2017/08/13 のログ
チェシャ=ベルベット > 「……ティエは時々難しいことを言うね。
 僕にはそれしか無いから、それを好きな人のために使いたいと思っているだけなんだけど……
 ん、まだわかんないけど、今はわかったってことにするよ」

ティエンファの言葉に理解は出来ずとも、納得はできる様子で軽く頷く。
何より頑張らなくてもティエンファが近くにいてくれることは、それはとても嬉しいことで幸せなことだった。
そう言い切ってくれるからこそ、彼のそばにいたいと思ってしまうのだ。

「ふふ、じゃあ今度から機会があれば色々着飾らせよう。
 あんまりじゃらじゃらしたのじゃなくて、ちょっとしたものとか付けてあげたいし」

頬を指で撫でられれば気持ちよさそうにうっとりと目を細める。

「うん、僕もできるだけ長くティエと一緒にいたい。
 好きだよ、ティエ」

そう言って何度目かのキスを相手の頬にして、飽きもせず照れたように笑う。
そうしてティエンファとチェシャは二人、寄り添って夜市の人波に消えていくのだろう。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からティエンファさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカインさんが現れました。
カイン > 「……さて、どうしたものかね」

夜も更け、人の気配がすっかりと消え失せた貧民地区。
その中でも一際人気のないぽっかりと空いた空き地の只中。
誰かが放置していったらしい木箱の上に座り込みながら、小さくぼやく男の姿があった。
何やら男に向かって手を振り遠ざかる人影に男も手を振って返しつつも表情は億劫さを隠しきれてない。

用心棒の仕事で貧民地区中を一回りした後、最後の場所として依頼人に連れてこられたのがここだった。
そこで落ち合った人間と共に依頼主が立った今去っていった訳だが、取り残された側はどうにも手持無沙汰。
色町なり繁華街なりには少し遠く、平民地区に戻るにもそれなりに遠い。どこに行くにも交通の便が悪い場所だった。