2016/12/08 のログ
スヴェン > グラスの割れる音に、視線がそちらへ向くが顔を赤くする店員に首を傾げた
何だったのか、と不思議そうにしながらも彼女の差し出したグラスに酒瓶を傾け、琥珀色の酒を注ぎ

「デートって…偶然、出会っただけなのにデートになるのか?
 もっとこう、示し合わせて連れ立って出掛けるのがデートってもんだろ?」

彼女の言い分にクスクス笑いながらグラスに酒を注いだ
彼女がグラスを持ち上げればそれに合わせて自分も軽くグラスを掲げて、軽く合わせるようにし

「ついでに、この酒場の早い営業再開を祈って」

グラスを合わせればそのまま、グラスを口元へ運び傾ける
そう言えば、彼女の事は名前くらいしか知らないのか、なんて内心思いながら喉を鳴らした

ノア > 「 酒の席で正論は禁止ー
"示し合わせて連れ立って出掛ける" 程、スヴェンの事よく知らないし.. だからって "単なる偶然" じゃ、つまんないでしょ ? 」

ふふ と無茶苦茶な持論を展開し、軽やかな音響かせ乾杯を。グラス傾け こくっと喉を鳴らしながら、店内チラリと見渡して

「 此処じゃ喧嘩は、挨拶よりもポピュラーだからねー 」

耳を澄ませば何処からか、また別の喧騒が聞こえてくる程。毎晩恒例の荒れっぷりに苦笑いしつつ、話題は近況へ。

「 最近は王都に居るの ? ほら、前は戻ったばっかでだいぶ疲れてたし。」

スヴェン > 「ま、そりゃそうか…俺もノアの事、名前と身体のライン位しか知らないしな…」

無茶苦茶なようでも、納得できる部分もあったようで彼女の言葉に笑いながら頷く
続いた言葉に、粗野な連中が多いからなあ…と自分のことは棚上げにしたように同意する
喧嘩程度で済めばまだマシ、というものである。この店の店主も明日の晩にはケロリとした表情で、
営業しているに違いない

「…ん?ああ、まあ疲れてるのは変わらんけどな
 王都に戻れば、王都で細々した仕事があるし…、面倒見なきゃならん連中も多い…
 苦労は多いが、稀にこうして綺麗どころを前にして酒が飲めるから苦労のしがいもあるさ…」

冗談交じりに酒を飲む
グラスを置けば、また適当に酒を注ぎ足しては、酒瓶をテーブルに並べる
一応、規則正しく酒瓶を並べて片付けを手伝っているつもりのようだった

「ノアはどうしてたんだ?夜ごと酒場に出てきたりするのか?」

ぼんやりと彼女に向けた視線が長い髪に向けられる
相変わらず綺麗な色だな、と内心思いつつ首を傾げて彼女に尋ねた

ノア > 「 覚えててくれたの ? ふふ 」

冗談も通じる大人な貴方とのお喋りを楽しむ、其の後ろでは.. 相変わらず顔を真っ赤にしたウブな店員が片付け中。先程チラリと店内見渡した際に何となく気付いてもいて、態とらしく「 忘れちゃいそうなら、またイチから覚え直して ? 」なんて、彼女にちょっぴり意地悪を。

続く仕事の話題には、思っていた傭兵のイメージと異なり。合間合間でグラス傾けつつ質問重ね

「 ん.. ただ戦地に繰り出すだけじゃないのね。ってゆーか、スヴェンて団長とか隊長とか.. いわゆる管理職、ってやつ ? 」

王都に戻っても仲間の面倒をみたり、そう聞いてただ一介の傭兵ではなさそうと 詳しくもない用語を並べ訊ねる。興味深げに貴方の事ばかり質問していると、不意に質問返され猫目瞬き..

