2016/04/30 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 奴隷市場」にレアンさんが現れました。
レアン > (袋小路というにはやや広い広場で、そこは多くの人間で賑っていた)
(しかし、活気に溢れたそれではなく怒号と嬌声が交わり響くような喧噪)
(奴隷市場――彼は仕事でここの衛兵を引き受けていた)
(元より金の為ならば仕事は選ばないタイプだが、流石にこの惨状に眉を寄せてしまう)
(平民地区のそれより安価で売り出されている奴隷は布きれ一枚同然で鎖に繋がれている)
(それならまだしも、商人たちが試しにとばかりに客にあちらこちらで奴隷たちと性交させていた)

気が滅入るね~……いや、まあ、ここにいる時点で俺も同類なんだけどさぁ。

(決して気持ちのいい風景ではないが、安易な正義感でこの状況を解決できると思うほど傲慢ではないし、そもそも、金を受け取る限りは衛兵としての仕事を果たさなければならない。分かっていて引き受けた仕事なのだ。……そうだと頭の中では分かっていても、溜息は交じる)

俺?あ~…いいよ、アンタたちだけで愉しんできな。

(他の衛兵たちに性交に交じらないかと誘いを掛けられるがやんわりと断った。仕事を引き受けた以上はこの状況で何が起きたとしても冷静に対処するべきだと思うし、そもそも、彼が混じりたいと思うような女もいなかった)

やれやれ、これなら平民地区の市場に行けばよかったかねぇ。

(ただ、平民地区ともなれば、奴隷の等級も上がり、それだけ衛兵も雇われるには条件が必要だ。ギルドに所属していない彼は身元を保証するようなものがないのと同じで、そこでやとわれようとするなら色々と準備がいる)

……まあ、そんなわけでここにいるわけだけどねぇ。

(がりがりと頭の後ろを掻きながら、溜息をつく。せめて話し相手でもいれば、気が晴れるのだが)

レアン > (彼に性欲がないわけではない。むしろ、年相応に過多気味と言っても良いだろう。)
(女が欲しくなる時もあるし、往々にしてそれは叶わないことが多いのだが――それでもこの惨状はあまりだとも思う)
(目を引くような女がいれば、それはそれで興奮でもするのだろうが、周りが感情や興奮を大きくさせていると却って冷静になってしまう。)
(そういう意味では一心に交わっている彼らが羨ましくもあった)

(奴隷と一言に言っても様々だ。目の前で繰り広げられている状況を見ても分かる様に性奴隷として買われる奴隷が大半だが、中には力仕事や頭仕事、あるいは子どもを失くした夫婦が子供として引き取ったり――と様々だ。)

(言い換えれば、その価値も様々だ。中には根無し草の彼でも頑張れば、買いつけられる奴隷も中にはいる。無論、平民地区の奴隷よりは安価ではあるが、手が届きそうにない奴隷もいる)

………やれやれ。まあ、楽しそうで何よりですけどね。

(そんな皮肉を一人口にしながら、仕事と言う名の暇潰しに、ひとつ欠伸をさせた)

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 奴隷市場」からレアンさんが去りました。