2017/11/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 繁華街」にボブさんが現れました。
ボブ > (酒場で軽く…男としては軽くだが、一般的な人としてはそれなりの酒量を飲みあげた上で酒場を出た男は
楽しく酒を飲んだ後にはいい女…とばかりに女性を見繕いに娼館が立ち並ぶ地区へと脚を進めていけば
路地のいたる所に店に所属していない街頭立ちの娼婦が道歩く男たちに声を掛けている姿を横目に見つつ)

「う~ん……ああいった娼婦は娼館に勤めている娼婦より安く上がるか……いや、背後にゴツいお兄さん達がいて、
何もしていないのに金を払わされる高い授業料を払わされるかのどっちかだよな」

(立ちんぼの娼婦の姿を横目に見ながら、安くて美味しい買い物になるか、高くて一切、得をしない買い物になるかだと
持論を独り言のように漏らしながら路地を歩いてみせていて)

ボブ > (路上に立っている娼婦の見極めに関しては女慣れしている者にとっても至難の業…、上手くいけば美味しい目にもあえるが、
9割がた痛い目を見るのが世の常…そういった話も良く耳にしている男は路上で声を掛けてくる女性に
愛想笑いを投げ掛けつつ、横を通り過ぎて、やはり安心感が強い顔見知りの娼館へと向かい、いい値段に見合ういい女を
選び上げ、前払いで料金を支払っていけば、買った娼婦と共に娼館の一室へと姿を消していった)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 繁華街」からボブさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレーナさんが現れました。
レーナ > 月明りが空に輝く時間帯の貧民地区の一角、路地を抜けた先にある少し開けた場所。
むき出しの地面から生えた草はそのまま、誰かが持ち込んだ木箱や良く判らないような物などがある中の一つの木箱に腰を掛ける人影。

特に何をするという訳でもなく木箱に腰を据えては足を揺らして。

「あちらは騒動。こちらは静かか」

大通りのある方向に耳を澄ませれば聞こえるのは喧嘩をしていると思われる怒声。
貧民地区でも区画が違えばこうも違うものかと関心をしてしまい。
今は仕事を受けている訳でもなく態々騒ぎに首を突っ込む必要もないだろうと騒ぎ声に耳だけを傾け時間を潰すようにして。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジアさんが現れました。
ジア > 静かな区画の路地と対照的な大通りは相変わらず喧噪に包まれているが、
不意に遠くから響いた怒声から逃げるように、開けた場所に近づいてくる足音が響く。
その音は次第に近づいてきて、やがて息を切らせながら駆け込んでくる小柄な影があった。

「はぁっ…はぁっ…!わ、わっ…!?お、お姉さん、ちょっとだけ隠れさせてください…!」

月明かりに照らされる銀髪の少年は、開けた場所で木箱に腰かける姿を見咎めて少し怯む。
しかし、背後から聴こえた怒声に肩をびくっと跳ねさせた少年は、慌てて相手の傍まで走って、木箱の陰に隠れようとする。
遠くに聴こえる怒声は、探していた者を見失ったのか、次第に遠ざかって、震える少年の荒い呼吸の音を除いて静寂が戻ってくるだろう。

レーナ > 静かな場所と微かに聞こえる怒声を暇つぶしとしていれば、
その怒声が近づいてくるのか大きくなり足音も聞こえ始める。
何事かとそちらに視線を向ければ小柄な人影が走りくるのが目につき。
なんだというように視線を鋭くするが慌てた様子で隠れさせてという少年が木箱の陰に隠れようとするとその上にマントをかけて隠し。

もしこの怒声の主がやってくれば面倒だが追い返すかと木箱から腰を上げる。
しかしこちらまでは来ずに遠ざかっていけば木箱に腰を戻して。

「どうやら去ったようだぞ?」

木箱の陰から聞こえる少年の荒い息使いに向けてそう声をかけて。

ジア > 殆ど藁をもすがるような気持ちで飛び込んだ木箱の陰で少年が震えていると、不意にその視界が暗く染まる。
驚いてそのまま立ち上がりそうになりかけたが、ふわりと香る暖かさに、少年も落ち着きを取り戻す。
やがて恐怖にかじかんでいた身体に熱が染み渡り、自然と震えが止まっていた。

遠くに聴こえていた怒声も遠ざかり、やがて静かな気配が周囲に戻ってくるのを感じるのと、相手の声が聴こえたのはほぼ同時だった。

「あ…ほ、本当にありがとうございます!…これ、取られそうになって…」

かけられていたマントをめくって立ち上がる少年は、未だ荒い息を整える間も惜しんで、バネに弾かれたように勢いよくお辞儀をする。
少年が顔を上げると、傍から見れば寒々しい恰好の少年の胸元で、複雑なレリーフの彫られた指輪が揺れていた。

