2018/04/08 のログ
■ポチ > 捕まって買われていたり、
追い立てられたり、そんな事ばかりであった。
此方を見る目にはこくこくと頷き。
「運? 神様にお礼。 どうすればいえるの?」
少年は問いかけながら食え食えと進められるままに串に着いた肉を懸命に飲み込んでいく。
まさか自分の涙で相手が慌てている等という事は露とも気づかず、
ごしごしと目をローブの袖で拭き。
「うん。 慌てない…。」
相手の言葉に頷き、差し出された水袋。
口をつければごくごくと飲み。
更に串を頬張り始める。
食べ終えれば幸せそうな笑みを浮かべて一息。
まともな水も食事も久しぶりでお腹が満たされていく。
最後の一本の一口。名残惜しそうに串を袋の中に入れ。
空になった、水袋…飲み口を汚さないように口から離して飲んでいれば、汚すことなく飲めてほっとした。
「水…ありがとう。
お姉さんにも、お礼したい…。」
貰ってばかりでなんだか申し訳ない気持ちになる。
金も、品物も持っていない少年…。
渡せるのは自分だけである。
少年はじっと相手を見詰める問いかけた。
■イリス > 「祈るのは判るだろ?神様ありがとうって祈っとけばいい」
問いかけにそう大雑把に説明をすれば懸命に食べている姿を見つめて。
ローブで目を拭く様子にそれで怪我をしないかが少し心配になり。
「美味い飯も喉を詰まらせりゃ大変だからな」
串と水を口にしては幸せそうな笑みを浮かべる姿にどれだけ食べていなかったのか少し考えて。
最後まで食べてしまった姿に満足できたのかと見て。
「飯食うには飲むのもいるだろ?
別に礼が惜しくて飯食わせた訳じゃねーぞ?
どうしてもってんなら次にこの辺に来た時に会えたら案内頼めるか?」
じっと見つめる少年を見下ろし礼は良いと首を振り。
それでも気にするなら次に会った時の案内を頼む、この辺りは今日が来たのは初めてなのでこの辺りと帰り道しか知らないのだと告げて。
そしてふと空を見上げれば月も高く上がる時間、そろそろ宿に戻らないと借りた意味がないなと息を吐いて。
■ポチ > 「ん。 わかった…」
コクリとうなずき、喉を詰まらせたら大変という言葉にこくこくと頷き。
食べられる姿を見つめられれば気まずそうにうなずき。
「うん。 普通のお水美味しかった。
案内? 調べておくね。」
相手の言葉に少年は穏やかな笑顔を向けて頷き。
そして空を見上げる相手。
少年は時が来たことを知る。
「帰り道… 気をつけてね? あとご飯ありがとう。
すごく美味しかった。」
水袋を相手に差し出し、受け取ってもらえれば、少年は一歩下がる。
初めて会った良い人との別れは辛いが、
表に出さないように努めながら笑顔を浮かべる。
■イリス > 「美味いもんはうまく食べなきゃ勿体ねーだろ?」
頷く少年の姿に素直でいい少年だと気を抜いた笑みを見せ。
気まずそうにする姿に悪いと視線を逸らせる。
「普通?まあ美味かったならよかったよ。
もしかして詳しくねーのか?そんなら判る範囲でいいからな」
もしあまり詳しくないなら無理はしなく判る範囲でいいと告げ。
少年も時が来たのを感じたのか差し出された水袋を受け取る。
「ありがとうな、そっちこそ気を付けんだぞ?
