2017/05/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」から魔王リュウセンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」にシラトリさんが現れました。
シラトリ > 寡黙なマスターがグラスを磨き、鋭い目つきをした男たちが頻繁に出入りする。
いかがわしそうでそこまでいかがわしくない普通の酒場。
そんな酒場にふらりとやってくるのは、その場所からは浮きに浮いているメイド服の女性。

光沢をあまり帯びない、真っ白な髪と水色の瞳。
見た目は大人しい、清楚な気配のするクラシックなメイド。

「どうも、御機嫌よう。マスター、今宵も一杯お任せで。
 ウェイトレスの方は本日はいらっしゃいません?」

しかし、商談でも何でもなく、カウンターに腰掛けてそんなことを言う。
先日ふらりとやってきて、散々ウェイトレスを口説いて帰った自由奔放を地で行くメイドである。

なんでこの服装かって、住み込みで24時間なんですよ。
お買い物ついでに自由を満喫するくらいには好き勝手させてもらっている。

シラトリ > 苦々しい顔で誰もいないよ、と告げられ、メイドは少女のように唇を尖らせる。

「そうなんですか…? 残念ですわね。
 この店ももう少し可愛らしくして、女性がもっと入りやすいようにしてはどうです?」

不愛想な顔と、余計なお世話だ、という一言と共にカクテルを貰い、ウィンクと微笑みを返す。
とはいえ、不愛想な髭面をじっと眺めてのお酒は面白くない。
周囲をひらりと見回して、目の保養になりそうな方を探す。

そのノリで冒険者やら犯罪者やらにも手を出す。
おかげで2度3度刺されてしまった。 本人はケロっとしたものだけれど。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」にアリーシャさんが現れました。
アリーシャ > 見た目の印象の割りに、酒も食事も中々の品質。
おまけにこんな時間でもきっちりやっていてくれる。
先客の冒険者は夜食を摂っているところだった。
そこに現れたのは、メイドとしか言いようのない格好の人物。
マスターとは顔見知りらしく何事か話している。

「こんなところに……メイドさん?」

驚いて目をぱちぱちさせていると、周囲を物色するかのように視線を巡らせていた彼女と、目が合った。
思わずにこりと笑みを形作って頭を下げる。誰にでも愛想はいい。癖だ。

シラトリ > ……目が合った。にっこりと微笑みを返して席を立つ。
マスターが嘆息する仕草を僅かに見せたのだけれど、気が付くはずもない。

「御機嫌よう、旅の方でしょうか。
 私はこの街で過ごすしがないメイド。
 お話しの一つでも伺ってもよろしいです?」

するりと隣の席に滑り込んで、すい、と顔を寄せ、涼しげな瞳を細めて見せる。
こちらも愛想はいい。女性だけだが。

アリーシャ > 微笑みを返してもらえたのなら、気分が悪いわけがない。
更に笑みを深めていると、彼女は席を立った。

「こんばんは、はい、そうなんです!
 冒険者をやってます。メイドさん……なんですね、やっぱり!」

しがない冒険者の身で、ハウスメイドと話し合う機会など実はあまりないものだ。
やや気勢高めで頷いた。

「面白いお話しができるかは分かりませんけど……どうぞどうぞ!」

人好きのする性格のため、隣の席はむしろ歓迎した。
水色の瞳に白い肌。その風貌に内心で(きれいな人だなあ……)と感じていた。

「あ、私はアリーシャっていいます。宜しくお願いします」

自分が頬を染めていたことに気付いて、何はともあれ挨拶と簡単な自己紹介を。

シラトリ > 「私はシラトリと申します。アリーシャ様ですわね。
 冒険者……に憧れた日もありましたけれど、私は非才の身なれば。
 面白い話を望んでいるわけではなく、アリーシャ様の話を望んでいるのです。」

