2017/02/18 のログ
カナム > 最初は偶々だった
情報を買いに来たのに入り口に見張りの1人も居ない
宴会でもしているのかと思っていた、扉を開くまでは

「…なぁにこれ、大宴会でもおっぱじめた?」

中に入れば奥から漂う血の香り
それもかなり濃い、進めば転がる死体死体死体
運良く外に仕事に出ている奴等以外は全滅

「………」

隠そうともしていないのだろう
血の跡はずっと続いている
辿れば到着するのは…何の部屋だろ?
作りがしっかりしてるし多分マスタールームかな

「お邪魔しまーす」

元気よく声をかけて扉を開ける
中に居る何かの気配、扉の向こうには生きている者が居る
このパーティーの主役が

マリアベル > 「……あら」

少し、情報収集で長居しすぎたか。
もっとも、構成員ならばこんな呑気な声を出さないだろう。
大方、何かつながりのある冒険者か盗賊か。

「見ての通り、今日は休業みたいですわよ」

こちらも呑気な言葉を交わしつつ、調べていた書類のうち、偽金造りに関する資料を纏める。
これは他者の目に触れさせるわけにはいかない。
マスターの机を開き、盗賊用の油を取り出す。

カナム > 「ふーん、休業ねぇ」

部屋の中に居たのは女
でも何で執事服?少し気になるけどまぁいい
どうせどっかの貴族の恨みでも買ったのだろう

「おばさん、火が欲しいなら貸してあげようか?」

我慢の限界は超えている、その為にわざわざここまで来たのだから
魔剣を振り抜き部屋中に炎を撒き散らす
ガキも殺す奴なんだから殺したってだれも文句なんて言わない筈

「強そうだよねあんた!ちょっと僕とも遊んでよ!!」

抑えきれなかった笑みを浮かべ炎を広げる
木造のこの建物はよく燃える事だろう

マリアベル > 「――あらぼうや、ありがとうございます」

こんな惨劇を見て逃げ出さなかった子供だ。
魔族あたりか、どこか狂っているガキだとは思ったが、後者だったか。
仕方がない、非効率的な事だが、降りかかる火の粉は払うまで。

「でも――『お姉さん』でしてよ?」

火は問題ない。
呼吸の護符を使えば、三十分ほどは十分持つ。その間に出ればいい。
となれば、問題はこのガキ一人だけ。

「少し教育が必要ですわね?」

袖から滑らせるように小刀を取り出すと、少年へ向け投げつける。
額に一本、心臓に一本、足に二本。
そして影矢の要領で、重ねるように心臓にもう一本。
明らかに殺す気である。

カナム > 「ガキに優しくない奴は全員ババアって呼ばれるんだよ」

お姉さんになりたかったら近所でお菓子でも配ってみれば?
飛来する何か、おそらく死体に突き刺さってたあれだろう
けれどこっちにだって飛び道具はある
炎を真っ直ぐ執事女の方へ向ける

「おばさん暗殺者じゃないでしょ?ここに来るまでヒント残し過ぎだよぉ」

小刀、そしてあの肉の潰れ方は鈍器
そこまでサイズの大きい物ではなかったし暗器の部類だろう
そして最後に、今は火達磨なおっさん。あれは銃か何かでぶち抜いた?
とにもかくにも無暗な接近は命取り

「このまま蒸し焼きかなぁ…あれれぇ?
そう言えばさっき何か持ってたっけかなぁ?」

自分が部屋に入った時にこの女執事は何か書類を手にしていた
あれが目的なのかは分からないが…折角の成果が燃えるのは避けたいだろう
部屋を明るくした炎はジワジワと女執事に迫る
相手の嫌がる事を徹底する、クソ師匠の教えだ

マリアベル > 「ええ、私は執事ですわ。見ればお分かりになりません?」

接近してこないならばそれで良し。
小刀は数がある。じわじわと攻めればいい。
あの魔剣の効果が分からない以上、こちらからの接近は危険だ。

「あぁ、これですか? ええ、火をありがとうございます」

持っていた書類束を火にかざす。
火はあっという間に書類束へと燃え移り、すぐに偽金造りの情報は灰燼へと消えた。
どうせ盗賊ギルドへ、紙で渡すような情報だ。黒幕の正確な情報など載っていない。
記載されていた分の情報は頭に叩き込んである。

