2016/07/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にヴィールさんが現れました。
ヴィール > 片手に持ったメモと、歩いている道の先を交互に眺めて。
やがて行き当たったのは汚れた石の壁で、大仰に息をついてしゃがみ込んだ。
色々積まれているところを見ると、何かの倉庫らしい。もしくは不法なごみ捨て場か。

「……っ、くそ……慣れてると思ったのによ…」

とどのつまりは道に迷った。
貧民地区はすっかり行き慣れていると油断したのが大きな誤算だった。
それに気づいた時は既に遅くて、すっかり日も暮れた空を恨めしげに見上げる。

ヴィール > 壁に背を預け、そのままズルズルと座り込む。
顔を上げれば今来た道は、すっかり薄暗くなってしまっていた。

「……どうするか……」

そもそもここがどこかもわからない。
壁の裏では、薄らと喧騒が聞こえてくるので、何かの店の裏だろうか。
裏口も無いようだから、その店が何なのか確かめる術も無い。

ヴィール > 「……いつまでもこうしてたって、しゃあねぇか」

暫く、とはいえ時間にすればそうでも無い間そこに座り込んでいたが。
やがて小さく呟くと同時に立ち上がる。

今の所、前方に人の気配らしきものはない。
いつまでもうろうろしていて破落戸に目をつけられるのも勘弁願いたく。
そうして少年は緩々と再び歩き始めた。

帰路らしきものを見つけ、人通りのある所に出てこれたかはまた別の話。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からヴィールさんが去りました。