2018/02/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシトリーさんが現れました。
シトリー > 「まさか、人間がこんなに数を増やすなんてね」

道を挟むように様々な品を扱う商店を覗きながら、人の流れに逆らうように歩き。
右手に持った真っ赤なリンゴを軽く齧って咀嚼しながら小さくつぶやく。
先ほど屋台の前に【置いて】あったので人の視線が切れているときに頂戴したのだがなかなか品質はいいもののようだ。

「昔は小さな町か、ちょっとした城くらいしかなかったのに……どうも寝てたのはかなり長いみたいだね」

王都と呼ばれる町まで案内してくれた老狐の言葉を思い出しつつ。
少し歩くのが面倒になり、わきに寄って壁にもたれかかり、リンゴを齧りながら何かを考えるように人の波を眺め。

シトリー > 「ん~、どうしよっかなぁ……いろいろ面白そうなところはあるけど、まずはゆっくりできる場所を確保しようかな」

山から下りてくる途中、河の水で体は洗ったのでもともと代謝はないといってもおかしくない体である。
清潔感こそは維持できるものの、不死といえど体を休める場所が欲しいと思う。
肉体が疲労することはないが、それでも精神的に疲弊はするのだ。
とはいえ、久しぶりに街まで来たこともあって当然のごとく無一文の自分が泊まれる宿などなく。
少なくなったリンゴの芯を齧りながら途方に暮れるばかり。

「まぁ、ゆっくり寝てたおかげで私を知ってる人はいないのは助かるけどね」

下手すれば町に入る前に切られることも覚悟していたのだが、どうもこの何年かで魔族かどうか判断できる人間はかなり減っているようだ。

シトリー > 「取り合えず、お金かな……そこだけは昔っから変わらない人間世界で遊ぶ基本だよね」

食べ終えたリンゴを路地に投げ捨て。
目的を決めれば再び人の波に乗って道を歩き。
時折物珍しそうに商店を覗きながら練り歩いていれば、ふと求人募集の立て看板に目が留まり。

「ん、ん~……報酬は悪くないけど」

看板の前に近づき、内容を吟味するように覗き込む募集は新しい娼婦を募集するもの。
住み込みも可としているここなら宿と仕事両方を得ることができるだろう。

「娼婦かぁ……エッチは嫌いじゃないけど……むしろ好きだけど………あまり誰かにサービスするとかは苦手だしなぁ」

娼館の看板の前で悩む少女の姿は人目を引くものだろうが、本人は全く気にした様子はなく。

シトリー > 「いっか、仕事を決めるとそこの束縛されるし、もう少し見て回ってからきめよっと」

しばらく悩んだのち、割り切ったような表情で顔を上げ。
どうせお金がなくても死ぬわけでもなし、と考えれば踵を返して人込みに向かって歩き出し。
今度は王都の中心部でも見てみようと足を進めてこのエリアから姿を消していく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からシトリーさんが去りました。