また会えた時は奢ってやるからな」
本当なら宿の世話なりをするべきなのだろうがこの街の常識が判らないだけにそれはできず。
過度の親切が少年に迷惑になるかもしれないと考えて。
笑顔を浮かべる少年に「またな」と笑みを浮かべて告げればシスター服を翻して平民地区へと向かう道を戻っていく。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/露店通り」からイリスさんが去りました。
■ポチ > 「ふふ。
勿体ない。 うん。すごく美味しかった。」
そして少年は相手と別れ、姿がみえなくなるまで見送り、路地裏へと向かっていく。
満腹のお腹と、いい人との穏やかなひと時を胸に、久しぶりの幸せをかみしめながら。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/露店通り」からポチさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にリタさんが現れました。
■リタ > ここは貧民区に存在するとあるバー、名前はマスカレード。カウンター席は6、テーブル席は1という、大層こぢんまりとした店だ。
料理の味はそこそこ、酒の質もそこそこ、お勧めはポトフ、チリコンカンと一般大衆向け。
人通りが減っていくこの時間帯。店員の店も先ほど最後の客が店を出て行った所だった。
カウンター席全てに皿が残っている事から、今日はなかなか盛況だったことが窺える。
そして売り上げに比例して店員の疲労も高まっており、皿を片付ける事も忘れ、テーブル席のソファーに体を投げ出した。
「…あ゛ー、だるい疲れた眠たい…週末だけでも誰か雇おうかな…」
閉店までもう少し、頑張れ私、と自分に言い聞かせ、しぶしぶ立ち上がり、皿を回収し始める店員。
■リタ > 少しでも日常が欲しくて選んだ店員という副職がこんなに体力を奪うものだとは思ってもいなかった。
明日は明日で別の仕事が待っている為、神経が磨り減るのは目に見えており、
お仕事後の自分は溜まりに溜まった疲労に勝てず、きっと凄い格好で眠るんだろうな、なんて想像。
「…私、明日は雑貨屋に行って…新しいナイフ買うんだ…」
皿を洗いながら妙なフラグを立てる店員。
■リタ > さあ、皿は洗い終わった。
とりあえず汚れた水を捨てにいって、新しい水を汲んで…
もしかするとこれから来るかもしれないお客様の為、
手拭を洗って、テーブルを拭いて、カウンターを拭いて、床に落ちている食べ物を拾って、床を軽く磨いて…
「…私、明日生きてるかな…」
もはやフラグさえ立てる気力も無いらしい。それでも行動しなければ明日、絶対死ぬ。
そう思った店員は、渋々汚れた水の入った桶を持ち、店の外に出て、脇にある井戸へ向かう。
■リタ > 新しい水が張られた桶を持つ…が今日の桶は特に重く感じる。
店に入る途中、ちょっとだけ小休止を挟みつつ、扉にぶら下がっている開店を告げるプレートを恨めしそうに見つめた。
そこで始まる葛藤。店員の頭の中で、悪い店員と良い店員が意見をぶつけ合う。
『これを裏返せば楽になれるよ?さあ、今日はもう休もう。』
『ダメだよ、まだお客s』
店員は無言でプレートを裏返すと、扉を潜り鍵を閉めた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からリタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にポチさんが現れました。
■ポチ > ひたひたと石畳の上をはだしで歩く。
身に着けているローブの下には何も来ていなければ布一枚で外と隔絶はしているが、寒い事には変わらない。
自分の身を抱きぶるりと体を震わせる。
■ポチ > 春とはいえ、石畳は冷たい上に、風も冷える。
ひたひた、特に目的もないが。
昨日食べたご飯のおかげでだいぶ元気。
案内してほしいという言葉を思い出しながら少年ひたひた歩きながら飲食店の裏を歩く。
目的は匂いや食べ残しの味で美味しいお店を探すことができると、考えたが。
時間も時間。
まだ、ごみはないが匂いはある。
「ん、良い匂い…」
■ポチ > ひたひた少年はのんびりと夕暮れの貧民街を歩き、
美味しいお店を匂いで探し消えていった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からポチさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にカインさんが現れました。
■カイン > 宵の口、活気に満ち始めた貧民地区の一角。
娼館や露店の立ち並ぶ一角の路地裏の壁に寄りかかり娼館の前を行き交う人々と、
その人々への呼び込みを行う娼婦たちの様子を眺めている男の姿があった。
「今日は引っかかる割合が多い事多い事。忙しさで色々溜まってた連中が多いのかねえ」
呆れたように漏らしてまた一人娼婦に連れられ娼館に入っていく人影を見て肩を竦める。
男の仕事はその路上に立つ娼婦たちの護衛、早い話が用心棒だった。
とはいえ今のところ特に仲介に入る様な事態が起きるでもなく、
退屈な時間が過ぎるまま残った女性たちも最早片手で数えるほど。
はっきり言って手持無沙汰気味でぼんやり人波を眺めている。
■カイン > 「用心棒が必要になるような事態なんてないに越したことはないんだけどな。
出張るとそれだけ恨みを買うのも難儀なもんだ」
トラブルの解決といえば聞こえはいいが、
凡そその対処は腕力によるものになる。
となると当然、恨みを買う事もままあるのがこの稼業。
道行く人々の中でも時折男に気が付く者が居る物の、
その中でも反応するのは大体が一悶着あった相手である。
丁度視線が合った大男が苦々し気に睨みつけてくるのを手を振って追い払うようにして応じ、
そのまま去っていく後姿を見送って肩をすくめ。
「ま、そういうやつらがいるから俺の商売は成り立ってるんだから仕方ないが」
■カイン > 「おっと、仕事の方は終わったか。
とりあえず今日は引き上げるとするかね
隙を狙う連中を適当にあしらいながら、視線を道に向けていると、
合図を向けてくる護衛対象の姿に手を挙げて応じる。
晴れて自由の身、と気を軽くすればその場を後にしていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からカインさんが去りました。