2016/08/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 廃墟地区」にレイカさんが現れました。
■レイカ > 「…止みませんね………。」
廃墟地区の奥地、少し奥まった場所にある雨風凌げる程度の路地裏。
とはいえ、凌げるだけいいほうだろう。
このあたりでは、家と呼べるものは大体天井がなかったり、隙間風が入ってきたり。
とても、今私が集落で使っている家とはかけ離れたものだった。
しかし、この四方を壁に囲まれ、天上があるというだけの家は、この地区ならば贅沢なほう。
食料も何も手に入りにくい、そんな場所で雨風凌げるというのは、本当に贅沢なのだ。
「……この雨が止んだら………少し相談してみるのもいいかもしれませんね…。」
あの子はいま、どこかに出かけてしまっている。
帰ってくるのがいつなのかまったく知らない以上、私はここで待つしかなかった。
ご案内:「王都マグメール 廃墟地区」にレン・レイトさんが現れました。
■レン・レイト > ……雨の中、ゆらりと幽鬼のごとく歩む少年。
自分の痕跡を消すようにしながら岐路を急いでいる。
今までの少年は、遺跡漁りや魔物の討伐等、冒険者の依頼を捜し、実行していたのだが。今は姉と呼ぶ事になった人にお世話になっているため、遠出となることはせず、彼女が出かけている間、自分も出かけ鍛錬に励んでいた。
しかし、雨に見舞われ雨宿りをしていたのだが止まぬまますっかり遅くなってしまって。
これ以上は彼女が心配すると帰宅を決意。
雨の中走り抜け、しかし廃墟地区が近づけば、つけられぬように、雨音に自分の音を消しながら慎重に岐路についていた。
「…ただいま」
そして家としている拠点に戻る。
そこに姉を見つければ、嬉しさ半分、帰りが遅くなった事怒られるだろうかと少し不安そうなのが半分。
それ以上にびしょ濡れな事に怒られそうだが
■レイカ > ここまで止まない雨という事は、おそらくかなり大きな雨雲にかかっているのだろう。
私も昨日、このあめにやられてすっかりと帰りが遅くなってしまい、心配をかけてしまった。
…まあ、雨だけで帰りが遅くなってしまったわけじゃないけれども……。
「お帰りなさい…嗚呼、やっぱり雨に降られてたんですね。
ちょっと待ってください、確か荷物の中にバスタオルが……。」
私は、ここでの暮らしが少し長引くと思いそうそうに拠点に連絡を取っていた。
かなり遅くなるので、荷物を一通り見繕って持ってきてほしい、と伝言を頼み、そしてその荷物が今しがた届いたのだ。
バスタオル一式に、着替え…後はちょっとした食料と、私が使っている軽量のブレストプレート。
ブーツに、弓と矢。そして髪飾り。
いまは一式、固めて傍らにおいているのだが…まあ、気になるといえば気になるかもしれない。
ちょっとした旅支度に見えなくもないだろうから。
私は、その中から少し大きめのタオルを取り出し、拡げて弟を招き入れた。
彼の心配とは裏腹に、私は一切怒りを感じていなかった。
勿論心配はしたけれども…きっと帰ってくるという、どこか確信めいたものを感じていたから。
「濡れた服は脱いでしまってくださいね。
明日には晴れると思うので、まとめて干しておきますから。」
■レン・レイト > 「遅くなってしまってごめんなさい」
ただいまと言えること。お帰りと言ってもらえる事の何と喜ばしい事だろう。
…そう思いながら素直に遅れた事を謝り、タオルを出してくれれば礼を言う。
少年は漸くと言うべきか…調子を取戻して来た。
…決して悪い意味ではなく…有り余る幸福…普通の人間であれば唯の日常と変わらないかもしれないそれを、許容し、受け止める事が出来るようになって来たのだ。
「いや、…その。自分でできますから」
その分このようにタオルを広げて拭いて上げると言わんんばかりに受け入れ体勢の彼女には、彼の年頃らしい気恥ずかしさが出て来てしまい…ぽりぽりと頬をかき照れるように言うだろう。
そして濡れた服を脱げと言われれば姉に向こうを向いてくれと頼んで一着しかない替えに着替えただろう。
その間、彼女の…旅支度のような荷物を一瞥して。
彼女がどこかへゆくのだろうかと、少しだけ不安になるけど。
■レイカ > 「構いませんよ、私だって昨日遅くなってしまったんですから…おあいこです。」
ただいまといわれれば、お帰りといってあげるべきだ。
私も以前は、一人だった。
