2017/05/04 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 広場」にシャロンさんが現れました。
シャロン > 「炊き出しをご希望の方はこちらに。衣服等の生活必需品は、あちらにてお安くなっております」

今夜の少女は、冒険者として教会の炊き出しを手伝っていた。
貧民地区で定期的に行われる炊き出しは、税を払う事にも困窮する人々が犯罪に手を染めるのを防ぐ役割を持つ大切なものだ。
かつて教会に騎士として勤めていた時分もこうした仕事は熟したが、その輪から抜け出した後でも縁があるとは嬉しいもので。

「はい、こちら、炊き出しのミルクのスープとパンです。温まりますよ」

もうすぐ季節は春から初夏へと向かう頃合だが、それでも夜は少々肌寒い。
持って帰ってもそのまま使える、木製の皿で料理を配りながら、少女は久方ぶりの奉仕を楽しんでいた

シャロン > 「……お勉強ですか?んー、一応、文字の読み書きなどは学びましたが……」

母親なのだろう女性に料理を手渡した時の事、子供に勉強を教えたいという話が舞い込む。
曰く、自分の子供には、己のように無学故の貧しい暮らしをさせたくないとのこと。
このような話を振られると、手を差し伸べたくなるのが少女の性分。
しかし、教師役をやれ、となるとなかなか勝手がわからないことも多く、時間を捻出できるかも危うい。

「うぅん……少しだけ考える時間がほしいのですが、駄目でしょうか?」

結局、断れずに苦笑を浮かべ、返答を保留する。
それだけでも、話を聞いてくれた、と目の前の女性は頭を下げて去っていく。
その背を見送りながら、何か良い案はないかしら、と少しばかり考える。