2017/08/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアシュトンさんが現れました。
アシュトン > それじゃ、また何時も通りに来るから、仕入れておいてくれ。

(淀んだ気が漂う貧民区、その更に薄暗い奥底。
どれだけの間マトモのな手入れがされていないのか、半ば朽ちたような一軒から出てくる男が一人。
何時もながらの仕入れである。
はっきり言って自分の素の能力自体は、人間の範疇から逸脱するほどのモノではない。
その為、色々な道具やら薬品やらをそろえる必要があるのだけれども。
強力な魔族を相手にするためには、表では手に入らない、つまりご禁制な品々も必要となる訳で。
そういうモノを手に入れるには、やはり、こういう居場所が一番なのだ)

さて、どうしたモンかな。

(本日の用事は大よそと終了している。
つまり、暇になった。
さっさと帰るのもいいが、と、思案するように細い路地から覗く夜空を見上げるのだった)

アシュトン > 忙しくて色々とあいさつし損ねてるからなぁ。
何処を回るかリストも作らないといけないし……そーいや最近顔見てないヤツも多いな。

(視線を遊ばせながら、喉元で小さく唸る。
遠出の仕事が多かった為に、ご無沙汰な事がとても多い。
特に、顔見知りなんかにもそろそろ連絡でも入れるべきなのかもしれない。
某遊牧民とか、ミレーとか。まぁ何処にいるか分からないんですけどね。
ギルド経由で頼めば、なんとかなるだろうか)

ま、暫くは暇になるし、その辺も考えつつ――

(振り上げた足が、転がっていた石をこつんと蹴って。
低い放物線を描きながら飛んでいく)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にチルユキさんが現れました。
チルユキ > 寝起き故に思考が巡らず、ふらりと足を運ぶ。
生温いような淀んだ空気が肌に纏わりつくが、辺りの黒に溶け込む容姿は何時もと変わらない足取りで。

小石がコン、と。行く先で跳ねて、数度ころころ転がって足元にたどり着く。身をかがめて拾い上げ、すんと鼻を鳴らす。

何処、ともつかないが。ヒールの音を伴って源を辿るように探し、

アシュトン > 表にでも出て、飯でも買うかなぁ。
最近空腹に弱くなってる気がする。暑さで余計に体力消費してるのかねぇ。

(微かに鳴るのは腹の蟲。それをコートの上から片手で撫でる。
気温調整系の術式は組み込まれているので、見た目に反して快適ではあるのだが。
それでも、疲労が普段よりは溜まり易いのも仕方ないと言える。
まぁ、夏バテに比べれば余程とマシだろう。
そんなことを考えていたのだけれども、石を蹴り飛んで行った方角から、何やら気配らしきモノ。
双眸細めて夜目を利かせながら、緩い足取りで――しかし場所柄警戒を含めた消した足音で、其方の方にへと近づいてゆき)

なんだいお嬢さん、こんな場所で。
大分と危ないんでな、夜の散歩をするには不向きだと思うんだがな。

(幾分と離れた場所から、声をかけてみることにした様だ。
容姿は……見える限りだと、随分と黒い、人の事は言えたギリじゃないけども)

チルユキ > 消された足音に気付かなかったのだろう、
声をかけられて初めて、ゆらりと眼差しを男へと向ける。
表情に乏しい生気の薄い双眸は、この場に馴染むようでもあるし 何処に在っても浮いているようなのかもしれない。

細い腕を男へ伸ばしかけて―――止まる。ぱたと落ちる。
ひとと言葉を交わすことに余り慣れていない、のか。最初の方は聞き取り難く 細い声が濁る

「………わたしの方が危ない…なら、問題ない。

血が、欲しいの。…頂戴。お兄さん、」


保たれた距離をついと埋めようと足が動く。
ゆらゆらと揺れるような足取りは左程の速さではなかったが。
右手の中で拾った小石が転がる。

アシュトン > (相手の視線が此方に向けられて、軽く片目を閉じる。
声で自分の方向は分かるだろうが、はっきりと相手はこちらを目視しているらしい。
どうやら、一般人ではなさそうである。
――何やら、凄く面倒事の予感がする。勘的な意味で)

