2017/10/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアーラシュさんが現れました。
アーラシュ > 「……あぁ。」

ここは貧民街の入り口付近。そっと空から舞い降りた一匹の淫魔は
小さな音を立てて一人の村娘の姿に変身した。

大きく深呼吸をして、すえた魔界の牢獄の臭気とは比べ物に
ならないすがすがしさを感じる。
もっとも貧民地区の空気なんて、あまりいいものではないはずなのだけれども。

「ようやく、帰ってこれたんだ……。」

かつて自分が存在していた王国はすでになく。この土地に降りたのは、ほんとうの気まぐれ。
新天地。そう一言つぶやいてはにかむように笑う。

「ふふふ、なにからしようかしら」

ついに、ついに自由の身になった。そんな思いをかみしめながらアーラシュは両手を広げ、その場で一回転した

アーラシュ > かつて、優に百年以上も昔の話。
英雄の末裔として甲冑を身にまとい、戦場にでた一人の女騎士アーラシュ。
結果として魔族に屈服した英雄の末裔は、魂が変質するほど
に魔界で犯しぬかれ、一匹の淫魔にまで落ちぶれた。

だがそれも昨日までの話。ついに恩赦を与えられ自由の身になった。
これから第二の人生が始まるのだ。そう思えば、ここ数百年かきつづけた恥も忘れ
鼻歌の一つも出てくる。旧い、旧いメロディーが。

「まずは……住む場所よね、そして、服はまぁ、そのうち。なにより、食事!」

残飯や魔物の精液ばかりの食事とも言えない生活、淫魔の体に
なってからは
そもそもまともな”食事”という行為をすることすらなかった。
今でも生きるために必須というわけではないが……湯気の立つスープに
パン、魚のフライ。そういったものが頭の中を駆け回りよだれを
垂らす。

アーラシュ > 「って、浮かれている場合でもないか」

ひとまず、変身前の姿を見る者がいないことを確認し
路地から大きめの道に出る。人の気配を探りながら人気の多い
ほうへ、多い方へ、と向かう。
通貨なんて持っていない。ただ、当たり前の町中を歩くだけでいい。
なんだか綺麗な町中に降りるのは気が引けたけれど、この辺りは貧民街とはいえ、商業が盛んなようで夜も人通りが多い。

「こんなに街灯って明るかったっけ?」

暗い牢獄で暮らし続けたせいか、それとも世の中がもっと便利に
なったのか。そんなことを考え、通りの半ばで足を止め、まぶしそうに街灯を
見上げて……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──ほむ……ちょっとした散歩のつもりがいつの間にやら貧民地区(こんなところ)まで来てしまった感。
まああ別に良いんだが……」

大股でのんびりと通りを歩く金髪の男は、ふとそんなボヤキを漏らしながら軽く頭を掻いた。
ボヤいてはいるものの、男としては貧民地区の猥雑ぶりは嫌いではない。
よって引き返すこともなく、そのまま歩みを進め続けるのだが──

「……む?」

通りの半ばに立ち止まっている、変わった髪色の女の姿が視界に入ると、思わず少し目を丸くした。
その佇まいになんとはなしに興味を惹かれた男は、少し思案した後、おもむろにその女の方へと歩み寄ってみることにした。

「──やあやあコンバンハ。……なんか変わったモンでもあったかね?」

へら、と緩い笑みを浮かべてそう声をかけると、彼女の見上げていた街灯を自分も一度見上げてみて。

アーラシュ > 「あっ」

人に声をかけられた。ちょっとうれしそうな声をあげて振り返る。
会話だって、まともな会話は久しぶりだ。

「いえ、この街灯明るいな、って」

見上げてみれば何のこともない、別に新しくも手入れが行き届いているわけでも
ないただの街灯だ。

「このあたりの方なんですか?」

だとしたら街のことを聞こう。そんなことを考えながら
尋ねた。アーラシュは質素、いや粗末と言っていいワンピース姿。豊満な体つきを隠そうともしていない。

エレイ > 「……そうか? こんなモンだと思うしむしろどちかというと平民地区のと比べると暗めな気もするが……」

返答に意外そうに眉を持ち上げてから、もう一度街灯を見上げて首を傾げ。
続く問いかけに視線を戻せば、顎に手を当てんー、と少し思案。

「いや俺は実は旅人であってこのあたりどころかこの国の人間ですらないが……
それなりに地理は頭に叩き込んでいるので道案内ぐらいはできるぞ」

それからドヤ顔でそんな返答を。
然る後、ちらりと彼女の肢体に視線をやれば、ワンピース越しに浮かぶ豊満なラインが見えてほう……とか小さく声を漏らし、
そのまま興味深げにジロジロと露骨に眺め回し始める始末である。

アーラシュ > 「そうなんですか?」

平民地区、行ってみたい。ここで少し……慣れてから。
旅人だといわれれば、少し嬉しそうに。自分も来たばかりなのだと
嬉しそうに説明して。地方から都会にあこがれて出てきた、そんな風に説明した。

「お願いできますか?」

宿も決まってない、とまで言っては不審がられるか。視線には気づいている
けれども、男の視線を集めるのはむしろ快感で、知らないふりをして逆にエレイさんを観察しようとして

エレイ > 「──ほうなるほど、おのぼりさんであるか。
いいぞ、キミの案内して欲しいところをどこでも言ってみたまへ」

彼女の説明を受ければ、なるほどな、と腕組みして頷く。
どこか違和感を感じたものの、この場では特に言及はせず。
お願いできるか、と乞われればいい笑顔でビシっとサムズアップしながら快諾した。

