2017/11/06 のログ
■エレノア > 「おお、そう言った方が良かったか?なるほど、君は変態というヤツだな!」
マゾヒズム的に。マゾヒズム的に。
罵られる事を求めるとはこれ如何に。女は両の手をパンッと合わせ、合点がいったような表情を浮かべた。
認識が合っていようが間違っていようが、とにかく女は満足げだ。
「ふぅむ、私も職業柄、肉体の強度には多少なりとも自信はあるが……。
そちらの方は、何とも……。ま、まあ、人はサイズが全てではないしな。
そう気を落とすな!」
鼻の下を伸ばした少女の下ネタに、明後日の方向に向かって慰めの言葉を投げかけた。
しかも、サイズ云々は恐らく、小さい事が悩みの相手に言うものであろう。きっと。多分。
「その中にあって生き残れる程には腕利きか、もしくは生存本能が強いのか。
しかし、依頼とあれば止む無しとはいえ……信用の出来る連中と組むべきだったな。
少なくとも、自分の身の回りだけは。」
少女の経験した地獄がどんなものだったかは知らない。
しかしそれでも、命のやり取りを生業にした以上は周りもそれに足る人間で固めるべきだ、と。
この手の話になると辛辣になりかねないのは、最早職業病だろう。
「随分と複雑な話のようだな。
しかしながら、うむ、呪われようと何だろうと生きようとするその意気や良し!
給仕さん、もう一杯だ!」
勿論彼女にツケてくれ!え?一杯だけ?そんな事、言ってたっけ?
エレノア、分かんない。
そんな表情を浮かべた。
■セイン=ディバン > 「そうくるかー。そっち行っちゃうかー。
エレノアちゃん、そっち系かー」
更に予想していなかったことに、少女は苦笑を強める。
そっち系。つまり、天然、もしくはアホの子という認識だが。
流石にそれを面と向かっては言えないらしい。
「私はスキル柄、どうしても耐久には自信がないけどね。
ん~。そうねぇ。確かに、大きすぎて嫌がられたこともあるし……」
少女は得意分野としては、シーフ・レンジャー系だ。
防御などには自信がなく、回避重視なので、そこは相手を羨ましいと思う。
そして、下ネタへの切り替えしには、実際にあった経験からの悩みを漏らしつつ。
「どっちかと言えば生存本能。私自身のスキルなんて、大した物ではないしね。
ふふ、耳が痛いわ。まぁ、駆け出し冒険者だった頃の話だから。
自由に仲間を選べなかったのよ、当時は、ね」
傭兵としての卓越した経験からのアドバイスに、少女は軽く頭を振る。
やはり、目の前の相手はどうにも、かなりの強者であるらしい。
なるほど、この女性を抱こうとして、その気にさせるのは骨が折れそうだな、と思う。
「まぁねぇ。思い返せば笑い話、だけどね。
お、良いわね。飲みっぷりが豪快な女性は好きよ?
ウェイターさん、ガンガン持ってきちゃって!」
明るく、そして芯の強い声に、少女は笑い。更に飲むという相手に、少女も頷きながら奢ることを了承。
良く見れば、少女の手元のウイスキーは既に空で、少女もお代わりを求めている始末だ。
■エレノア > 「何?そっち?そっちとは何だ?」
ステータスの知能、などという項目があれば、それを戦闘だの何だのに全振りしたのが、多分この女なのだろう。
とにもかくにも、相手の発言の真意には一切、全く、気付けなかった。
傭兵を率いる事に於いては阿呆では無い筈である。
「お、おう。余りにも大きすぎるとだな、血が出たりするからな。
流石に裂けるなんて、ゾッとしないぞ。」
そして、此方は此方で勝手に想像を膨らませて、巨人族の様なサイズを頭に思い浮かべた。
そこまでいくと、最早裂けるでは済まないのだが、突っ込まないのがマナーであるのだ。
「そうか。だが、その経験があって、今の君が居るのであれば……そうだな、ある意味では良い経験になったんだろうな。
教訓を得ずに今も何も考える事なく地獄を見るのであれば愚かしい事この上ないが、そうでないのであれば、君も最早一流という事なのだろう。
いや、すまない。少し偉そうな事を言ったな。」
冒険者にしろ傭兵にしろ、結局は生き残る者が一番偉いのだ。
生き残りさえすれば、次に繋がる。
尤も、先に述べた様に、己の命惜しさに裏切りや足を引っ張るのは、愚の骨頂だが。
「そうでなくてはな!なるほど、確かに良い出会いだ。
今夜は私も強いのを飲むぞ。」
快く奢ってくれると宣言した相手に、自制心は完全崩壊だ。
帰り道の護衛は任せたとばかりに。
■セイン=ディバン > 「あぁ、いや。気にしないで?
