2018/07/14 のログ
カイン > 「とはいえ働かないとそれはそれで暇だしな、っと。
 …何か依頼をこなすかねえ。とはいえこの辺の依頼って大体怪しげなのが多いんだが」

遠目に見えるボードに張り出された依頼の数々を眺めてみると、
この場所から見える物だけでも怪しげな魔物の討伐やら人探しやら、
あるいは禁制品の入手なんて既に非合法な依頼だという事を隠してない物まで見て取れる。
酒を一口煽って顎に手を当て。

「…こういうのしょっ引かれんモンなんだな」

逆に感心したように声を上げた。それこそ騎士を含んだ官吏もそこまで暇ではないという事だろうが。

カイン > 「ま、存在そのものがご禁制みたいな俺が言うのも大概だな。
 魔族なんて御堅い騎士様の中でも特に厳しいのにばれたらどうなる事やら」

恐ろしや、と全くそうは思ってなさそうな声で言いながら酒を煽る。
少しぬるくなってきたそれを一気に飲み干してカウンターの上に置きながら次を注文し。

「早々景気のいい話なんてのは転がってはないモンだが、
 極端に景気の悪い話も転がってない辺りがこの辺らしい」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」にカイサーさんが現れました。
カイサー > 相変わらず無法者たちが集う酒場に足を踏み入れれば、いつもと変わらぬ喧騒に小さくため息。
不定期のパトロールということで店主とも顔なじみになっておりカウンター内にいる店主を見ると軽く手を上げて

「店主、変わりは無いか」

周囲の男たちの不躾な視線は一切無視し、カウンター席に座って。何か飲むかと聞く店主に、ミネラルウォーターをと注文。

カイン > 「…ん?」

丁度視線を壁の方に向けていたおかげで、
見知らぬ…そしてここには似つかわしくない外見の女性が店内に入ってくるのが見て取れた。
周りの野次や視線にも全く動じた様子がないそれに興味を惹かれて軽く声をかけ。

「いよう、姉さん見ない顔だな。
 良かったら水じゃなくて酒でもどうだい?」

ここであったのも何かの縁だと笑いかけながら、
男のおごりで何か出してくれと店主に告げがてら女に改めて視線を向け。

「いい女が一人で寂しく水を飲んでるってのは放っておくのはあんまりすぎるさな。
 もしよければ話し相手にでもなってくれたら嬉しいね。お近づきになれたらなお嬉しい」

カラカラと声を上げて宣って見せる。次いで口説くような言葉をさらりと付け加え。

カイサー > 声をかけてきた男に視線を移すが特段愛想よく返すわけでもなく、いいや、と首を横に振って

「帰宅中とはいえ、今はパトロールも兼ねている。酒を飲むわけにはいかな…」

酒を飲むわけにはいかない、と言い終える前に店主に酒を注文されてしまい少々慌てた様子で

「お、おい、酒でなく水が良いと言って……」

と目の前に出された酒に深い溜息と、眉間には深い皺が刻まれてしまう。その様子を店主がニヤニヤと楽しそうに眺めているのを見て、ジロリと思わずにらみつけて。
隣でカラカラと笑う男へと視線を移し、

「…ありがたく頂こう。しかし私に酒を奢るなど、随分と物好きな男だな、君は」

カイン > 「帰宅中?そいつはまた、物騒な所を通るもんだ。
 一体何処に家があるんだい」

パトロールというのまでは予測していたが、
続いた言葉には驚いた様子を隠しもせずに問いかける。
そのまま店主と目の前の女性のやり取りを見て喉を鳴らして笑い。

「何、一人で酒場で過ごすってのは骨身にしみてる。
 それくらいなら談笑しながら過ごしたほうが良いだろう。
 それに、イイ女を見かけたら口説くようにしてるんでね?」

そう上機嫌に笑って言いながら、酒を軽く煽る。
そのまま片手を伸ばせばその肩をひょいと寄せて見せようとしてみせた。
とはいえ手を伸ばす段階で大した速さでもないし隠す気もない。
心得のある相手の事だ、その気になったら触れさせもしないだろうが。

カイサー > 「丁度別件でこの地域に来ていたから、ついでにこの店を覗きに来た。この地域に住んでいたら呼び出しばかりで碌に睡眠も出来ん」

店主とのやり取りを楽しげに見やる男に、コホン、と軽く咳払いをして体裁を保とうと。
続く男の言葉に意外そうに眉を上げて男を見返す。金髪に金の瞳で男前なら、引く手あまただろうにと内心思い。

「意外だ、君みたいな男前なら女性が放っておかないだろうと思っていたが…。…君のイイ女の基準は大分低いのだな」

優男の常套句なのだろう軽く息を吐いて店主からカクテルを受け取る、自分も飲もうとしたときにひょいと伸びてきた腕に目を思わずぱちくりと瞬き、条件反射にその手の甲をきゅいっとつまんで。

