2017/04/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にカインさんが現れました。
カイン > 夜。表通りである平民地区のストリートと比べれば、
随分と人通りの少ない貧民街の街路を我が物顔で飄々と男の姿があった。

「思った以上に辛気臭い通りだな。さしずめゴロツキ通りってな所か」

自分本意に至極勝手な命名をしながら歩くうちに週に視線をやってみれば、
所々露天や物乞いの姿が見えるのに、人通りが少ないのはこうやって姿を晒して歩くのが単純に危険だからだろう。
路地の所所から向けられる刺すような視線は明らかに害意を伴ったものだ。
無論、帯剣した人間に無条件で襲いかかるほど分別がないわけでもなかろうが。

「ハッハ、どこにでもあると言えばある話だが襲われるかも知れない側も手慣れてるのが大したものだな――一つ貰えるか」

手近な屋台の前を通りがかった所で無造作に注文し、ロクに会話もなく店主から対価と引き換えに串焼きを手に取る。
何を思ったのか路地の入り口にほど近い壁に背を預け通りを往く人々の様子を見物し始める。

カイン > 少し観察していて知れたのは、人通りが少ないわけではないが出歩く人間は大凡自分の同類のように武装しているか、複数人か、
あるいは生まれた時からここを住処にしているかのような子供たちが多いということ。
明らかに場違いな仕立て良い服を着て女を侍らせていたいかにもカモでございと言わんばかりの輩も居るにはいたが、
少し離れて行動を伴にしている護衛に気が付かないほどの命知らずはいないらしい。

「この貧民区にも治安の良し悪しは当然あるのだろうが、ハズレもハズレでは成る程悪くもなるものか。なあ?」

平民地区から入って当初は対して差がある様子も見えなかったがここは最奥とまではいかずとも、
そこそこ深い場所。軽い調子で路地から己を伺っていた人影に声をかければ、慌てたように退散する気配に肩が竦められる。

「何だつまらん、話し相手のにでもなってくれれば串焼きの一片くらいはくれてやったのに」

何の肉だか知れぬ3つ連なった焼けた肉塊の一つを歯で取り外して口に放り込みながら小さなぼやきが口に付く。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にシャニスさんが現れました。
シャニス > いつものように仕事を終えての帰り道に遠回りというように貧民地区の通りをふらふらと歩く。
行先など決まっているわけではないがその日の気分で知った道を適当に選んで。
この日は知った道を歩いていればいい匂いに惹かれるように知った通りを離れて脇道へ。

匂いに惹かれるままに路地を歩き人とすれ違って別の通りにと出れば始めてきた場所で…ここはどこだろうときょろきょろと周囲を見回す。

カイン > 「ここまで物騒だとなるほど、大して妙なものが歩いてても気にされないわけだ」

魔族だなんだと言われるものや全く別の何かのようなものすら時折見かける街。
その寛容さの一端を知ったような気がして楽しげに肩が揺れる。
と、そうした所で先程追い剥ぎか何かを退散させた路地から見慣れぬ少女の姿が顔を出した。
少々訝しげな表情を浮かべながらも好奇心にまさるほどではなかったのか、
串焼きを掲げながら少女へと声をかける。その声はどこか弾んで楽しげだ。

「よう、嬢ちゃん。こんな所の独り歩きは危ないんじゃねえかい?」

シャニス > 知らない通りに出ればいる人も変わるのだと見回し。
もし知った人でも居れば帰り道を聞けると考えたのだがそんな甘い場所ではなくても見まわして。

「嬢ちゃん?もしかして私ですの?」

来た道を戻っても知った道に戻れるかわからないだけにどうしようかと悩んでいればかけられる声。
声の方を向けば外套をまとった男性の姿が目に入る。

「知った道でしたら安全ですのよ。この辺りは……その…知らない道ですけど」

男性の弾んで楽しそうな声とは逆に困ったように沈んだ声で答えて男性に目を向ける。

カイン > 「他にその呼び方がふさわしい相手も見当たらんけどな」

言いながら視線を道行く人々に向ければ女性は大凡そちらを生業にする女性ばかり、
もしくはもっと小さな子供ばかりという有様だ。改めて少女に視線を向けながら、
少し値踏みするように視線を向ければ相手の言葉にああと声を上げ。