「 あたし ? あたし、は..... まぁ、そんな感じ。宿転々としながら毎晩飲み歩いて、自由気儘な根無し草ー みたいな ? 」

極力明るい口調で、言えない部分は全て省いて答え。言い終えると無意識、一気に酒を煽ってグラスを空にした。

スヴェン > 視界の端に赤くなった店員が見えればそういう事か、と納得がいった
態とらしく言葉を続ける彼女に悪戯な笑みを浮かべれば、「そうだな俺の事を忘れられなくしてやろう」
なんて彼女の悪戯に乗っかり、楽しげに笑い声をこぼした

「そんな所だ、一度、戦場に出て戻ってくれば死んじまうヤツ、怪我するヤツ…人間の世話だけならまだしも、
 消耗品の補充に人員の補充、正規軍とパイプ作ったり、やることは幾らでもあるもんさ
 …数数えたり、貴族に媚び売ったりすんのが得意なら雇ってやろうか?」

冗談を交えながら彼女の質問に答える
彼女から質問の応えが帰ってくれば、その反応から詳しくは判らないが、彼女にも彼女なりの
苦労があるのだろう、と察することは出来た

「…お互い苦労するなあ…
 折角、出会えたんだ…今夜一晩くらいは苦労を忘れさせてやろうか…?」

店員への悪戯の続きもあるのだが
そんな意味ありげな台詞を吐けば、そっと酒を煽った彼女の頬に腕を伸ばして軽く撫でようとし
首を軽く傾げるようにしてにやり、と笑みを浮かべる。視線は背後で片付けを続ける店員の
反応を見ようとちらちらと向けられ、その反応を楽しむような素振りもあった

ノア > 「 .....っ、ふふ.. スヴェン、あたしに負けないくらい意地が悪いのね ? 」

大人の色気漂う貴方の台詞が聞こえた直後 ── また一つ、グラスが割れた。店主も特に咎める事なく、低く落ち着いた声で『 ったく、悪い大人だねぇ 』なんて小さく笑っている様子。そして、貴方の苦労を知れば長い睫毛を伏せ

「 ごめんなさい、正直 "傭兵" って身体張るだけのイメージだった..... 思ってたのと全然違うのね.. ん、お金数えるのは好きよ。媚び売りは遠慮しとくー 」

こうして束の間の休息に、偶然会った女と冗談を言い合って笑っているけれど.. それでも、どれだけ心を磨り減らしてきたのだろうと。想像するだけで不思議と胸が苦しくなり、後半はまた冗談を混じえつつ極力明るい声色で続けた。

ウブな店員の反応を楽しみながらも、頬に伸びる手には本心から擦り寄るように応え。ゆるりと首を傾げる貴方の色気にうっとりと目を細めて、夜色の瞳を見詰め返し..

「 またいつ逢えるかもわからないのに.. 癖になったら、どうしてくれるの ? 」

悩ましげな声色で問い掛け、もう一度其の手のひらに頬を軽く擦り寄せた。

スヴェン > 「よく言うよ…俺は乗っかっただけだろ?」

掃除を続ける店員に悟られぬ程の声量で小さく返事をすれば店主の声が聞こえてくる
悪い大人たちに共謀された店員が可哀想にも思えたが、酒の席で誂われるのは年下が相場と決まっているのだ

「金を数えるのが好きなのは誰でも一緒だな
 そりゃあ、残念だ…貴族も綺麗な女には弱いんだけどな…」

当然、厳しい顔つきの男連中が自分たちの売り込みをするよりは余程そちらのほうが上手くいくのだ
彼女であれば上手いことやってのけそうだが、と冗談であったが僅かに残念そうにしてみせる

「素直になったら良いんじゃないか…?
 気丈なご婦人も嫌いではないけど、女は素直で多少、我侭なくらいが可愛げがあるもんだ」

うりうり、と寄せられる頬を軽く撫でて返す
指先で彼女の頬に掛かる髪にも触れながら彼女を見つめ返し、店員の気配を伺う

ノア > 頬に、髪に触れる指に思い出すのは.. 偶然出逢った二人が流れのままに互いを求め合った、あの不思議な夜のこと。其の光景が鮮明に思い出されては、ぞくりと身体が疼き。ほんの一瞬だけ肩を竦めると、耳元で雫形の琥珀が揺れ。

「 スヴェンは意地悪。だって.. これじゃもう、誰をからかってるのかわかんないじゃない..... っ、」

店員に意地悪を始めたのは自分だけれど、あんまり色っぽい貴方の雰囲気と余裕の表情に、拗ねた風に視線を逸らす。その癖、頬は擦り寄せたまま..