ただいまといっても、誰もお帰りといってくれるわけではない。
むしろ、なにがあったのか先に報告をしなければならない立場だった。
帰っても、労われることなどほとんどなかった毎日…。
そんな生活を、彼にさせるわけにはいかなかった。
「……?そうですか…じゃあ。」
私は、照れたように頬をかく彼にバスタオルを渡した。
別に…見ることに関して何の抵抗もない私にとって、その恥ずかしさはちょっとよくわからないものだった。
しかし、彼くらいの年齢だと…やっぱり見られて恥ずかしいものなのだろう。
言われたとおり、私は後ろを向き彼が着替えるのを待った。
「ですが…何処に行っていたのかだけ、聞いてもいいですか?」
もし、彼がどこかで犯罪めいたことをしていたら…咎めなければならない。
それは悪いことだといって、叱らなければならない。
危ない場所に行っていたら…極力避けるように言い聞かせるべきかどうかは迷った。
何しろ、彼は傭兵まがいの生活をしていた。
いきなりそれを変えろ、というのは少々難しい話だ。
■レン・レイト > タオルを受け取って自分で身体を拭いていると、それはそれでここは素直に甘えたほうが良かったかなぁなんて少し残念そうに思うのもお年頃故か。
「ちょっと人気の無い所で鍛錬をしていました。雨が降ってからは雨宿りをしていたんですけど、あまりに遅くなって来たから」
奪取で帰って来たのだと。
そしてどこに行っていたか聞かれれば素直に答えるだろう。
そしてもう1つあった出来事を答えようと口を開くが、一瞬言いよどんで…そんなところですと話をくくる。
もしかしたら彼女は築くかもしれない。先ほど着替え中肩に傷があったのを。血も固まり塞がりかけの傷だが、そもそも昨日はなかったそれ。
着替えた服も元々ぼろぼろだが、やはり同じところに、新しいく刃物で切り開いたような後があるだろう。
■レイカ > 「鍛錬ですか?」
人気のないところでしていたと言うそれ。
私も、よく拠点で弓の精度を上げるために的当てをしたり、木から木へ飛び移っている。
先日、彼が気配に気づけなかった瞑想も、その鍛錬の一種。
遅くなってきたから急いで帰ってきた、という言葉に、少しだけ口元に手を置いて笑った。
「そうですか…其れでずぶ濡れに……。」
濡れた理由はわかった……けど。
一瞬言いよどんだその言葉に、私は違和感を覚えた。
ただ訓練していただけでないのだろうか…と、濡れた服を拡げて水気を叩き落としたときに…気づいてしまった。
「…………!」
確かに、彼の服は元々ボロボロだった。
無理もない、たった一人でこんなところで生活していたのだから、服がボロボロになってもおかしくない。
だけど、その服の肩口のところに…昨日までなかった、敗れた後を見つけた。
しかも、その場所には真新しい、雨で落ちなかった血がまだうっすらついている…。
「……レン君………。本当に訓練していただけですか?」
怒っている、というよりも心配だった。
彼が”肩に傷を負っている”ということが。
まさか、誰かに襲われた…?
■レン・レイト > 彼女が微笑んでくれると、それだけで気が楽になるのがわかって。
自然と少年の顔も明るくなる。
そし姉と一緒に、自分はズボンの水気をたたき落としていると、姉がこちらを見て。
心配そうに眉を寄せ投げかけられた言葉にはびくんと跳ねる。
隠し事がバレた事どものように一瞬目を泳がせるけど…すぐに観念して白状する。
「鍛錬中、近くで悲鳴が聴こえて…気になって見に行ったら…誰かが襲われてて」
鍛錬中聴こえた悲鳴。今までの少年であれば捨て置いたそれも…今はなぜか気になって。その悲鳴が少年には恐ろしくさを思い出せ…なんとかせねばと気がつけばそちらへ赴いていた。
そして女性が、柄の悪い、甲冑を来た騎士なのか傭兵なのか分からないような男2人に絡まれ、服を剥がれそうになっていたから。
少年はとっさに助けに入り、男達と戦闘になったのだと言う。
1人は乱入時に一撃でのしたが、もう1人には一撃をもらってしまって。
その後なんとか倒したが気がつけば逃げさる女性の後ろ姿があったという。
「ごめんなさい。心配させると思って…黙っていようと思ってしまいました」
その後雨が降りだし、幸い傷は深くなかったので様子を見ながら雨宿りしていたのだと言う。
「でも、逃がすつもりだったとはいえ、何も言われずに逃げられるとちょっと淋しいですね」
なんて苦笑してこぼす少年。
そして
「大丈夫だと良いんだけどなぁ。あのミレー族の人」