「それだったらできるだけ早く戻ったほうが良いな、
 なんせここはコワイ大人が沢山歩き回ってる危ない場所だからな。
 襲われちまうかもしれないぞ?」

冗談めかして串を軽く振って見せながら喉を鳴らして言い返す。

「なんだったら後で連れて帰ってやろうか、オレもどうせ暫く帰らなきゃいけないしな」

シャニス > 「そうでしょうか?たくさんいると思いますわよ?」

男性の言葉に周囲を見回せば自分と同じような年ごろの少女やもっと下の年の子供の姿を見つけ、そちらも嬢ちゃんではないのかと思ってしまう。
周囲を見回して男性に視線を戻せば首傾げて。

「そうしたいのは山々ですけど…この辺りは道がわからないのですわ。
襲われても自営できるぐらいの腕はありますのよ」

そこは自信があるというように細い腕に力こぶを作るようにするが何も変化は起きず。

「本当ですの?それでしたらぜひお願いしたいですわ」

男性の言葉に目を輝かせその時の同行を是非とお願いをする。

カイン > 「ああいうのはまた別の呼び名がありそうなもんだけどな。
 ま、今のあいつらに声をかけてもろくなことにならないことだけは確かだが」

何せ基本的に害意を持ってるのが明白な相手だ。触らぬ神に何とやらという言葉がよく当てはまる。
本当に立地がわからない様子に、思わず顎に手を当てしげしげと少女を眺め。

「なるほど、腕に覚えがあるというのは嘘じゃなさそうだが。
 それじゃあ、まずはとりえず名前を教えてもらえるかね?同行者の名前も知らんのじゃあ味気ない。
 俺はカイン、姓は特になるほどのものはない。好きに呼べばいい」

そのまま串焼きを持ったのとは反対の手を相手に向けて差し出し。

シャニス > 「そういうものですの?
よく通り道にいる方は挨拶は返してくれますわよ?」

道が変わればそうなのだろうかと少し驚いた顔をしてみてしまい。
次からは知らない道に入らないようにしないと困った様子でオロオロとしてしまう。

「えぇ、ごろつき程度でしたら追い払えますわ。
あ、そう言えばそうでしたね。名前を知らないとはぐれたら探せませんから。
カイン様ですね、私はシャニスと申しますわ。よろしくお願いいたします」

男性に向けてスカートを軽くつまんで頭を下げて名前を名乗り返し、差し出された手を軽く握れば微笑みを浮かべて。

カイン > 「通りと一口に言っても色々あるからな、
 それに嬢ちゃんくらいの年頃と外見ならまた違う事もあるさ」

とりわけ自分のようなナリの相手は特別ターゲットにされやすい。
その自覚があってこんな所に足を運んでいるのはやはり、相応の自信があるということにほかならないのではあるが。

「ああ、宜しくシャニス嬢ちゃん――っと」

やはりそれなりに礼節の弁えた言動と態度に感心しながらも、
何となしに悪戯心が湧いて出れば掴んだ手をそのまま、
ぐいと唐突に引き寄せて己の方に引き寄せてあわよくば抱え込んでしまおうとする。

シャニス > 「それはそうですわ。私は大通りはよく使いますもの。
私ぐらいだと違うこともですか…?」

何が違うのだろうと周囲と自分を見比べ…服装?と自分のドレスを見下ろして。
この場所に足を運ぶのは近道と時折に露店で面白いものを見つける事が出来る、そして食事も取れるからなのだがそれは男性には告げずに。

挨拶というように手を握って微笑んでいれば不意に引っ張られて驚き。
それでもこんな場所に足を運ぶだけになれたように足を踏んばり引き寄せようとする動きに逆らうようにして。

「カイン様、こういう言い悪戯は驚きますわよ」

微笑みを浮かべたままでそう告げる。

カイン > 「子供ってのは案外子供同士だと警戒心が薄かったりするのさ、
 逆に大人相手は大体の場合は目の敵にされるし喧嘩を売られる。コレばかりはな」

外見を変えたりする術がまったくないわけではあるまいが己は知らない以上、
如何ともしがたいとはまさにこのことだ。対して拘泥するような事柄でも無いのは確かなのだが。

「――おっと、こりゃ失礼。思った以上に場馴れしてるな、
 油断してるとこういう目に合うぞ、と脅かすつもりだったが」

失敗しては格好がつかない喉を鳴らして言い返しながら、
腕から力を抜いて指をするりと手から抜けば冗談めかして笑いかけ。

「じゃあ悪戯じゃなく、口説くって意味合いでだったらどうだい?」

芸も何もあったものじゃない問いかけをしながらもやり取りを楽しむよう相手を眺め。

シャニス > 「子供は同じような年ごろの子を見ると遊びたくなるといいますものね。ああいう無邪気な姿を見ていると癒されますわ。
歩いていると時々そういうのを見かけますわね。私も何度かあいましたわ…」

