2017/07/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジードさんが現れました。
■ジード > 貧民地区の中でも一層治安の悪い路地裏の片隅。
ちょうど平民地区と貧民地区とを繋ぐ裏道に当たる路地に怪しげな店が構えられていた。
その露店の裏側から行き交う人々を見つめる人影。
本当に時折程度にやってくる人影に客寄せの声を投げかけたりするもののその成果は芳しくないのは一目瞭然だった。
「やあ、ここ数日の本当に人が通りがからないよりはマシだけどこりゃだめだね!
いっそお祭りを楽しんでしまった方が精神衛生上宜しい気すらしてきたぞう」
サバサバとした調子で言い切り空元気で声を上げる。
時々通り掛る人たちが浮かれた様子を見せているのを見ると少し羨ましいとも思うのだ。
お店をやっている以上そういうわけにもいかないけれど。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にハクさんが現れました。
■ハク > 「えぇっと、ここでござるかな……?」
(マグメールにて依頼を行い――時に体を売り生計を立てている異国の銀狐幼女が一人、貧民地区の路地裏の店の前に立つ。この店には表に出ないような魔法薬がある、という噂を聞いてここまで足を運んできたのだが……)
「果たして、それがしの求めるものはあるでござろうか……とりあえず、たのもぅっ」
(がちゃ、と扉を開けて店内に声をかけながら中に入り扉を締める。今日はちゃんと、羽織に身丈に不釣り合いな刀も背負っている。――以前背負わずに貧民地区を歩いてみたら、それはまた案の定捕まってしまって3日ほど帰れぬ身になった。なのでそれ以来きちんと装備を整えてこのあたりは歩くようにしている)
■ジード > 「おや。やあやあ、いらっしゃいお嬢さん。何かお探し物かな?」
暇を弄ぶという表現がしっくり来る有様を晒して隠さない男だったが
お客さんが来たとなれば話は別。揉み手でもしようかという勢いで少女を迎える。
この当たりで見かけるにしては小さな体格だけども何せ王都だ。
見せかけなんて全く役に立たないのは骨身にしみている。
「装飾品から薬まで何でもござれ、用意できるならできる限り頑張らせてもらうよ」
■ハク > (店の中にはすらりと長身の男性が一人。どうやら彼が店主らしく、店に入ると揉み手する様子で近づいてきた。それを見て銀毛の狐尾を軽く振りつつ、うむ、と頷き。)
「えー、まぁ1つ目は無理だと思うのでござるが……淫魔に掛けられた呪いを解除する薬、などはござらぬか?」
(まず最初に尋ねるのは、根源たる願望。今まで様々な薬や魔法を大金を支払って試してみたが、効果は今のところ欠片ほども出ていない。それがこの国の王都とはいえ裏路地にあるような店で解決できる、とは100%は信じていないがまず尋ねて)
「でなければ、淫魔に刻まれた刻印を消すか、見えなくする薬などはないでござろうか。白粉程度では、何やら刻印が弾き隠す事もできぬのでござるよ」
(続いては、ある意味現実的な本命の願い。黒い極薄の魔力皮膜の内側は、かつて淫魔に調教刻印された跡が全身に残されている。それを見えなくすることができるならば、御の字と考えていて)
■ジード > 「呪い、呪いねえ。それはモノによるとしか言えないね。
例えば衝動に作用するようなものなら完全な解呪は無理でも和らげる位はできると思うよ。
けど魂に直接刻んでるようなのや、術者の何かを転写するようなのは薬では専門外だね。