レーナ > 隠れた少年に声をかけて念のためと少年がやってきた方向へと視線を向けておくが怒声の主が戻ってくる様子はなく。
これならば大丈夫だろうと再び足を揺らし少年が隠れている方向へと視線を向ける。
そしてかけたマントをめくり立ちあがり勢い良くお辞儀をする少年に気にしないでというように手を揺らし。

「礼はいい。助けたのはほんの気まぐれだからな」

律儀な少年の様子にいい子だと少し微笑んで見せて。
見れば寒そうな姿で胸元で揺れる精巧な模様の入る指輪が目につき、
これを狙われたと聞けば思わず納得をして。

ジア > 完全に見失ったらしい怒声の主がやってこないことに少年は恐る恐ると箱の陰から出てくる。
改めて鷹揚に手を振る女性を見つめてから、周囲にかすかに聴こえる怒声の残滓に、過敏に反応して肩を震わせる。

「そんなに高く売れないっていったのに…でも、お姉さんのおかげすごく安心しました…ボク、ジアって言います。鍛冶師みな…鍛冶師です!」

微笑む相手に、少年も溌剌とした笑みを湛えてため息を吐くが、依然としてその身体は小刻みに震えて虚勢とわかるかもしれない。
名乗る少年は、うっかりと気が抜けているところで見習いと言いかけ、慌てて取り繕うように言い直した。
よほど慌てていたのか、ボタンの外れたポーチの口から、それほど上等でなくともしっかり手入れされた道具の数々が垣間見えるだろう。

レーナ > 恐る恐ると木箱の陰から出てくる少年に大丈夫だ、というように視線を向けて。
まだ遠くを探しているのか微かに聞こえる怒声にしぶといもんだろ呆れを見せて。

「それだけの見事な作りならそうみられても仕方はないな。偶々そうなっただけだ、キミならうまく逃げれたのではないか?
ふむ、ジア君か。私は……レーナだ、見ての通り冒険者をやっている」

小刻みに震えている姿にまだ先ほどの恐怖が向けていないのにしっかりしているように見せようとする姿に笑みをこぼし。
言い直した事に背伸びをしたい年ごろなのだろうとあえて何も言わずにそうなのかと頷いて見せて。
鍛冶屋というだけありそれなりに鍛えているのだろうとみればポーチに覗く道具に視線を向けてみる。

ジア > 箱の陰から顔を出した時、力強い視線に少年の震えもようやく収まっていく。
遠くに聴こえる怒声にも、余裕綽々とした態度を見せている女性に、少年の羨望に満ちた視線が注がれていく。
しかし、その視線はすぐにスタイルのいい体つきに向きそうになって、慌てて視線を逸らそうとする。
それでも、女性の顔を見ながら時折さりげなさを装おうとして視線が移りそうになっていたが。

「値打ちはないですけど、ボクの大事なものなんです。逃げられても、安心できなくてよくないところまで迷い込んじゃうかもしれなかったですし…。
お姉さん冒険者なんですか!?ボクはまだ駆け出しで全然戦えないですし…って、あれ?ポーチ開いてる!?」

すっかり背伸びを見透かされた気がして、少年は顔を赤らめながら言葉を次ぐ。
そして、女性の視線を辿った少年はポーチがあきっぱになっていると、慌ててその場で道具を改めようと広げていく。
槌やら油やら合板やら革やらとその場で防具や武器の簡単な整備ができそうな道具の数々が見本市めいて広げられていく。
やがて、少年は数え終わってからホッとしたようにため息を吐いてそれらを仕舞い直した。

レーナ > もし声の主が戻ってくれば今度は力で追い返そうとそちらを見ていたので少年の視線には気が付かず。
視線を少年へと戻せばそらそうとしている姿に何かあったのかと周囲を見回して。

「値打ちがないか、そうは見えないが…。大事なものなら見えないように持たないとまた同じような目に合うかもしれないぞ?
ジア君はこの辺りには詳しくはないようだな…。なら人の多い場所に逃げるといい、そうすればキミの背丈なら人ごみに紛れて振り払える。
この辺りには最近来たばかりでこちらでは新人になるか…。冒険者の仕事は戦うだけではない、気にすることもないと思うが…」

赤を赤らめて告げる少年に少し考え…この辺りでの逃げるコツを伝授するように告げて。
視線を追いポーチが開いていることに気が付き点検を始める仕草にまだプロとは程遠い姿を見てしまい。
並べる道具などを見ていけば知っているようなものから知らないものまで多種なものが広げられて。
息を吐きどうやら全部あった様子によかったなと一声をかけて。

ジア > 盗み見てしまったことがバレたかもしれない、と少年が危惧して恐る恐る見上げる相手は、どうやら周囲を警戒していたらしく気づかれていなかった。
それに少年は安堵しながら、身体についた埃を叩いて改めて女性と向かい合い、大分離された身長差に見上げる形となって。

