時間が一番賑わう貧民地区の歓楽街もお天道様には勝てはしない。
「やれやれ、梅雨も明けたってのについてない。たまの休みに出歩いたらこれとはな」
心底からのボヤキと共に空を見上げてみれば雲が早く流れていくのが見える。
この季節に時折ある通り雨らしいと見て取ればなおの事自分の不運を呪わざる得ない。
■カイン > 「しかし、この後どうするかね。どうせなら酒を…といいたいところなんだが」
生憎と雨具の用意などもなく、ここから去るなら雨の中を突っ切るほかない。
大通りとは反対側、路地の裏で怪しげな酒や薬を商う連中も、
早々に逃げ出した様子で気配がないとなればいよいよもってお手上げだ。
手持無沙汰に腰の剣の柄を軽く小突いて音を鳴らし。
「困ったもんだなこりゃ」
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にシャンさんが現れました。
■シャン > 貧民地区の路地を散歩していれば、振り出した強い雨に驚いてフードを被って歩く。
どこか雨宿り出来そうな場所は無いかと探していた時のこと、軒下を見つけるが先客がいるようでどうしようかと戸惑う。
しかし濡れて風邪でも引いたら厄介だ。
「――あなたも雨宿り?良かったら入れてくれないかな」
声を掛けることにしたらしい。
頬を伝う雨粒を拭いながら、軒下に入れてもらおうと困った顔をする。
返答によっては、謝って帰ることにして。
■カイン > 暫し響く雨音を億劫そうに聞いていたが、
だからだろうか人の気配に気が付くことなく気が付けば声を掛けられていた。
少々訝しげな視線を向けながらこの辺りで見た覚えのない相手をまじまじと眺め、
頷くことで応じて見せる。
「うん?ああ、そりゃあここは天下の往来だ。
好きにすりゃいいよ、邪険にする権利は俺にゃない。
災難だったな、もう少ししたら止むとは思うが」
まさか雨が降り始めてから外に出た訳でもあるまいと相手の様子を見、
同情交じりの声をかけ。
■シャン > ここの住人はあまり外の者をよく思わず、断られるのが当たり前と思っていたところでの正論に、無意識に笑みを浮かべる。
言葉に甘えて軒下に入ると羽織を脱ぎ、濡れているところを軽く絞った。
そうしてから快く雨宿りさせてくれた相手に向いて。
「助かったよ、ありがとう。
少し雨が弱くなったら酒場にでも行かない?
今夜も暇だから話し相手が欲しいんだ」
明るく笑顔で言うには、若く真面目そうに見える少女から発せられるに似合わない言葉を発する。
実際は見た目ほど若くないのだが、ここでは未成年が飲んでも誰も何も言うまい。
にこ、と微笑んで首を傾げる。
■カイン > 「…ここでそういう誘いをかけられたのは初めてだな。
当てはあるかい?なければ適当に行きつけに案内するけどな」
かけられた言葉に思わず面食らったように目を瞬かせた後、
つられるように笑って言い返して見せる。
別段断る理由も、増して止める理由も男には無い。
「しかし酒は飲めるのかい?それこそ飲めるなら俺が何か言う事でもないが」
そのまま少しからかうように笑って問いかけた。
■シャン > 「それって、ここの人たちの人柄のせい?それとも普段は誘う方って意味?
ふらぁっと来ただけだし、当ては無いなぁ。案内してくれる?」
クスクスと楽し気に笑い、冗談を言ってみる。
普段国中をふらふらしているが店には詳しくないので相手に任せよう。
断られなかったことに驚きつつ嬉しそうで。
「見た目よりは年齢は上だよ。
まぁ、種族が長命なだけだから気にしないで」
よく言われることなので気にせず、相手にも気にしないように告げる。
でも飲めると言っても果実酒しか飲まないのだが。
■カイン > 「どっちもだな。まあ、気の知れた娼婦相手にのみに誘われるなんてのは、
たまにある事だが初対面でされたのは初めてだ」
クックと喉を鳴らして笑い飛ばして見せながらも相手の言葉に応じればゆっくりと肩を揺らし。
「ふうん?長命種か、この街では珍しくないといえばないな。
そう公言してる奴はあまり見かけないが。
なるほど、しかしいいのかい?どこの骨とも知れない男に声をかけるとは、
連れ込まれても文句は言えないと思うぜ?」
最後に一言付け加えれば意地の悪い視線を向け。
■シャン > 「私は娼婦をやってるわけじゃないからね、客狙いじゃなくても誰でも誘うよ。
初対面で誘われるのは嫌?」
実際あまり飲みに誘うことは少ないが、雨の中外にいるのも嫌なので酒場に行こうとしている。
笑顔で喋る姿はこの状況を楽しんでいるように見えて。
「うーん、私は混血だから種族とかいうのは気にしないんだ。
人間も魔族もミレー族も自分らしく、って。
はは、お兄さんそんな冗談も言えるの?