エレノアちゃんが可愛らしい、って話だから」
ウソは言ってはいない。なんとも、この目の前の女性は。
最初の印象は、凛々しい感じだったのだが。
話してみれば、そう。可愛らしい部分が見えてきた。
「ん~……血とか、裂けたりとか……。
どうだったかしらねー……」
相手の言葉に、頭を抱えて記憶を呼び起こす少女。
何せ、かなりの幼女や、小柄な女性も抱いた経験があるのだ。
もしかしたら、そういうこともあったのかもしれないが。如何せん思い出せない。
「そう、ね。それは間違いなくその通り。
得た教訓は……仕事するなら一人でやれ、だけどね。フフッ。
あぁ、いいのよ。立場の違う相手からの言葉は、貴重だしね」
相手の言葉に、目を細め、過去を思う。実際は、少女も今でもコンビを組んだりはしないでもないが。
基本はソロでの仕事が多い。気楽なのだ。そちらのほうが。
「イイ女を目の前にして、ケチケチしてたら格好付かないでしょ?
お、いいわね。でもまぁ、程ほどにしておきなさいね?
アナタの酔った姿を見たら、本当に襲っちゃいそうだもの」
いよいよ本腰を入れて飲むモードに入った相手に倣い、少女も飲みモードへ。
しかし、最後には冗談なのか本気なのか判らない言葉を付け足す。
その笑顔は、どこか小悪魔的だ。
■エレノア > 相手の言葉には首を傾げるばかりだ。
何せ、本人は別段おかしな事を口走っているつもりはないのだから。
変態発言然り、端々の発言然り。
至って大真面目である。
「……や、やめ!この話はヤメだ!」
はい!終わり!下ネタは良いが、痛い話は駄目だ。
戦闘行為で傷付くのは良いが、それ以外での怪我など耐えられよう筈もない。
ともあれ、突っ込めば突っ込む程に痛々しい想像しか出来ないのだ。
「一人で、か。
それもまた一つの道だな。冒険者だからこそ可能な方法とも言える。
そう言って貰えると助かるよ。それに、傭兵だって冒険者から学ぶ事は大いにあるんだ。
戦場に於ける、身軽な冒険者の有用性、有効性……いや、この話はやめておくか。」
突き詰めると、少女の嫌う軍人がよく語る戦略の話になっていくのだから。
話を切り替えるように頭を振った。
「ふ、前後不覚になろうと剣は振れるのさ。
尤も、何を切ったかまでは全く覚えていないがな。
だから襲い掛かってきてみろ……私は何も覚えていないぞ。」
もう一度言う。何を切ったか、覚えていないのだ。
自身の酒癖の悪さを示し、一応は釘を刺しておいた。
部下曰く、酔ったこの女は流行り病よりも危険だとか何とか。
■セイン=ディバン > その首を傾げる様子を見て、また小さく笑う。
そういう部分よ、と。軽く相手を指差すものの、言葉にはしない。
少し意地が悪いかもしれないが、どうにも。可笑しくて、楽しくて。
ついついからかってしまうのだ。
「そうねぇ。あまり愉快な話でもなさそうだしね」
流石に少女とて、ムリヤリ行為に及び、相手の身体を傷つけたい、とまでは思わない。
不可抗力があったかなかったかは、記憶の中だが。
酒が入ってはそれを思い出すのも難しい。
「そうね。自由とも言えるし、孤独とも言えるわ。
ふふ……そういう柔軟性も、エレノアちゃんの強さの秘密かしら。
そうしましょうか。そういう真面目なお話は、お酒抜きで、ね?」
少女としては、真面目な話も嫌いではないのだが。
せっかく相手が気を使ってくれたのだ。この話もまた、ここで終わりだ、とばかりに酒に口をつける。三杯目はエールであった。
「あら怖い。じゃあ、エレノアちゃんを抱くときはちゃんとエスコートしなきゃ、なのね。
……ふふ。酔っ払って口説いて抱けば。激しく愛し合ったことも忘れちゃうの?」
からかい続けるように言いつつ、少女は笑う。心から愉快だというかの様に。
そうして、冒険者と傭兵の夜は更けていくのだろう……。
■エレノア > からかわれた事にすらいまいち気付けず、首を傾げるばかりだ。
とはいえ、それを不快に思うわけでもなく。
相手から意地悪く指を差されてみても、うーん、と唸り声を上げるくらいである。
最終的に、相手が楽しそうなのであればそれでいいか、等と納得もして。
「折角の酒の席だしな。もっとこう、楽しい話をしよう!」
そして、此方も更に酒を追加するのである。
強い酒、と言った手前、出てきたのはドワーフ製の火酒である。
何故この様な代物があるのかは分からないが、強い酒を、という注文で出てきたのだから仕方がない。
「そうさ、強いぞ。私と、私の部隊はな。
そう思えるだけの事をしてきたし、自信もある。
ま、君も同じだろう。」
どれだけ自分の技術を蔑もうと、最終的には最も信頼しているものなのだから。
常に、その道において自分こそが一番だと思う。
それこそが、一つの強さだ。
「う、うむぅ……忘れ、ないんじゃないかな!
いや、余りいじめてくれるな。」
そろそろ酔いも回ってきたか、その様な言葉も漏らした。
はてさて、いよいよもって酒精の虜になり始めた女がどの様な酔い方をするのか。
それはこの場に居る者だけが知るといったところである。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレノアさんが去りました。