囁きながら相手の視線を受ければ、微笑で返す。

「美しい髪。
 一人で旅をされているのですか?」

囁きながら手を伸ばして、その髪を掌に僅かに乗る程度に取って、眺めながら問う。
カクテルを片手に、肩を寄せ合う様は彼女のいつものポジションだ。

アリーシャ > 「シラトリさん、ですね!
 不思議な感じですけど、きれいなお名前ですね。
 私も、ただ運よくやってる、みたいなものなんですけど……」

少し恥ずかしそうに笑顔を浮かべていると、髪が一房取られた。
あまり自然なもので反応もできなかったが、「美しい」などと言われれば照れもする。

「あ、ええ、と、ありがとうございます……。
 はい。基本的には一人旅ですね。ここではそういう人が多いみたいですね」

髪を眺められながらの会話など経験がなく、少しそわそわしながらも言葉を続けた。

「シラトリさんは、こちらに来て長いんですか?
 とても落ち着いていらっしゃいますけど」

シラトリ > 「主人がつけてくれただけですわ。
 主人からはよく、お前をよく知っていたらそんな名前はつけなかった、とお褒めの言葉を頂きますわ。

 ……そうなのですね、一人旅は危険ではありませんか?
 女性の身で一人旅。危ないこともたくさんありましょう。」

髪から手を離し、酒を軽く煽る。
マスターに指を2本立てれば、二人分の酒が用意され始め。手慣れた様子のメイドさん。

「……ここに来て、という意味であれば長いと言えます。
 ただ、私が落ち着いているのは隣に旅慣れた方がいるから。

 それが更に美しい方であれば、言うべきことが他にありましょうか。
 では、乾杯を一つ如何でしょう。」

するりと立ち上がってカウンターに向かうと、二人分の酒を持って戻ってくる。

アリーシャ > 「そんなこともあるんですね!
 どんな意味の御名前なんでしょう?……お褒め?」

外国語には聡くないため、彼女のジョークには首を傾げるにとどまる。

「……そうですね。勿論、危険もあります。
 けど、何とかここまでやってこれました!
 一応、剣の腕だけは磨いてきたつもりですし!」

本当は、全くどうにもならなくなると呪いと記憶がリセットされるだけで、どうにもならなかったことはそれなりにあるが、それは本人も知らないことだ。

「やっぱり、そうなんですね。
 堂々とされてて、憧れます!」

ここまでは笑顔で返せたが、続いた言葉には流石に泡を喰った。

「う、うつくし!?
 それはシラトリさんのことですよ!
 ……い、いいんですか!? 本当に!? では、頂きます……」

それはそれとして、お酒は頂くことにした。
慣れた雰囲気が本当に素敵だな、などと思いながら。

シラトリ > 「美しい白い鳥。
 私はそんなに高尚な物ではありませんわ。メイドは地味な仕事を淡々とこなすだけですし。

 ああ、そうなのですね。
 危険、危険ですか。 どのような危険を潜り抜けてきたのですか?」

彼女の記憶のことは知らない。知らないからこそ、危うい橋を渡ってきたであろう話を聞こうとする。
逆に、堂々としていて、と言われれば少々面食らったような顔をして、瞳をパチ、パチと瞬かせ。

「堂々としていると言われてしまえば、堂々とするしかありませんわね。
 少々不安を抱いていたからか、少しだけ、臆病になっておりました。」

どこも臆病に見えぬ彼女がそんなことを呟きながら、グラスをお互いの手に。
透明な端同士を触れ合わせ。

「では、乾杯。 アリーシャ様の冒険譚と今夜の私達に。
 簡単なことです。尽きぬ話ならば時間と場所を用意すればいい。

 アリーシャ様の今宵の予定が埋まっていなければ、不格好な穴埋めになるかもしれませんが、
 そこに私を当てはめて頂ければ。」

あえて手の甲を触れ合わせながら、するりと誘う。
慣れている。

アリーシャ > 「……ぴったりのお名前だと思いました。
 お綺麗な髪の色にも、スマートな立ち居振る舞いにも……」

素敵な名前だと確信して、まじまじと、ややうっとりと見詰めた。

「野には色々な危険な生き物もいますし、残念ながら野盗になってしまった方もいらっしゃいますよね。
 野宿するにあたっては、やっぱりそうしたものが、一番危ないと感じました。
 一度、5,6人の人に囲まれて、これはもうダメかと思ったんですけど――鍛錬はしておくものですね。
 頑張って走ったら、うまいことバラけてくれたので、1人ずつ御相手して何とか逃げ切りました」