「 .........もし本気なら、今すぐ此処から強引に連れ出して。貴方のこと、忘れられなくしてくれるんでしょ.. ? 」

数分前の言葉を借りて、空のグラスの縁を指先でなぞりながら続ける。もう意識は後ろの店員に向けてはいない、貴方にだけ向けられた問い掛けで。

スヴェン > 視線を逸らされてしまうと苦笑を浮かべたが、指先には確りと彼女の感触が伝わったままであった
怒らせたかな、と思いもしたがどうにもそういう訳ではないらしい…女心とは難しいものである

「そうか?…そうかもなあ…今ひとつ、合点がいかない所もあるけど…」

拗ねた様が可愛らしく思える
するり、と彼女の頬から手を離して下ろせば座った椅子から立ち上がり、カウンター越しに手を伸ばせば、
まだ封の開けらていない酒瓶を手に持ち、続けて彼女に腕を伸ばせば緩く手前に引き寄せ立ち上がるよう促し

「それじゃあ、再会を祝して二人っきりになれる所に行くか…
 店主、酒貰っていくぞ?代金は足りてるだろ?」

彼女が立ち上がれば、括れた腰に腕を伸ばし軽く引き寄せる
連れ立って店を後にしながら、店員の脇を抜ける際に、にやり、と笑って見せて

「…悪いがこっからはオトナの時間だ…許せよ?」

なんて伝えてそのまま、彼女を連れ去ってしまおうとするはずで

ノア > "一夜の戯れ" なら ない事もないけれど、其れが数回続いてしまえば情も生まれる。全うに生きていない女が情を抱いたって仕方ない事と、理解はしていても.. 止められないのは其の "夜色の瞳" に惹かれてか ── 何処か悔しげに、何処か寂しげに目を細めつつも結局は.. 引き寄せられるまま、貴方の腕の中に収まり。

「 そんな風にすぐ望み叶っちゃうと、もっと我儘になっちゃうよ ? 」

全部話せてしまえば どんなに楽だろう.. などと、十数センチ上の貴方を見上げながら ぼんやり考える。店員の脇を通り過ぎる際の悪戯な言葉には くすりと笑い、最後の悪戯にと態とらしく貴方と密着してみたり。

「 ご馳走さま♡ それで.. 何処に ? 」

酒代の礼をにこりと告げてから、焦れたように歓楽街の通りを見渡す。今夜は行き先も、身も心も全てを貴方に委ねるつもりで..

スヴェン > 腰に腕を回し彼女が身を寄せてくればほんのりと彼女の体温が伝わり暖かい
彼女の言葉を聞けば、笑みを浮かべつつ彼女の歩調に合わせて歩きだし

「ご婦人の気侭、我侭に応えるのも男の器量だろ?
 それにさっきも言ったが女は我侭なくらいが可愛いもんさ…
 ノアだって、俺のポケットから城だの財宝だのが出てくるとは思ってないだろ…?」

その程度の器量で悪いけどな、と続けて笑い
店を出れば夜気が冷たくもう少しひっついてくれると嬉しいんだが?なんて軽口を叩きながら
とりあえず、隠れ家のように使っている宿へ向けて歩き出すのだった……――

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からスヴェンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にジアさんが現れました。
ジア > 酒場や娼館などの喧噪から離れた裏路地を歩く少年。
船がひっきりなしに来ることで、荷運びの仕事が終わった頃にはすでに日が暮れていた。
日が落ちて、月も雲に覆い隠される夜の暗い周囲を照らすように、指先に炎を灯してランタン代わりにする。

「うーん、この辺は人も通るなぁ」

より治安のいい地区で野宿をすれば、衛兵にどやされて却って眠れないことが多い。
そのまま寝床を追い出されればいい方で、下手をすれば罰金を要求されることもあるのだ。
それならば、多少の危険は覚悟で治安の悪いこの地区の安宿なりを探す方がいいこともある。

「まさかちょっと遅れるだけで埋まるだなんて…」

実際のところ、持ち金が心もとなくいつも使っている平民地区の宿すら満員で、部屋を取れなかっただけであった。
それは忘れて都合のよさそうな場所を求めてぐんぐんと先に進んでいった。

ジア > 人通りもなくなってきた辺りで、少年は目的の場所にたどり着いて指に灯していた火を消した。

「よし、まだ使えそう」

古くなって穴の開いている土壁を見つけると、小さな体を活かしてそこに潜りこんで裏側へと入っていく。
誰も使っていない廃屋は、表の門も閂が錆びて開かず、入るのは野良猫ぐらいであった。
とりあえずの雨風を凌げる廃屋にもぐりこんだ少年は、そのまま猫のように丸まって一夜を明かした。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からジアさんが去りました。