「……と、その前に自己紹介がまだだった感。俺は謙虚な旅人で冒険者のエレイというのだが呼ぶ時は気軽にさん付けでいいぞ」

そして、ふと思い出したようにそう言い出すとドヤ顔で変な自己紹介を繰り出すと、笑みのままそっちは? と促すような視線を向け。
そうしながら側まで近寄り、これからエスコートする、と示すように彼女の片手をそっと握ろうと。

アーラシュ > 結構お調子者、って感じの人なんだろうか。
そんなことを考えながら、こちらも自己紹介をして

「アーラシュ、って言います。ええ、ほんと、お上りさんです。」

そう認識してもらえればありがたい。

「とりあえず、宿が安いところとか、安く食事ができるところとか……そういうあたりってありませんか?」

お金はないが、どうにでもできるだろう。一応私は”プロ”だ
最悪、空を飛んでどこかの屋根裏にでも潜り込めば数日は
ごまかせるはず。

エレイ > 「アーラシュちゃんだな。ヨロシクだぜ。……アーラシュ、ねぇ? はて……」

自己紹介を返して貰えば笑顔で復唱。
だが、どこか──ここではないどこかで聞いたことがある気がして、口の中でもう一度だけ呟いて。
しかしとりあえず、そのことについて考えるのは後にしておく。
彼女の手を取り、並んで一緒にゆるりと歩きだし。

「──ほう、つまり安く済むトコか。まあ出てきたばっかだとカネの問題は切実だしな。
ってゆーか、アーラシュちゃんは来たばっかりと言ってたが
今晩の宿は決まっているのかね?」

問いかけに対しふむむ、と唸って心当たりを検索しつつ。
その途中で、ふと気になったことを問いかけてみた。

アーラシュ > 「?」
やっぱり名前も古臭いのかな?ちょっとしょんぼり。まさか200年たっても
自分の記録が残っているという発想自体が浮かばず、小首をかしげて。
「そうなんですよ……すぐにでも何か仕事を見つけようとは思ってるんですけど
現金の持ち合わせがほとんどなくて……えっと、ほら、農村だから実家
を出るときも現金なんてほとんどなくて。
……あ、まぁ一応あてはないこともないですけど……やっぱり安かったり、するとうれしいなぁ」

エレイ > 「……ん? あー別にアーラシュちゃんの名前がヘンと言いたいワケではないので
ションボリしないでくれると嬉しいのだが」

軽くションボリしている様子が見られれば眉下げて笑ってそんなフォローを。
今風の名前でない事は確かではあるが。

「ふむ、まああ仕事なんてのは色々あるしその辺は慌てず適当に探せば大丈夫でしょう。
──ほう……そしたらそうだな、良いところを知っているのでそこへ案内しよう」

少し考えてから、笑顔でそう提案する。
それから、そっと耳元に口を寄せて。

「ついでに、と言っちゃあなんだが……条件付きで宿代も俺が出してあげても良いのだが。どうかね?」

などと、悪戯っぽく囁いてみて。

アーラシュ > 「あ、そうなんですか?」

じゃあ、どうして?とはちょっと思うが、さほど気にせず

「へー、どういう宿なんですか?」

宿について詳しく効きながらも、相手の言葉には動じることなく
むしろ凛々しい顔の目じりを下げてニッと笑って

「えー?どういう条件か……詳しく聞かせてくれますか?」

エレイ > 「うむ、むしろ実に素敵な名前だと感心するがどこもおかしくはない」

ニッと笑ってまたビシっとサムズアップ。
続く問いにはへらりと緩い笑みを浮かべて。

「貧民地区(ここいら)にしてはそこそこ綺麗で比較的安全な宿と言ったところかな。価格も良心的だべ」

そう説明しながら、条件について訊いてくる彼女の表情に目を細め、
ニンマリと楽しげに笑み深め。

「何、難しいことではにい。俺も同じ部屋に一緒に泊まる、というだけだ」

明らかにそれだけではない、という含みをもった言葉を寄越し。
笑みのまま彼女の顔を間近で見つめて返答を待ち。

アーラシュ > 正直、清潔さも、安全さも、昨日までいた場所と比べれば雲泥の差で。

「ふふふ、ホントにそれだけなんですか?」

ぎゅっと相手の腕に抱き着きながら耳元でささやく
女の一人旅なんですから、ねぇ?なんて

「もし……少しでも、お金もらえるなら、なんでもしちゃうかな?」

そんな贅沢な買い物がしたいとかそういうんじゃないんです、と甘えて見せる

エレイ > 「……思うにアーラシュちゃんは時既に解っているのではないか?」

耳元で悪戯っぽく囁かれる台詞に、キシシ、と愉しげに笑いながら。
腕に抱きつかれれば伝わってくる豊満な感触に表情を緩めつつ。

「ふむ? ……まああそうだな多少なら援助しないでもない」

甘えてくる彼女に、少し思案しながらもとりあえず頷く。
あまりカネを渡すのは好きではないが、なんでもしてくれるという魅惑的な響きが勝った。

「──まああとりあえずこれで契約は成立ということでよろしいかな? んじゃ、行こうず」

そう言って、彼女を伴い宿の方へと一緒に向かってゆく。

アーラシュ > 「ん~、ちゃんと言ってくださいよぉ♪」

豊かな体、人によってはだらしないと思うかもしれないほどのグラマラスな
肢体は、かつて英雄と呼ばれたものの体だとは思えないだろう
もちろん、心も魂も、なのだが……。

「ありがとうございます。1、2泊できるお金でいいんです。」

いつかお返ししますから、と告げて、笑顔で何度も感謝の言葉を述べる。
助かるのは本当に事実だ。

そして宿に向かえば……村娘?と思うような舌遣いや腰遣いを披露することになるだろう……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からアーラシュさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエレイさんが去りました。