2016/10/31 のログ
ハーティリア > 「ま、そんなとこだねぇ。」

まあ、あれだけ花売り花売り名乗っていたのだから、医者っぽいことを言っても通じるわけもなく。飛びつこうとしたらそれ以上のスピードでひらりとかわされ……背中の剣を抜いた彼に。

「おや、つれねぇの……何やっても何も、おじさんは最初から言ってるじゃねぇの。『暇潰し』に来たって。」

何を今更、と言わんばかりに首をかしげる。別にまあ、剣を向けられるとそれはそれで困るのだが……はぁ、とため息一つ、ポリポリと頭を掻き。

「そんな刺されそうになった顔されても困るんだが……っていうか、あっさり抜くのなその物騒な剣。」

近くで見るとよりすげぇな、と呟きながら無防備に手を伸ばし、指先が彼の剣の切っ先に触れようとして。

ソル・グラディウス > いきなり抱き着こうとした目の前の男性。
その言動に剣を向けて心臓の鼓動が速まる。
嫌な汗が吹き出し、別の意味で畏怖を感じれば、震えた手で剣を構える。

「黙れ!俺でその暇を潰そうとするんじゃねぇ!それ以上近寄ったら斬るぞクソが!」

焦る。かなり焦る。
いや、実際、男性との性交を経験したことはないのだが、目の前の彼は生憎ストライクゾーン外。
そんな男性に一方的にアプローチされても困惑と恐怖しかなく、剣を向けつつ近寄るなと精一杯の抵抗を見せる。

「うるせぇボケ!近寄るな!」

彼が寄ってきた。切っ先に触れようとすると数歩退いて威嚇を続ける。
もうダメだ。逃げよう。剣の恩恵とか諸々使えばすぐに逃げられるはずだ。
そう考えて、冷や汗が頬を伝る。

ハーティリア > 「おうおう、すっげぇ嫌われた……ってか、怖がられた?」

早々無かった反応に、少し傷つき、少し楽しい……反応に困ったように苦笑いを浮かべつつも、彼の言葉を聞いてなお、近づけば彼が下がって威嚇を続ける姿に、目を細める。
そして背中の箒を手に取り、ふわりと、箒ごと身体を宙に浮かべて。

「ここまで怖がられるとは思わなかったなぁ、悪い悪い……でもさぁて、どうしよっかねぇ……。」

考え込むように謝りつつも彼を眺める。逃げたとして、魔力の塊みたいな剣を手にしたままどんだけ早く逃げても、目印付きで逃げてるようなもので空からすぐに追いつく自信はあるのだが……ここまで拒絶されると自分もそりゃまあ、凹まないでもないわけで。

ソル・グラディウス > 「…!」

固唾を飲み、目の前の彼を見据える。
緊張や恐怖は薄れてきて、今度は怒りや嫌悪感がこみ上げてくる。
彼を睨み、剣を構えたまま口を開く。

「こんなんじゃ落ち着いて月見すらできねぇ…もう終わりだ。付き合ってられるか」

頭を抱え、その様に返す。
剣は手に持ったまま箒にと共に宙を浮いた彼を見据えればため息交じりにそう返す。
凹んでいる彼を別段気遣う訳でもなく、背を向けて歩き出す。

「追ってきたら斬るからな。マジで…灰にするぞ」

怒りが籠った表情でそう言い残せばその場を後にする。
自身の魔力をそこいらにまき散らし、殺気と怒りを帯びたまま暗闇の中へと消え去っていった―――

ハーティリア > 「はいはい、わかりましたよ。……その剣無しでもそれが言えるなら、もっとカッコイイんだがねぇ。」

一度、戦ってみるのも楽しいかもしれない、と思えば……怒りのこもった目線にむしろニィッと笑みを浮かべるのだけど。凹んだのもあってか追うのはやめておくらしい。
まあ、怒りのせいかそこいらに彼自身の魔力が撒き散らされているが……正直あの剣に宿っている数千年レベルの魔力が濃すぎてノイズにもならない。太陽を隠そうとして松明を周囲にポイポイ投げてるのを見たような気分になりつつも……ふわ、とそのまま箒に腰掛け直せば。

「さて……つまんない結果になっちまったなぁ。」

そんなため息混じりに、三日月の照らす夜空へとふわり、溶けるように消えていく。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からソル・グラディウスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からハーティリアさんが去りました。