「これを貴方が読んだり他人の手へ渡ったりしなければ結構ですので――お礼を言いますわ」

続いては小刀と一緒に、鎖分銅を振り回す。
小刀は上半身を狙うように。鎖分銅は足を絡め取るように。

カナム > 「執事の仕事の範疇超えてない?」

ありゃ、燃えちゃった
あれが狙いで来たって訳じゃないとすると…本当に恨みでも買って潰されたか
ガキ諸共って何したんだよここの連中

「成程、それがミンチ製造機の正体か」

読むなと言われると途端に読みたくなってくる
けど今は集中…攻撃の前に得物を確認できた
シェンヤン辺りで使われてそうな武器、動きは独特であまり慣れてない

「ビックリ箱みたいだね!おばさん!!」

分銅は剣で切り払い小刀は出来るだけ回避する
けれどどうしても回避できないのが2本…片方は左手で掴みもう片方は左腕で体を守る

「っ…妙なもん投げてくる…」

切傷だけの痛みではない
突き刺さった小刀、どうにも聖別でもされてるらしい
想定外のダメージだが…

「3分って所か…」

気力を腕の治療に専念
万全の状態までそのぐらいだろう
このチクチクいやらしい女の攻略法を着々と組み立てていく

マリアベル > 「この程度、執事の仕事としては序の口ですわ。それと、『お姉さん』ですわよ」

そこは譲れないらしい。
鎖分銅を捌くとは、なかなか見所がある。
しかし……

(妙に効いているようですね――魔族でしょうか?)

にしては、人間くさいガキだ。
さて、呪いにでもかかっているのか、あるいは……

いずれにしろ、聖別した武器が利くならば。

「防御だけでは勝てませんわ」

執拗に小刀を投げ続ける。
そう、相手が突っ込んで来るように仕向ける事、それが狙いだ。
こちらから踏み込むのはリスクがある。相手の意識の外から先の先を取るか、相手の後の先を取る事こそ、暗器術の基本である。

カナム > 「…ガキ殺す奴はババアで十分だって」

こいつは絶対にお姉さんとは呼ばない
しかし妙にこだわるな…まさか気にしてる?

「ハハ…そうだよね、防御だけじゃ勝てないよねぇ?」

その通り、防御だけでは負けはしないが勝てもしない
小刀を受ける選択肢はもう無い、剣を使い弾いて防ぐ
あれをくらうならむしろ分銅の方がダメージが少ないのだから

「ちょっと手狭になって来たし…場所を変えようか!」

ダンッ!
炎でかなり脆くなっていた床に全力の震脚
床をぶち抜きそのまま1階のホールへと着地する

「はぁ…少しはましな空気だね」

煙のせいで少々呼吸がしにくかったがこれでもう安心
加えて狭い部屋で相手をするリスクから遠ざかる事も出来た

マリアベル > 「――ふむ」

あのホールでは、獲物が振り回しにくいリスクを与えられない。
そして、こちらの手の内は大体相手に見せてしまった。逆に相手の手の内がほとんど分かっていない。
正面きっての戦闘で使えるものが、こちらには少ない。
さらに、何より。これ以上の戦闘で得られるものがない。

と、なれば、だ。

「――では、こちらはこういう手でいきましょう。ごきげんよう」

取り出した盗賊用油をまだ残っている床一面にばら撒く。
火は壁からあっという間に燃え移り、すぐに建物全体が炎上し始めるだろう。

女執事は窓を破ると、手近な建物へ飛び移る。

「もう少し女性に対する口の利き方に気をつけるように――生きていたら、の話ですが」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 盗賊ギルド」からマリアベルさんが去りました。
カナム > 「へぇ…逃げるんだ」

こういう手合いは自分の顔を覚えられれば必ず相手を殺す
そう思い込んでいたがどうにも違うらしい
窓の外に出ていく女執事…まぁ、顔は覚えたし良いだろう

「僕もさっさと逃げないとな…いくら貧民地区でも流石に来るだろうし」

既に大火事レベルで火は広がり始めている
魔剣に吸えるだけ炎を吸わせ自分もさっさと撤収しないと

「……墓にも入れなかったな」

自分よりも小さいガキ共の死体を一瞥し外へと向かう
富裕地区の菓子を奢る約束は結局果たせなかった
そんなとても小さな後悔を残して

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 盗賊ギルド」からカナムさんが去りました。