へぇ、それじゃぁ随分と腕に自信が……っと。
あー、なるほど、そういう感じですか……穏便に済ませられるなら、一番なんだが、っ

(大当たりしてしまった事に、舌を打ち鳴らすと、フードを被りながら後ろへと飛び退き。
着地と同時に、袖から取り出し左手に握った投擲用のナイフを、三本腕の振りに合わせ同時に投射する。
一本はそのまま真正面、胸元狙い。
さらに一本はややタイミング遅れ気味に左足首。
最後の一本はやや暴投気味に左上へと跳んでいくのだが、カンと硬質な音共に壁で反射し、首筋を狙いにゆく。壁にぶつかってる分、威力は落ちるのだが。
流石にコレで仕留めるのは無理だろう、血、なんて言う辺りから吸血鬼の類であろうし。
もっとも、三本全てに仕込まれているのは、魔族にも有効な麻痺性の毒。かすり傷でも入れば、幾らかは優位に持ち込めそうだろうか)

チルユキ > 首を緩く傾げ、

「先に手を出しておいて…穏便も何、も。狙い………的確に急所、だし……。」

悲し気に呟いた―――もっとも、最初から手を出しに行って逃げられた学習により、先に声を掛けるようになったに過ぎないのだが―――。


右手の小石を強く弾き、正面に真っ直ぐ向かって来るナイフを正確に弾き落とす。
幽鬼のような足取りがふと地面に縫い止まり、身軽にとん、と地面を蹴る。

斜めに踏み出してナイフの軌道より外れ、右手にナイフを抜き取る。

軌道を外れたナイフは害無しと判断したのか、然程注意を払わずに左肩をざっと削られる。
鉄の匂いが空気を染めて、小さく咽喉を鳴らし。

躊躇いも無く踏み込んで、浅い間合いから不意を打つようぐっと身を沈めて。腹の高さで外から内へナイフを切り払う。

「こわいの、お兄さん」

アシュトン > いきなり血をよこせ、なんて言われたら普通逃げるか応戦するわっ

(少なくとも、弱者側にいる人間という種族としては、当然の反応と言える。
ここで穏便に対応できるのは、余程の強者位と言わざるを得ない。
投擲した三本は、ほぼいなされてしまったらしい。
肩をかすめた分でどの程度、毒の効果が出るか次第、ではあるが。
油断は出来そうにもない)

吸血鬼と面と向かって、怖いと思わない人間はそうそういないっつーの……ちっ!!
一旦退いてもらえるなら、コッチも様子を見るが、ね。

(更に半歩、靴裏で地面を擦りながら下がると、相手の振り抜くナイフの軌跡に、浅く当たるように左腕を出す。
丈夫な革と、薬品による硬化処理、更に生地同士の間に挟み込んだ鎖帷子。
深く入らない限り、斬撃は早々簡単に通りはしない。もっとも、衝撃自体は完全に止められるモノでもなく。微かに喉で鳴らすうめき声。
それと同時に右手を腰のカトラス、その柄を握り取り、引き抜く、のではなく押し込むと金具が外れる軽い感触の直後。
力強いバネ仕掛けで刀身が一息に押し出されると、防御に差し出した左腕の下を通し、死角を縫うように相手の脇腹向かって斬り抜ける)

チルユキ > 「商談に持ち込んだ商人…も…いた…」

恐ろしい体験を思い出したのか声の温度が僅かに下がる。
魔法で倍以上に増幅する血…――――は、 こわかった。

種族は忘れたが。

「ナイフで心臓を狙いながら、無抵抗になれとか、吸血鬼が無敵だとでも思うのか……
お前は自分の弱さを盾に、力をふるう、ヒトだ。…」

差し入れたナイフをさしたる躊躇いも無く強い力で振り切る。
鎖帷子を裂いて、其の下まで及んだかは知る処では無い。

左手の爪を不意に伸ばす。
15センチ程度に伸ばした五指を男の左肩を貫こうと強く踏み込み―――
灼熱の感覚が左腹に走る。
僅かに身を捩って軌道をずらそうとした、所為か。ぐらりと体躯が傾いで、男にぶつかるように倒れがかる
―――肩を狙ったナイフの軌道は本人にも分からず。