基本的にただ魔法の解除なら俺もできるけど、解呪ってなるとシャーマンや神官の領分だ。
その手の代物で一般的に手っ取り早いのは基本的に術者をぶっ殺すことだけど…どんな呪い?」
実際の所は自身も心得はあるものの他者の呪いに関しては色々とややこしそうなので敢えて黙っておく。
眼前の少女がどういう呪いにかかって居るのかは傍目には判らずじっと上から下まで眺め。
「刻印が呪いに連動してるっていうなら多分消すのは無理だけど、見えなくなる位はできると思うよ。
えーと…これとかかな」
少女のオーダーに合わせて棚から薬瓶を一つ二つ取り出して置いて見せる。
青い色をした何とも毒々しい薬品だった。
■ハク > 「ふむ、ふむふむ……」
(男の話を聞きながら、頭にぴんと生えた狐耳を揺らしつつ頷く。そしてその顔は、次第に歪んでいくのだ。
この身に刻まれた呪いは、まさしく魂に刻まれたもの。であれば、目の前の男の取り扱う薬では専門外になるのだろう。
……しかし、シャーマンや神官ですら解呪できなかった。彼らも皆、『かけた淫魔を殺すより他にない』と答えたのだ。)
「……どんな呪い、と、言われると、その、恥ずかしいでござるな……
淫魔にかけられたもの、で察してもらえぬでござるか?全てで6つあり、口に出すのも、ちょっと……」
(呪いの内容を問われると、羞恥に少し顔を赤くしつつもじもじとした様子を見せる。耳もぺたんとたれて尾も力なく垂らし、あまり言いたくない、という様子で。)
「む、そういう薬があるでござるか!?……いくらにござる?」
(そして、現実的な希望を叶えてくれそうな薬を取り出されて目の色を輝かせ、再び耳を立たせて尾を振り男に近づく。
じ、っと視線は取り出された薬品に向けられて。)
■ジード > 「極端な話、呪いを解除するだけならある程度の力があるなら何とでもなるんだよね。
ただその場合その掛けられた対象の無事は保証できない。
何せ強引な解呪ってのは魂って石碑に書かれた汚れの部分だけをナイフで削ぎ落す様なものさ。
その結果何が起きるのかはゾッとしないだろ?」
それが深く刻まれに刻まれているほど傷つける割合は大きくなる。
故にこそ危険なのだと説明をしっかりしてから呪いの事に関しては笑って手を上げ。
「オーケー、流石にデリカシーが無さすぎと怒られるかな。
これは薄い幻影を人間の素肌の上に張り巡らせる物で、肌を正常な形に擬態してくれる。
ディスガイズって魔法知ってる?知ってるならそれの魔法薬と思えばいいよ。本当は火傷何かを隠すための物なんだけどね。
値段は…そうだね。これくらいかな。1本で大体1週間は持つよ」
変装の定番として比較的広く用いられる魔法の名前を口に出して提示した値段はそれなりの高額。
貧民地区の安宿なら一月は借りられる程度の値段だろう。魔法薬としては良心的な部類の値段でもあるのだが。
■ハク > 「あぁ……大体、そのような事を以前東の国の大僧正殿に言われたにござる。
それがしの肉に絡みし呪いは、既に魂に定着して剥がす事などほぼ不可能だ、と。
……と、言われても、この国に何かあるかもしれぬ、と期待したのでござってな」
(呪いについては、嫌というほど調べている。
調べているからこそ、この国にあるという僅かな希望に期待を捨てきれないでいる。
仇の淫魔とは2度逢瀬し、2度敗北し、2度陵辱されている。そのせいで、『倒せる』という気持ちが最近薄れてきてしまっているのも、理由の一つか)
「いや、まぁ仕方ないにござる。薬師が患者の容態を聞くようなものでござろう?
