2017/11/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区・裏通り」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > 「せぇ、のっと!」

めきぃっ!と盛大に鈍い音を鳴らして見知らぬ男を叩き伏せたのは、金属質な光を放つ箒一本。クルクルと遊ぶように取り回してから背中に背負ったのは、どちらかというと非力そうに見える小柄な男であった。
野次馬が勝った負けたと騒いでいるので、どちらが勝つか賭けでもしていたのだろうか。全く、追いはぎに遭い掛けたのだから助けてくれても良かろうに……と思ったが、ここが貧民地区なのを思い出して諦める。

「ったぁく、こんなか弱い花売りのおじさんを狙うたぁふてぇやろうだぁね。」

誰がか弱いだ、と悪態が聞こえた気がしたが無視してくぁ、と欠伸を一つ零すと、とりあえずは一度そそくさとその場を離れて一息……久しぶりに、人前で盛大に暴れてしまって、すこぉしばかり後悔していなくもない。いやまあ、ストレス解消には、なったが。

ハーティリア > 「さて、まあ多少暴れてスッキリはしたが、どうしようかねぇ……また薬でも売るか?でもなぁ……。」

昨日は結局売れなかったしなぁ、とボヤきつつ……むしろ花を売りたいんだがなぁ、なぞと言っても買ってくれる男なぞそう居ない。
すれ違いざまに財布に手を伸ばそうとした見知らぬ少女の手をぺいっと見もせずに払いのけて、逆に銀貨を1枚と飴玉を握りこませる、なんて無駄に器用な事をやりつつぶらぶらと裏通りを歩いては暇つぶしを探し。

ハーティリア > 「……ま、暇なことにゃあ変わりねぇし、適当でいいか。」

そう言って、肩から提げた鞄を開けると、中からにゅぅっ、と立て看板を一つ取り出す。横幅は確かに鞄に納まるのだが、あきらかに看板の縦幅が鞄より大きいのだが、手品のように出てきたそれ。
看板には「料理から秘薬まで、花も売ります。ハーティリアのアトリエ」なぞと書かれたのを勝手に壁にかたりと立てかけて、敷物を広げてそこに座り。

ハーティリア > 「商売ってのも楽じゃねぇなぁ、前は需要に合わせて薬卸すだけでよかったのに……。」

敷き布の上に、丸薬から水薬、軟膏に至るまで、さまざまなフラスコや瓶に入った薬を並べていく。共通点といえば、ガラス製のものに密封されていることくらいだろうか。自分で売る、というのはかくも難しいものなのか、なぞとひとりごちながら。

「こういうのって、呼び込みとか、そういうのもやった方が良いのかねぇ……。」

別に、金に困ってるわけじゃねぇんだけども……なんて、呟き混じりに、商売の真似事など、してみるわけで。

ハーティリア > 「……薬に料理、なんでもあるぜー?」

そんな声をBGMに、裏通りの背景に溶け込んでいった……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区・裏通り」からハーティリアさんが去りました。