2018/03/01 のログ
エスタ > 「ありがとうございます。曲がお気に召せば良いのですが……では、まずは……そうですね、異国の旋律などいかがでしょう?」

奇妙だが雅やかで美しい旋律、いわゆる和風な曲を奏でる。
歌うのは九尾の狐について。わかることはその強大さ、そしてどこかその怪物めいた相手に同情的な内容。

「叶わぬならば、共に堕ちましょう……♪」

最後は九尾の狐が封印されるとも死ぬとも取れる内容。
しかし視点はその九尾に魅せられた男との心中めいた悲劇である。

「……かくて東国では九尾の狐は偉大なる神にして強大なるアヤカシと言われるようになったそうです。いかがでしょうか……お気に召せば、良いのですが」

若干歌に魔力を混ぜて臨場感を上げたが、果たして効果があるかはわからない。

ブレイド > 「異国の、ね。へぇ、なんか不思議っつーか…」

軽やかというかまるで流水のような。そんな旋律。
歌が始まれば口を閉じ、黙って曲を聴くことに。
異形の狐と男の物語。
物悲しくも美しい歌に、思わず聞き惚れ、気がつけば歌は終盤。
そして締めの言葉が続けば、自然と感嘆の声と拍手。

「はー…すげーな。こういう、なんていうか…弾き語りみてーなのは初めて聴いたけどさ」

端的にいえば、感動したというか。
少し目を輝かせて、女性に硬貨を数枚。

エスタ > 「ええ、不思議な旋律で、気に入っているのです。遠い異国……ふふ、行けるものならば、いってみたい気もしますね」

硬貨を大事そうに受け取るとうやうやしく礼をする。

「ありがとうございます。お耳汚しでなければ、よかったです」

丁寧にうれしそうにほほえむ。

「あら、こんな時間……お時間は、大丈夫ですか?私は、楽士の身ですので、それほど急ぎませんが……」

ふと空を見ると大分月が移動している。時間は大丈夫か尋ねてみる。

「もし、よろしければ、何かお聞きになりたい曲がありましたら、弾かせていただけますか?いいえ、お代は先ほどいただきましたので、頂きません」

ブレイド > 「そうだな…」

その言葉には同意する。
自分のようなミレー族でも暮らしやすいだろうか?その国は。
楽士とはいうものの、人間以外に厳しいこの国では生きづらいだろう。

「耳汚しなんて…すげーよかったぜ?ん、時間はあんまりきにしてねーよ。
冒険者なんて、依頼がなけりゃ暇なもんだしな」

釣られるように顔を上げれば、月時計は時間の経過を示している。

「聴きたい曲…あんま音楽には明るくねーけど、そうだな…なんか安心する曲…とか」

エスタ > 「ありがとうございます。安心する曲、ですか……わかりました。ではこれなどいかがでしょう。メルゴーの子守歌」

小柄な体で冒険者をするのだから、それなりに過酷な生を過ごしてきたのだろうなあ、と思い心を込めて弾く。

「優秀な狩人よ、お前ならば永遠を生きる物すら弔うことができるだろう、そう老いた狩人は歌い……♪」

内容はジャッハンナムの古い子守歌。
狩人と古い神々の戦いの話。血なまぐさいが、どこか安心できる、まるで血肉のように生暖かさの優しい闇、といった感じの歌。

「私の故郷の古い歌です。いささか、血なまぐさいかもしれません」

ブレイド > 「子守唄か。途中で寝ちまわないようにしねぇとな」

冗談めかして笑いながらも
大きな体の楽士が曲を奏で始めれば、フードの下に隠された耳を立てる。

奏でられるは穏やかな曲調。
だが、その内容はと言えば戦いの歌。
暖かさを感じる裏声、戦いの歌、だが、穏やかな優しさすらも感じさせる曲。

「はー…なんだろな…。ちょっと、不思議だな。
戦いの歌っつーと、勇ましいもんだと思ってたけど…」

すっかりと力が抜け、リラックスしたような表情を浮かべる。

エスタ > 「ふふ、眠られてもちゃんと起こしますよ」

こちらも穏やかに笑いながら。

「ありがとうございます。お客様は、その、差し出がましいですが、とても反応が良いので、引きがいがございます」

ひょっとしてミレー族かなあ?と思う。フードの下のかすかなふくらみや、その若さでの冒険者という身分から。
確かめようか迷うが、いい気分の様子だし辞めておこうかと思う。

「ありがとうございました。お暇がつぶせたのであれば何よりですが……ああ、そうでした。冒険者の方というのでしたら、一度私の故郷に遊びに行ってみてはいかがですか?私には、わかりませんが、古い魔法の道具があるとか」

何か報いたいなあ、と思いそういえば…と思い出す。呪われたジャハンナムの森のことを。

ブレイド > 「はは、あんま音楽とか聴くことってあんまなくてさ。
娯楽っつったら、酒だの食い物だの…いや、すげーんだな。アンタ」

素直に楽士の演奏を楽しみ、先の曲調もあってか穏やかな笑顔。
彼女の視線は高すぎて、どこを注視しているかはわからない。

「あー、暇つぶしっていうのもさすがにわりーな。ここまで楽しめたならさ。こちらこそありがとな。
っと、あんたの故郷?こっから遠いのかな?
この辺では見ねぇしな、アンタみたいにでかい人ってさ」

魔法の道具や、この楽士の故郷ということで興味はあるが。

エスタ > 「いえいえ、生まれが田舎なものでして……暇に飽かせて習ったものなのです」

だいぶ大変な暮らしをしていたんだなあ、と思いながら、とくに顔には出さず。

「ここから半日ほど、ジャハンナムの森、そう呼ばれております。ギルドの方が最近来られたので、地図をお渡ししました。ええ、はるか昔は大勢いたそうですよ。それに、このくらいの殿方に出会ったこともあります」

2mくらいを指し示して。

「では、今後ともご贔屓に……時折、この当たりで弾いております。エスタと申します……」

ちょこんとスカートを上げて挨拶する。そのままゆっくりと立ち去るだろう。

ブレイド > 「ジャハンナム…ね。わりと近いんだな。んじゃ、少し顔でも出してみようかな…
教えてくれてありがとよ」

女性の指す高さの男というのも相当背が高いのだが
それ以上に女性の方が大きい。
種族の中でも大きい方なのだろうか?

「ああ、えっと…オレはブレイド。この辺に住んでてさ、よくうろついてるから
また聴かせてくれよな。ありがとな、エスタ」

女性の挨拶に頷き、立ち去る姿に手を振る。
身体は大きいけど、振る舞いは繊細に見えて…苦労してそうだなと勝手に思ってしまったり。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区・盛り場」からエスタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・盛り場」からブレイドさんが去りました。