2017/01/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエルフリーデさんが現れました。
エルフリーデ > 先日、出会いがあった場所とはまた別のところにやってきた…というよりは、迷い込んだというところだろう。
色香を漂わせて男達を館に連れ込む娼婦たち、それと同じ並びには、首輪を嵌められ、ボロを着せられたミレー族の少女が賞品として並べられている。
自ら望んでこんなところに来るはずもなく、馬車の発着場を目指したら、気づけばこんな辺鄙なところに迷い込んでいたのだった。

「……」

自分が住んでいたティルヒアの首都、もしかしたらそこでも繰り広げられていたかもしれない人の売買。
ただ、今まで目にしたことはなく、壊れた人形のように項垂れ、座り込む少女がいれば、壊れた瞳で蜜を滴らせる幼女もいた。
その異様な光景に何時もの高慢ちきな口調は鳴りを潜め、複雑な思いを胸に曇った表情を浮かべると、視線をそらすようにして俯く。

(「貴方が仰っていたのはこの事でしたのね」)

決着をつけようと、とある少女の元を訪れ、叶わなかったあの日。
加護の魔法と共に、王都はティルヒアとは違うからと言われ、ずっとどう違うのかと思っていた。
酷く腐敗している、それこそ骨の芯まで腐っていそうな印象を受けるほど。
品定めをされ、顎に手を添えられ、犬のように引き上げられる少女。
その姿が視野の片隅に入り込むと、視線をそらすのが遅れてしまう。
怖いのか、好奇心か、それとも…触れたくない矛盾した感情か。
どれかも分からぬまま、ここから逃げようとするように、足早に歩きだす。
甘い悲鳴、男達の欲望の叫び、どれもが心をかき乱し、耳を塞ぎたくなる。