2017/07/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にカインさんが現れました。
■カイン > 普段から人通りが少なく代わりにそこかしこに忍んで人の隙を狙う輩の多い貧民地区の裏通りも、
この時期ばかりは本当の意味で人の気配が消えて失せる。
何せ老若男女様々な人々が出歩いても文句を言われぬ大舞台があるとなれば、
年老いた物乞いから年若いスリまで総出の大騒ぎである。
そしてそれは男の居る怪しげな露天の立ち並ぶ場所も例外ではなく、
大半の店がガラクタ同然の枠組みだけを残して空っぽになっていた。
「全く、商人が自分の店を空けてどうするんだ一体」
その中の一つ、贔屓にしている煙草や麻薬と言った禁制品を含む消耗品を取り扱う
露天商の店の隣に座り込んで頬杖をつく男の姿があった。
ご多分に漏れず完全にカラと化した店の有様に思わず溜息が口をつく。
■カイン > 「あの狒々親父め、さては貴族に媚薬でも売りつけに言ったな。
禁制品を大手を降って…とは言わないまでも売りつけられるってんなら、
そりゃあ商人としては行くかもしれんが客の事も考えてほしいね。商品を置いておくとか」
それこそ富裕層の多く住む場所ならいざしらずこの地区でだけは絶対に出来ないことを口に出しながらも、
げんなりとした表情が浮かぶ。懇親会とは名ばかりの淫蕩な集まりが王宮で行われているという噂は知っているし、
だからこそその手の怪しい薬の需要も多くあるのだろうが普段使いをしている身としてはいい迷惑だ。
懐から最後の手持ちになった煙草を見下ろして吸うか吸わぬまいか煙草を眺めて考え込み。
■カイン > 「まあ、止めとくか。最後の一本まで吸いきったらあとで手に入るかどうかも判らんのだし」
困ると言いながら嘆息気味に言いながら首を横に振る。
懐に煙草をしまい込みながら視線を路地に向けるものの、
いつもの静かな気配すらなくまるでもぬけの殻と言った風情の路地を通り掛かる影も見当たらない。
「ここまで静かだとゴーストタウンか何かだな。建物的にはいつそうなってもおかしかないが」
■カイン > 「…そろそろ酒飲用意だけでもしとこうかね、っと」
空を一瞥すれば日が傾いてきているのが見て取れる。
先ほどまでに比べれば随分マシだろうと重い腰を上げ、
そのまま路地の奥へと消えていくのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からカインさんが去りました。