それがし、その程度でお主に何か悪意を持つ事はないので、安心してほしいでござるよ」
(デリカシー、と言われて最近覚えたその言葉には平気だと首を振る。そして続く薬の説明に聞き入り)
「……して、でぃすがいず?ううむ、それがし、西方の魔法には不得手でな……
まぁ、幻術、であればこの『纏魔装輪』のようなものでござろう。理解はできるでござる。
とりあえず1本、買うでござる。2本めは、効果次第でござるな」
(魔法は詳しくないが、東洋の巫術や気術に対する知識は少しある。その為理解し、己の首に巻かれた首輪を指先でなぞって。
そして金額を提示されると、即金で着物の裾から袋を取り出し机においた。それだけ、薬を欲しているのだという事が分かるだろう)
■ジード > 「そうだろうねえ。東西で呪いの種類は変わっても大まかな仕組みは変わらないだろう。
複数あるというならいくつか抜き出して削ってくことは可能かもしれないけど他のに間違いなくしわ寄せいくね。
呪いに関しては魔族の国の方が詳しい連中は多いけど…解除に関してはダメだね。
かける側は得意でも解除の役に立つような連中はあそこにはいないよ」
まるで見て来たかのように匙を投げるかの如く放言してしまう。
実際見てきたからこその実感のこもった言葉なのだけど。
「それはよかった、お得意様になってくれるかもしれない相手に嫌われたら困る。
…おやま、気前がいいね。お金に余裕があるなら俺としては喜ばしいけど――はい、それ一本だね。どうぞ」
使ってみる?と問い返しながら封切り用のコルク抜きを示しながら商品を手渡す。
■ハク > 「まぁ、やはり、そうでござるよなぁ……うむ、了解にござる。
……魔族の国に行けば、逆にかの淫魔のような輩が多かろうと思って行かずにすんでよかったでござるよ……」
(どことなく、実際に行って確かめてきたかのような実感のこもった言葉に頷き、安心の息を吐き)
「うむうむ、もしこの薬が有効であれば、それこそまず6本は買いたいでござるからな!
して……ううむ、わかりやすいのは、やはりこちらでござるかなぁ」
(渡された薬のコルクを抜いて、首輪を魔力を込めた指でなぞる。
すると、左足を包む黒い皮膜が音もなく解けて白い素足が晒されるのだ。
――しかし、足首から太ももの下部まで荊が巻き付いているデザインの呪刻が呪いの強さを際立たせて。
そこに、つぅ、と液体を垂らすとほんのすこしずつ、刻印が薄く見えなくなっていく。)
「お、おお、これは……」
(そしてそのまま、1瓶まるごと使い切る事で左足がするっとした白い肌を取り戻した。まるで、先程の刻印などなかったかのように。)
■ジード > 「その手合いはあの国本当に多いからとてもじゃないけどおススメは出来ない。
余計な物付け加えられたくはないだろう?」
実感だけはしっかり籠った声で重々しく言いながら腕を組んだ。
フッと息を吐きつつゆっくりと首を横に振る。
「……あー。非常に言いにくいんだけどね。この薬、飲んだら効果時間が短くなる代わりに全身に作用するよ。
直掛けしたら掛けた場所はその分服用した時の倍は持つけど」
素直に喜んでくれている様子の少女に、少し躊躇いがちに言うのは薬の特性。
最初に説明しておけばよかったかとバツが悪そうなのは申し訳ないとやはり思ってはいるからだろう。
とはいえ効果がしっかり洗われてる事にはご満悦の様子で笑い。
「よしよし、流石俺。しっかり効果は現れてるね。作るのに苦労した甲斐があったものだ」
■ハク > 「間違いないにござる。これ以上呪われては、それがし、流石に右往左往するでござるよ……」
(既に込められた呪いだけでも既に困りものだ。最近では呪いの幾つかは有用に『使え』ているのだが、それでも呪いを消したい事に変わりはない)
「むむ!?そ、そうでござったか……むむ、では2本めの支払いは、するでござるよ!」
(付け加えられた言葉に、更に金貨をじゃらりと積む。
再び首輪をなぞって左足も黒い皮膜で覆いながら、薬のおかわりを求めて尻尾を振り)
「……お金はただ、まぁ、今度稼いでくるにござる。1本で1週間でござるなら、うーん……
1本あたり、ちょっと、仕事、しないといけないでござるなぁ……」
(薬の効果は確認できた。今までに試したものとは格別に違う、触っても再び刻印が現れる事のない魔法薬だ。
であれば、定期的に摂取したいと考えるが……とりあえず今出せるのは2本分まで。
あとは冒険者として仕事を頑張りつつ……『夜の』仕事でも稼がねばならない、と考えて少し頬を染めて)
「って、この薬、お主が作ったものでござるか!……っと、失礼、お名前を伺う所であった。
であれば先に名乗らねば失礼にござる。それがし、ハクと申す者。東よりの旅人にござる」
(そこで、目の前の男性の言葉に気づいて眼を見開く。
薬の製作者であるのであれば礼を尽くさねば、と考えて刀を外して床に置き、無武装を示してペコリと頭を下げて名前を告げる)