アシュトン > ナイフ位、なら、割と耐える奴が多い気が、するけどな!
弱さを盾にっつーのは初めて聞いたが、卑怯って意味なら褒め言葉っ

(杭とかであれば、致命傷になる、なんて話も聞くが。
正直、個体差が多過ぎて宛てにならない。結構上位吸血鬼の印象が強いようだ。
通常に抜くよりも初速の載った切っ先は、ある程度、食らいついたらしい。
もっともこれで致命傷になるほどヤワではないはずだが。
振り抜ききったカトラスを片手で回すと、逆手持ちに。
牽制するようにその切っ先を、相手の心臓の方向へと向けた状態で)

身体強化術式、オールインワン、起動ッ!

(戦闘に於いて必要となるであろう強化系の術、例えば筋力や五感、反射神経強化等。
この状況では不要なモノも多く含まれているのだが、最初から一通りと組み上げられている分、一つ一つ起動するより余程早い。
全身を巡る発動した術式の熱を感じながら、もたれかかってきた相手の方へとさらに一歩と大きく踏込み。
左肩口を抉る痛みに顔を顰めるが、強化に付随する鎮痛作用で幾分マシといった所か。鎧ではない分、刺突には幾分弱いらしい。
体格差と体重、ついでに強化を生かして、相手の左肩を掴み、地面へと押し倒しに掛かる)

チルユキ > 「……どれだけ……経験豊富………
口実と言い換えても良い……。褒めて、無い……」

場所柄、荒事に慣れている人間が多いのは当然なのだろうが。
生成される過程故か、持つ力の強さと本能的な行動はアンバランスが過ぎるのか。
治りが早いとは言えど、痛みが緩和される訳でも無い。表情が薄かった貌を僅かに顰めて、振り抜かれたナイフに躯が跳ねる。左肩よりも血の匂いが濃く、理性が薄れるのが意識の片隅で分かる。ぶるりと震え

男の腕を傷つけて振り切った右腕を、心臓の上に割り込ませる。切っ先に裂かれても、貫かれるよりマシだろうと
本能的な強引さで。

左肩を突いたものがナイフ、であったなら。軸にして支えたり抉り込んだり、が。出来たかもしれないが。
爪だったために。
肉を握るように力が籠められかけたが、崩れた姿勢と逆に唐突に強まった力で押されると呆気なくバランスを崩す。
左腕が地面に投げ出されるように抜け、左肩から組み敷かれる。―――先程浅く裂かれた左肩、に。
両者の体重が乗せられて、縫い止められた体躯が地面で跳ねる

「―――ゥ、……―――」

苦鳴が漏れる。鉄錆、の匂い。左肩に牙を突き立てよう、としたが。肩を縫い止められてはそこまで行きつかず
がちりと歯が鳴らされたのみで。

アシュトン > さて、君の同族と戦った経験だけなら、それなりにだな。勝ったかどうかは別だがね、負けない戦いは得意だが。
魔族の類には、先手不意を取らないと不利なモンでな、なんでもするさ。

(死ななきゃ負けじゃない、そんな思考回路。
とりあえず、カトラスの切っ先は今のところ突き入れる心算もなく。文字通り余計に暴れられない為の牽制である。
地面に相手を押し付けた状態で一旦息を吐くと、自身の損傷確認。
腕に痛みが残るのと、肩に浅くはない傷か。余りよろしくはないな、正面で立ち回り過ぎた。
反省事案ともいえる)

まったく、忙しさから解放されたと思ったらコレだ。
装備品の修繕費もバカにならんし、治療も手間掛かるんだがなぁ。
噛むな噛むな、俺は吸血鬼になりたくはない。
下手に動くなよ、場合によっちゃ心臓にブスッといくからな……――ちなみに、俺の血は恐らく不味いぞ。