今ではほとんどないが歩き出した頃では服装や話し方で目の敵にされ絡まれたことを懐かしそうに告げて。

「何度か同じことをされればなれますわよ。
そう何度も油断をしてかかったりしませんわ」

男性の言葉に何度か同じ目にあって引っかかっている事を告げてもうかかりませんと告げ。
男性の腕の力が抜けて手が離れれば胸を張って大丈夫というように見せて。

「口説くですの?それでしたら内容次第ですわね」

悪戯では警戒をするが口説くというのであれば乗るか乗らないかは内容次第。
どう口説かれるのか楽しみというように男性を見つめて。

カイン > 「見た目だけで役得があるのだから、羨ましいことだ。
 ハッハッハ、荷物をかっぱらわれる程度なら別にそこまで目くじらはたてんがね」

本気で殺されかけるとなると流石にそうも言ってられない。
経験があるだけに笑い話にもならず肩をすくめ。

「おやおや、そいつはまたタイミングが悪い。最初に引っ掛けたのが俺ならば、
 引っかかってくれたかもしれないってことだからな」

さも残念だと言わんばかりに喉を鳴らして言い返しつつも、ゆっくりと首を横に振る。
改めて胸を張る仕草が可愛らしい少女の様子を見やって顎に手を当て。

「そうさな、それでは――お嬢さん、この後良ければ案内ついでに、
 俺の部屋で少しお話でもどうだい?シャニスの可愛らしさをこのまま短い時間で見納めは、勿体無い」

少しキザっぽく態とらしく一礼しながらお誘いの言葉を投げかけてみせた。
最も声が少し弾んでる感じがするのは笑いを隠しているからかもしれないが。

シャニス > 「可愛い子供は誰でも好きですもの。成長したらそれもなくなってしますから仕方ないですわ。
私だと荷物でも怒ってしまいますわね」

一度だけひったくりに些細な荷物を持っていかれた事を思い出して少し怒ったような顔になり。
肩をすくめる姿にくすくすと笑い声をこぼして。

「そうですわね。カイン様が最初でしたらきっと引っかかっていましたわね」

首をする姿にそうかもしれないと同意をするように頷き。
胸を張って威張ればドレスに包まれた大きな胸が揺れ動く。

「案内についでにカイン様の部屋でお話をですか?
そうですわね……それにおいしいワインが付いてくれば考えてもいいですわよ」

わざとらしいキザっぽお誘いに少し顎に手を当てて考えて。
笑いを隠しているような声色にそれならと一つ条件を付けてみて。

カイン > 「見た目を変えられる屋からも世の中には居ると聞くが俺はそのたぐいはできんからな。
 長く生きた所でこればかりはどうにもならんのだから世知辛いものさ」

肩を竦めて言い返す内容はある意味無常と感じることの一つ。
自分自身ではどうにもならない内容という意味では考えるだけ意味のない話ではあるが。
少し怒ったような顔をする様子に目を細めて自分も軽く笑い。

「何事もめぐり合わせってものはあるからな、俺が最初ではなかったということはこうして口説けと言うことなんだろうさ」

身長の割に豊満な胸元の動きを眼福と言った様子でみやった後の一礼、
それに対して存外に色好い返事が貰えれば顔を上げて再度再度手を差し出す。
しかしそれは先程の物と違い、軽く身を屈めながら平手を相手の前に差し出す格好だった。先程の握手を求めるものとまた違う形。

「それじゃあ交渉成立だ。酒は用意があるから安心してくれてもいい――今度は抱き寄せることを許してもらえるかね?」

にんまり笑ってさも楽しげに問いかける。断られても受け入れられてもどっちでもいいと言わんばかりではあるのだが。