「……物好きもたいがいにしないと、痛い目をみるぞ」

と、全く可愛げのない反応。

カイン > 「ハッハッハ、そいつは確かに違いない。
 ここで騒動が起きない日なんてのはまずないからな」

上機嫌に言い返す男だが、凡そその騒動の一幕に絡んでることが多い実の上である。
用心棒なんてものはそんなものであるといわれればそれまでだが。

「まさか、人を見る目はこれでもある方だと思うんだがな。
 …アイタタタ」

素っ気ない仕草でこちらの行動を潰した上で手の甲をつまみ上げる所作に、
そこまでの痛みはない物の大げさに痛がって見せて軽く体を揺らし。

「痛い目見る覚悟もなく女を口説くなんてのは失礼じゃないか?」

全く懲りた様子なく言い返しながら、空き手に持ったグラス軽く掲げ。

「それじゃあ乾杯、ってな」

理由は何でもいいとも笑って言いながらぐいと中を満たす強めの酒を喉に流し込み、
熱と余韻を楽しみながら息を吐き出す。

カイサー > 「全く、何故こうも毎度問題を起こすのかと頭が痛い」
毎回の騒動に振り回されるものとしては悩みの種でもある。そしてのその騒動の要因のひとつである者が目の前にいる事には全く気づかずに。
「そうやって道行く女性をたぶらかしているのだろう。女の敵だな、君は」

大げさに痛がってみせる反応すら半ばおどけた様子に見えて、全くと軽く息を吐いて。

「本当の紳士はそんな覚悟を持たずにスマートに女性を口説くものだ。………まぁ、友人の受け売りだが…」

後半は気まずそうにぽそり、と付け足した。
男と軽くグラスを合わせると、隣で豪快に酒を飲む男とは反対に、カクテルを舌先でチロチロと舐めて。下戸中の下戸であることを知っているマスターがほとんどジュースみたいなカクテルを作ってくれたのだが、それでもまだおそるおそるといった感じ。

カイン > 「そりゃあ住んでる連中が、騒いで回るのが好きな奴らしかいないんだから仕方ないだろう。
 …おやまあ、そいつは幾らなんでもひどい言われようだ」

ハッハッハと声を上げて笑いながら酒を煽りがてら、
友人の受け売りと聞けば肩を揺らして見せ。

「そりゃ一理あるかもな。とはいえ、スマートさなんてのは俺には解らん。
 だから俺はいつでも全力で口説くことにしてるよ。
 …おや?何だい、酒はイマイチかい?」

好みじゃないだろうかと不思議そうに酒をなめる相手を眺めて頬杖を突きながら問い。

カイサー > 女の容赦ない返しにも笑って酒を煽る男につられ、思わず表情が緩んでしまう。

「痛い目をみる覚悟でもって全力で女性を口説くのか。ご苦労な事だ。まぁ、君の様子を見るからに、さして今まで痛い目をみてきた事はなさそうだがな。
…あぁ、いや。酒は申し分ない。私が酒に弱いものだから、舐める程度で十分なんだ」

アルコール度数も随分低いものを用意してくれた店主に目で礼を伝え、男に向き直る。いかにも度数の強そうな酒をかぱかぱ飲んでいる男を半ば感心して。

カクテルを1/3程度飲んだところで、グラスを置きカウンターに硬貨を置く。

カイン > 「いやあ、痛い目見たことは数多いけどな。
 それでも懲りない程度には楽しんでるさ」

これでも長生きなんでねと冗談めかして告げながらも、
向き直った相手が硬貨を置く様子を見れば目を瞬かせる。
生真面目ではあるのが透けて見える物の、それでも固すぎない
程度に付き合ってくれる相手の様子に緩やかに笑い。


「そりゃ悪い事をした。…だったらなおさら奢らせて欲しいね。
 ついでに、この後パトロールついでに帰るだけってんならどうだろう。一晩付き合ってくれないかい?
 もっとお前さんの事を知りたくなった。とりあえず名前からでどうだい。
 俺はカイン、傭兵だ」

そう、名乗りながら今度は改めてストレートに口説きにかかる。
普段はもっと綺麗な言葉を並べ立てるのだが、この相手に限ってはそれも何だか気が引けた。
それだけにストレートに伝え。

カイサー > 「せいぜい夜道には気をつけた方が良いぞ。女の嫉妬は恐ろしいと聞く。…長生き?…私には若く……」

と改めて男を見やれば、年頃は20代半ば位の容姿。しかしあらゆる種族の坩堝と化したこの世界では、見た目の容姿で年齢を推測するなど無意味な事。男の言葉をそのまま鵜呑みにするのであれば、人間ではないということだけは分かる。目の前に己とは反種族である魔族だとはまだ気づけないでいるのも、天使としてまだ未熟であるが故。

「いいや、色男殿。酒を飲むことを了承したのはこの私だ。それに借りを作ることを良しとしない性分でな。気を悪くしないでくれ。
私は聖騎士、カイサーという。私を女として扱った珍しい傭兵として覚えておこう」

席をたつと男を見返す表情は、出会った当初よりも柔らかいそれで。


「また再開した時は、一晩酒に付き合おう。その時また君が私を口説いたらの話だがな。あまり酒は飲みすぎるなよ。」

そういうとヒラリと柔らかくマントを翻し、最後まで可愛げなく靴音を鳴らしながら店の外へと。

カイン > 「御忠告はありがたく頂戴しとく。…嫉妬ねえ」

そうされた覚えは正直無い。それだけに今一つ実感が沸かないが、
考えるだに恐ろしいのは違いない。素直にうなずいて応じながらも、
続いて女が自分の容姿に疑問を持つ様子にはさて、と声を上げるだけで応じて笑い。

「なるほど、そういわれたら仕方がないな。
 …おや、フラれてしまったな。ああ。また機会があれば」

そうしようと笑って応じながら差し出した手をひらひらと振り返し、
グラスを煽ってその後ろ姿を見送るのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカイサーさんが去りました。
カイン > 「…ン、今日は楽しい酒が飲めたな」

たまにはこんな日もいいだろうと上機嫌に思いながら、
グラスを置いて金を払うと立ち上がる。
そのまま男は酒場の二階へと去っていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/酒場」からカインさんが去りました。