まずは一つ、体験談を開帳。
シラトリの言葉があまりに巧みなため、決して喋りが上手い方ではないのにつらつらと話してしまっていた。

「……不安、ですか?」

しかしそれも思わぬ言葉に打ち切られる。

「シラトリさんに不安なんて、ぜんぜんわかりませんが――」

自分が返そうとした言葉もまた、流麗な言の葉の群れに遮られる。

「不恰好だなんて、そんな!
 今、とても楽しませて頂いてますよ!
 ぜひ、宜しくお願いします、シラトリさん!」

シラトリの印象は、知的でクールで、完璧なひと。
そんな人と手の甲が触れ合えば思わず赤面の1つも出る。

「か、乾杯っ」

遅れて、思い出したようにその言葉を口にして照れくさげに笑った。

シラトリ > 「まあ、ぱっと見でバレないようにしないとメイドは務まらないものですから。」

ぺろ、と舌を出して少しだけお茶目に笑う。
野盗の話をふん、ふんと聞きながら、眺める。
こんな女性一人で歩いていたら、格好の相手でしょうに、とは流石に口にはしない。
まあ、と口元に手を当てて驚き、逃げ切ったことしか経験が無い。

「そりゃあ、もう。
 不安なんていくらでも。

 アリーシャ様と二人きりで過ごして、私は心穏やかにいられるかどうか。
 そんな時に退治されてしまわぬか。」

乾杯をして酒を口に運びながら、んしょ、っとソファに座りなおして、隣を叩く。
いらっしゃい、なんて呼びかけて、れろりと己の唇を舐めて湿らせる。

「退治した方がよい人間かもしれませんわ、私は。」

アリーシャ > 不意に見せた茶目っ気のある仕草はとても可愛く感じられた。
思わずこちらもくすりと笑む。

「剣なんて提げていますから、確かにちょっと不安かも知れませんが。
 大丈夫です。抜くときは弁えているつもりですから」

言の意を勘違いし、慌てて言い募って後。
示されたソファ。座り心地のよさそうなそちらに、誘われるままに立ち上がり、腰掛ける。

「御邪魔します。
 シラトリさんが、退治? どうしてでしょう?
 シラトリさんは、私のような小娘にもよくしてくださって、とても素敵な方だと思います」

本当にわからない、ときょとんとした表情で首を傾げた。

シラトリ > 「素直で良い子。
 アリーシャ様は純粋なのですね。

 ……もう一度。」

隣に腰掛けるのなら、少しもたれかかるようにして、するりと腰に手を回す。
引き寄せながらもう一度かちん、とグラスを合わせ。

「素直で良い子。
 でも、危ういものです。
 もしも私が悪い人ならどうされるんです?」

引き寄せながら顔を近づけ、ふう、と吐息を耳に吹きかける。

アリーシャ > 「そんなことありません。
 剣を取る以上、命を手にかけたこともあるのですか、ら……」

返事をしている最中、少し体重を感じて、そうしている間に回された腕。
やや困惑している間に、グラスを掲げられて意を察し、ようやく納得して微笑んでグラスを合わせた。

「乾杯!
 ……確かに、私は見識も広いとはいえませんけど、シラトリさんはいい人です、悪い人なわけがありま――ひゃっ!?」

勝手な思い込みを語る口は、近付いた顔と、吹きかけられた吐息で中断された。
耳元を擽られると同時に、ぞくっと背中を這い登った心地よさに頬を染めて。

シラトリ > 「旅をするならば仕方ないものです。
 それを是とはしませんが、それを非とも致しません。

 ただ、一滴の血も流させぬのに、どこを切っても邪悪しか出てこないような人間もいるのです。
 世の中は広いのです、きっと。」

宮廷には吐き気を催す邪悪は吐いて捨てるほどいる。
それを口笛交じりに闊歩するのが彼女であるが。

「ええ、きっと私はいい人ですわ。
 貴方が私に優しいように、私も貴方に優しいですから。」

そう、耳元で囁きながらちろり、と舌が這い始める。
腰を引き寄せて身体を触れ合わせ、ぴったりと密着しつつの意地悪を一つ。
ねっとりとした悪。

アリーシャ > 「……ありがとうございます。
 そう言って頂けると、嬉しいです」

てらいのない本音。微笑んだ。

「難しい世界もあるんですね……。
 でも、はい、いい人です!
 本当によくして頂いて、わ、あ、ふっ…!」

触れ合う身体。好意の表現なのだろうと、好意的解釈。
その上でちろりと貼った舌先に、呪いにより敏感過ぎる身体が震え、長いサイドテールが揺れる。
しかしさきほど茶目っ気のある姿を見たばかり。
走る快楽に理性がマヒする前に、悪戯好きな方なのだ、と考えていた。