(相手の動きを奪うように、右腕と体格で押さえつけつつ。
牙を突きだされると、押し付ける力をさらに強め。
左手を相手の口元から幾分と上、中指の先を向け。
先に傷付けられた左肩から血が腕を伝うと、指から滴となって唇へと堕ちてゆく。
毒耐性やら肉体強化のために色々な薬品を摂取しているせいで、ごく一般人の血と比べれば随分と混ざりっ気が強いと思われる。
まぁ、蓼食う虫も何とやらで、それが好みって奴も万が一で存在するかも知れないのだが
或いは、なにか普通とは違う効果が、現れる可能性も無きにしも非ず)

チルユキ > 「生き残れば、勝ったようなもの、でしょう……。
お金なんて知らない………。いたいの、お互いさまだ……」

期せずして男の思考回路と似たような事を口にする。大体が、逃げられたり 血がうぞうぞと蠢くのを見て逃げ出したり 綱渡りなものだ。

動くな、と釘を刺されていることが理解出来ないように跳ねのけようと身動ぎを繰り返していて。自由が残されている脚、に気が付く。踵が地面から浮きかけ、て。
大人しくならないことを見透かしてか、要所を抑える手に呻き――ふと、止まる。
ぽつり、と。唇に雫が落ちる。
唇の色に重ねられた濃厚な赤に、淀んだ双眸が緩く見開かれ無造作に相手を見上げる。


「―――………」

唇を舐め濡らす。
唐突に、抵抗が止まり大人しくなる。鳥の雛の如く唇を開いて、内にぽつりと滴らせられる赤を貪る。
純粋な、ひとの血とは違う、何かの違和感、よりも。今目の前に、口先に差し出された血が 飢餓を薄れさせ 忘れさせてくれる。―――くらり、と目が少し回る。ヒトだった頃に好んだ、酩酊の感覚に似ていた。左手の爪の輪郭が薄れて、深爪したような丸みを帯びたそれに変わり。

「 ……吸血鬼なんて、増やさない…。もっと。」

欲張りだった。するりと右手からナイフが離れて、男の手を引き寄せようとする。
心臓は差し出されたようになるが。生命力が強いのか 逆にまるで無いのか放り出したようになる。

アシュトン > 金の心配をしないで済むのは、羨ましい限りだ。
……同じ傷でも、回復力は雲泥の差だろうに

(痛みは確かにお互い様なのだが、治るまでの期間を考えるとやはり割に合わない。
切っ先で軽くツンツンと突きながら、浅いため息を一つ。
己の血が滴となって堕ち、唇へと広がってゆけば双眸を僅かに細めた)

血が欲しいなら、相手が悪かったと言わざるを得ない――味的な意味でも。
その辺にいるホームレスのガキを、食べ物で釣る方がよほど効率的だったろうね。
処女童貞の方が吸血鬼にとっちゃ美味い、なんて話も聞いた気がするが。

(ロクでもないセリフを口にしながら、くくっと喉が鳴る。
現実、死のうが居なくなろうが、誰も気に留めない子供なんて、ここには幾らでもいるのだ。
戦闘能力を持つ人物をわざわざ狙うのも、非効率だろう)

と言われて、あっさり信用する程君の事を俺は知らないんでな。
吸わせてはやるが、歯は当てるなよ。

(血を垂らしていた手を一旦退くと、心臓へと向けていた刃へと指の先を宛がい。
軽く押し付けながら引くと、皮膚が切れて、血が滲み始め。
その指を再びと彼女の口元にへと。吸い付く事が出来る程度に唇にへと近づけてやり、つつ。
もう一方の手が握っていたカトラスを互いの手が届かない位置に放り投げれば、その掌を相手の胸元にへと被せ。
軽くと力を籠めれば、衣服の上からその膨らみの形を歪める。
牽制の刃は無くなったが、まぁ、袖からすぐにナイフも出せるので、そう問題はないらしい)