「でも、大事だから、肌身離さず持ってないと落ち着かない…んです。す、すごく広いところなんで、全部は把握できてなくて…!あっ、人混みの方が安全なんですね!
鍛冶師として大成するつもりです…。あ、この辺りは、危ないですよ。特に、お姉さんみたいな人は…その、色々狙ってくる人もいるでしょうし…」

自分の正体にも関わる代物のため、それを告げまいとすることで少年の言葉も歯切れが悪くなり、逃げるコツにこれ幸いと食いついて誤魔化そうとする。
そんな間も繰り広げていた一人前とはいい難い道具の点検を終えて、相手にかけられる言葉には恥ずかしそうには赤面してしまった。
褐色の健康的な肌越しにもわかるぐらいの赤色に染まった少年は、冒険者は副業に近いと割り切ることに決めた。
そこでふと、新人という女性に少年は心配そうな表情を浮かべるが、実際のところナニが危ないかを口ごもる少年はだんだんと声が小さくなっていた。

レーナ > 念のためと周辺を確認し少年へと視線を戻せば恐る恐るという様子で見上げてくる仕草。
そんなに怖かったのかと少年がまだ終われていたことに怯えていると勘違いをすれば安心させようとそっと頭を撫でようとし。
背の高さは自覚があるだけに見下ろすような姿となってもさほど気にもせずに。

「それならば指に付けて手袋などはどうだ?目立たないし落とすこともないと思うが?
全部は把握しなくとも知っている場所を逃げれば大丈夫だ。キミは小柄だから狭い場所を逃げるものいいか。
鍛冶屋としての大勢は冒険者よりも大変だろう?頑張らないとな。
私のようだと色々か、そういうもの好きが果たしているのか悩むところだ」

歯切れの悪さは気にはなるがどういうものか聞いたりはせず、ならばこれはという案を提示して。
少年ならばというこの辺りで使えそうな逃げるコツを思いついた範囲で告げていく。
ただ告げていくたびに自分では目立つ、つっかえると思えばわずかに肩が落ちて。
道具を大事に思う姿は一人前の職人のそれ、いいことだと頷き。
褐色の肌を赤く染める少年に大変だが頑張ればなれるはずだと。
自分の身を案じてくれる少年に果たしてそんなもの好きがいるのかと肩をすくめたりもして。

ジア > 上から伸びる腕には一瞬身を強張らせるが、恩人である相手だと思い出せば、頭を撫でられて心地よさそうに目を細めた。
すっかり安心した少年は震えることなく、その掌にされるがままに銀髪を撫でられていく。

「手袋…あんまり考えたことなかったです…!
次はもっと落ち着いて逃げられれば、大丈夫…だと、いいなぁ…。
そのためには、もっと良いものを作れるようにならないと…れ、レーナお姉さんに、そういうことをしたくなるのは当然だと思います…!あ、そ、そう思う人もいるってことで、だから、やっぱり気を付けて欲しくて…」

指輪なのだから指にしたらどうか、という至極真っ当な相手の指摘に、少年はきょとんとした表情で目からウロコと言わんばかり。
そもそも少年にとっての半身たる指輪に、少年はそれ以上の認識を持っておらず、形状もほとんど意識していなかったのだ。
逃げ方を神妙な表情で聴きながら、少年は指輪をおそるおそる自分の人差し指に嵌めようとして、それはぴたりと噛み合った。
その指と女性をキラキラとした目で交互に見る少年の態度は年相応のものに見えるだろう。
どこか捨て鉢な態度で肩をすくめる女性に、少年は勢いに任せてド正直な欲求を口走り、顔を赤らめながら今更のように一般論ぶって繕おうとした。

レーナ > 身を強張らせる姿に警戒しているのだと思いながらも手を伸ばし、
そっと少年の頭を撫でそのままに銀髪を梳くように撫でて。

「薄手でも良い物が結構あったりとするからお勧めだ。
落ち着く必要よりも逃げるルートを考えておくといいかもしれないぞ?
一つアドバイスだが急いでは良い物は作れはしない、落ち着いて慌てずにやっていく事が成功への秘訣だな。
ジア君、私は自分にそういう魅力がないとは思っていないぞ。ただそういう下心ありきはあまり好きではないだけだ。
私にも好みと気分がある、しかし気を付けておこう」

指輪といえば指という古い考えがあり、どうして首からという考えからアドバイスであったがどうやら役に立ったと安心し。
逃げ方をアドバイスすれば後は少年が自分に向く逃げ方を考えるはずだとそれ以上は口にはせず、
指輪をはめる姿をなぜか微笑ましく見てしまい。
指輪のはまった指を見るのは解るがなぜこちらを見るのかとそれがわからずに見返し。
少年の直球な欲求の言葉にキョトンとして、次には捨て鉢ではなく選ぶ権利もあると困った笑みを見せて。