シラトリ > 「ええ、良くしますわ? とっても良いところに連れて行ってあげましょう。」

………とっても。 とっても。
言葉を上手く転がしながら、グラスをかちん、とテーブルに置いてしまいながら、相手の耳元に顔を埋めて。もぞり、もぞりと舌を動かし、ねっとりと虐めていく。

悪戯にしては濃い、そんな動作を味合わせながら、すい、と立ち上がり。
相手が嫌がる姿を見せる、そんなことがあるなら……その直前に。

「部屋は取ってありますわ、ベッドは一つですけれど。
 ……参りましょう? アリーシャ様。

 いいえ、……アリーシャ。
 私についていらっしゃい。」

アリーシャ > 「良い、ところ……? それは……」

問いかけは最後まで形にならなかった。
整った彼女の顔が視界から消えて、耳元で蠢く感触が走り――

「ひひゃ、は、はひっ、ふぁ、ふあぁっ……!?」

急所を責められ、ぴく、びくっ、と身体を震わせ。
瞳は潤み蕩けて、口元からは涎が垂れてしまって。
理性が、快楽に沈められ。

「部屋……べっ、ど……」

微かに「それはおかしい」と抵抗しようとした理性のひとかけも、強い言霊に砕かれた。

「……はい……シラトリ様……」

茫洋としながらも甘い甘い声が答え、追って立ち上がった。
その先で待つ者が何か“考える”ことはできなかったが、熱に浮かされるように、彼女に付き従って……。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からアリーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 酒場」からシラトリさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にスヴェンさんが現れました。
スヴェン > 人通りもなく喧騒からも離れた陰気な小路は廃屋ばかりかに見えたがその中の一件
廃屋に見紛うようなその家屋の軒先に吊るされたランプがぼんやりと灯されていた
扉を開くと一応は店の風体を保ってはいるが、カウンターの隅に座る自分以外にはカウンターを挟んだ向こうに
体躯の良い白髪交じりの男が無愛想そうにしながら立っていて、此方のグラスが空になれば
黙ってそのグラスに酒瓶から酒を注いでくれる

「愛想と商売っ気はどこに落としてきたんだか…」

白髪交じりの主人の様子にぽそり、とそんな事を呟くと、ぎらりと主人の鋭い視線が此方を射抜く
殺しを生業にする暗殺者も一発で逃げ出しそうな眼力に肩を竦めて見せれば、店に来る途中に店じまいしている
露天商から二束三文で買い取った林檎を差し出し、「うさぎに剥いてくれ」とニヤニヤしながら頼んでやる
ギロリ、とやはり鋭い視線が向けられればくつくつと愉しげに笑い声を零してやると
小さく舌打ちした店主は渋々といった様子で手を動かし始めた

スヴェン > メニューは主人の作った密造酒のみ
ツマミが欲しけりゃ他所へ行け、買ってくるのは好きにしろ…と全く商売する気のない主人
なぜこんな店がひっそりと王都の掃き溜めのような場所でやっていけるのか?と言えば
この主人は元はさる王族の密偵頭で、密偵を辞めてからも当時の人脈や情報網を活かして様々な情報を
売買しており、密造酒は片手間というか趣味のようなものらしい

…しかし、この密造酒、味は無類で平民地区あたりで売られているエールやなんかよりよほど美味い
製法も製造場所も秘密で、この情報を手に入れる事が出来た者は身分問わず、主人の後継者として、
人脈も情報網も譲るつもりでいるらしい…ちなみに、このボロい店も当人は譲るつもりでいるらしいが、
こんな廃屋同然の店など、引き継ぐよりさっさと潰したほうが良い気がしないでもない

「…今夜は静かだな……あ、うさぎちゃん、早くして」

自分の他に客はない
普段であれば情報を求めて商人やなんかがちらほら、と店に訪れているが今夜は静かであった
閑古鳥が鳴く理由に思い当たるフシなど、全くないが主人が客の少ないことを全く気にしていないので
問題はないのだろう…綺麗にうさぎの形に切られた林檎を1つ摘めば口に運ぶ
現役の冒険者、傭兵と言っても通じそうな体格の主人であったが、手先が器用であるらしかった
ゴツゴツとした無骨な指先が、林檎をうさぎに切ったと思うとまた笑えてきて、1つ林檎を食べ終えれば声を出して笑い