2017/05/23 のログ
ご案内:「王都マグメール/酒場」にサンゾウさんが現れました。
サンゾウ > 日が暮れたかなりの時間が経った頃。
貧民街の中にある一件の酒場では隅の席で男が苛立ちを顔に出しながら、一人で酒を煽っていた。
「なんで俺の席は誰もこーへんねん。 世の中おかしいとちゃうんか。」

男が怒りの視線を向ける先では、この辺では珍しく見目形よく、おまけに金払いもよい青年を取り囲むように店の女の子たちが座っていた。
ボサボサ頭の男とは対照的な青年は着ている物も整っており、一目でどこかの名家のボンボンだろうことは感じとれる。
見た目も育ちも悪い男とはすべてにおいて正反対であった。

サンゾウ > 「け、今日はもう帰るわい。」
可愛い女の子たちと遊ぶことを楽しみに来たが、今日はどうもそういうわけには行きそうになくて…。

男は店員を呼び出し、飲み食いした分の金を渡すと哀愁を漂わせながら夜の街へと消えていく。

ご案内:「王都マグメール/酒場」からサンゾウさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にヴェロニカさんが現れました。
ヴェロニカ > 夜も更けた頃、通りの外れに位置したカジノのテーブルを
流石に至福の島のそれらには到底叶わない規模であるが、それなりの客入りは多く賑わっている。

「ええ、嘘じゃないわ、欲しいならもちろん売ってあげる」

カジノの一画で、テーブルにカードを広げて向かい合うのは、室内であるのにローブを不自然なぐらい目深に被っている者だった。
シャンパンを配るバニーガールが近づくだけで、あからさまに驚いて警戒するのを苦笑して、
傍に控えていたメイドを相手の傍に立たせて人の流れを遮らせていく。
無論、近づかれたローブの者はあからさまに警戒する素振りを見せていたが。

「安心しなさい、それの口は砦の城門よりずっと堅いから。せっかくの可愛いお耳のことも黙っててくれるわ」

それをあっけからんと笑いながら、揶揄うように正体に言及して、ローブの者の肝を冷やさせる。
その様子を楽し気に眺めながら、手に持ったシャンパンを口にした。

「それで?武器、それも最新式の弩が30だったかしら。いったい何をあたしにくれるの?」

ローブの者が要求したものは、武器であった。
しかしそんな量を一度に用意することは容易なことではない。
そのため、殆ど管理人に放任しているこのカジノの経営者である自身と交渉するためにこの場に来ていた。
手元にあるカードを指で弄びながら、細めた目でローブの者を見つめて問いかける。
ローブの者は、搾りだすような声で「我々だ」と答えた。

「…あっそ、自分ら守るために自分ら売ったりと大変ねアンタたち。
じゃっ、後の取引は港の者としなさい。『代金』を受け取ったら、送るから」

ある意味予想はしていた答えに、手で持っていたカードを投げ捨てて、すでに興味が失せたようにぶっきらぼうに答える。
メイドに指で追い払うように合図すれば、メイドがローブの者を連れていって、
しばしの間、独りでカードを目にしてテーブルに座ることになった。