酒も弱くないし意思はしっかりしてるから簡単には連れ込めないよ」
確かにそんなことでは連れ込めないが、意識を失わせたり拘束や薬で身体の自由を奪ったりすれば不可能ではないだろう。
知識が乏しいのも今までずっとかわしてきた結果だ。
■カイン > 「別に嫌って訳ではないから断る理由は特にないな」
真面目ぶって言い返して見せながらもクックと喉を鳴らし、
合間に笑って見せる。
「混血ねえ。なるほど?
この国では確かに珍しい身分だろうな。
冗談?さて、口説かれた場合ってのは想定しないのか?」
ニヤッと笑って見せれば相手の顎に指を滑らせて、
己の方へと顔を向けさせればそのまま顔を覗き込もうとし。
■シャン > 「なら良かった、気まずくなるのは嫌だからね」
クク、と笑えば相手を見て、笑っているのを見れば本気だとわかって安心する。
「混血は受け入れられるか受け入れられないかの二択だよ。
私は後者だったけど、この国では居場所を見つけられた。
冗談じゃないの?私を口説くのは難しいと思うけど…」
きょとんとした顔をして相手の顔を見つめる。
自分の顎に相手の指が触れれば、少しくすぐったそうにして。
■カイン > 「行きずりの関係でそこまで気を回すのも阿呆らしいさ。
もう少し気楽に構えていいんじゃないか?」
首を鳴らしてろくでもない事を言い放ちがてら、
あっさりと自分の境遇を口に出す相手にはそうかと頷くだけで応じ。
「冗談でそんなことは口にせんよ、
という訳でそうだな。まずは奇を衒っても仕方ないから、
酒を飲んだ後に一晩相手をしてくれないかとでも口説いてみようか?」
軽い調子は崩さぬまま、今度こそ冗談半分といった様子で言い放つ。
相手が自分を口説くのが難しいというからにはどんな反応を返してくるのか興味を惹かれた様子で。
■シャン > 「そうだね、そうするよ。
そうだ、シャンって呼んで。お兄さんは?」
軽く頷き、ふと思い出したことを口に出す。
教えたのは愛称なのだがそれは言わないでおく。
「それもそうだね。
一晩か、話してる途中で寝ちゃいそう。
話す以外にも何かしようか」
冗談として取る取らない以前に何をするのかをわかっていない。
これが口説くのが難しいと言われる所以だが、当人は知らない。
今回も話す程度だと思っていて。
■カイン > 「シャン、か。この辺りではあまり聞かない響きだな」
響きからして東国の出だろうかと少々勘違いをしながらも、
顎に手を当てて相手の言い回しに思わず驚いた様子を見せる。
だが同時になるほど、これは難敵だと少し苦笑いが浮かび。
「そうだな、それじゃあ多少刺激的なことになっても恨むなよ?」
そういい返しながらニヤリと笑って人差し指を立てて見せ、相手につきつけ。
■シャン > 「うん、よく『東の方の出?』って聞かれる。
でも生まれはそんなに遠くないよ」
東の方にある国では多いらしい名前だが、愛称なのだから仕方がない。
驚いた様子の相手に益々きょとんとして見つめる。
驚いた顔から苦笑いを浮かべたのを見て何を考えているのだろうと気になった。
「ああ、ちょっと刺激が強い方が楽しいよ!
恨まない恨まない」
にこっと楽しそうに笑うとなんとなくうきうきしているような雰囲気をしていて。
■カイン > 「そういうもんか。ま、生まれがどこでも長く生きてるってんなら、
あんまり関係ない話ではあるな」
自分もそうだがその内に故郷なんてのはとどまってない限りは忘れてくものだと、
言外に言いながらに苦笑いめいた表情をそのままに首を横に振り。
「おお、言ったな?じゃあ恨みっこなしだ。
さて、そろそろ酒場に行こうと思うがどうだい」
どこか楽し気な相手に後ろ頭を引っ掻いて考えつつもそう問いかけ。
■シャン > 「故郷にも長らく戻ってないしね…そういうものだよ。
そのうち故郷のこと忘れそう」
冗談半分で笑うと生まれた国の森を思い出す。
あの風景だけはいつまで経っても忘れない。
「うん、わかったよ。
じゃあ行こうか、案内して?」
相手の言葉に頷いて案内を頼む。
何があるだろうなーなんて嬉しそうに考えていて。
■カイン > 「酒はあまり期待するなよ。料理はそこそこだが」
この辺りに置いてあるのは凡そ安酒ばかりである。
酒の質は期待するだけ無駄だと言外に告げながら、
少女と連れ立って歩き始める。
そのまま案内した先でどのようなことがあったのかは二人のみの知ることになるだろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からシャンさんが去りました。