2018/06/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にカインさんが現れました。
カイン > 宵の口、活気に満ち始めた貧民地区の一角。
娼館や露店の立ち並ぶ一角の路地裏の壁に寄りかかり娼館の前を行き交う人々と、
その人々への呼び込みを行う娼婦たちの様子を眺めている男の姿があった。

「今日は引っかかる割合が多い事多い事。忙しさで色々溜まってた連中が多いのかねえ」

呆れたように漏らしてまた一人娼婦に連れられ娼館に入っていく人影を見て肩を竦める。
男の仕事はその路上に立つ娼婦たちの護衛、早い話が用心棒だった。
とはいえ朝方から特に仲介に入る様な事態が起きるでもなく、
退屈な時間が過ぎるまま残った女性たちも最早片手で数えるほど。
はっきり言って手持無沙汰気味でぼんやり人波を眺めている。

カイン > 「ほかにやることといえば…ほれ、そういうのは他所でやれ」

言葉を継げようとした直後、路地を走り抜ける小さな影が男にぶつかっていくのを押し止め、
その手に持った皮財布を後ろから取り上げて懐に仕舞い直す。
男が億劫さにかまけ、大して叱ったりしないせいでどうやら度胸試しの相手にされているらしい。
悔しがる小さな人影…悔しがる少年を尻目に、物陰からくすくすと聞こえる複数の笑い声に、
ジロリと気配のほうに視線を向けると蜘蛛の子を散らしたように去っていくのを眺めて肩をすくめ。

「ガキの暇つぶしの相手ってのもしまらんなあ」

かといって腕を振るうとなると刃傷沙汰である。
切ったはったを嫌う理由はどこにもないが、
街中は恨みを買いやすいのである。

カイン > 「…これでようやく終わりか。やれやれ」

長かったとぼやきながら肩を竦めた所で、
視線の先で最後の娼婦が客をつかまえる所が見える。
これでお役御免だと嘆息気味に息を吐き出せば、
そのまま自分も繁華街の街並みに身を躍らせて人混みに紛れて行くのだった。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からカインさんが去りました。