2016/01/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にアルマーレさんが現れました。
■アルマーレ > 月夜の晩。暗闇にまぎれて色々なモノが蠢く時刻。
そんな時刻に娼婦や浮浪者の吹き溜まりのような裏路地を行く。
鼻歌まじりに欠伸を噛み殺し、胡乱な目を向ける浮浪者たちに気さくに笑いかけて酒瓶の一つでもくれてやろう。
そんなそぐわない程陽気な男の着るシャツは鮮血に染まり、無残に引き裂かれていて
「………たくっ、遠慮なしにブスブス刺しやがってからに…一昨日新調したばっかりだってのに」
溜息をついてシャツを眺めれば、退屈そうに苦笑をすれば、不意にカラリと笑んで
「ま、コレで暫くは奴さんには追われねーで済むか……良い加減アイツらの間抜け面には飽きてたんだ」
数十分前に己を「殺害」した男たち。奴さんと称した彼らは、職務に忠実な勤勉なる”借金取り”だ。
どうにも良くない連中から知らずに金を借りていたらしい。
ともあれ、向こうは“不死”の己が死んだと思っているのだろうし、好都合だ。
泥に埋められずに路地裏に放置されたのもツイてたと愉快そうに哄笑したら、片手の酒瓶を呷って
「ーーーさァて、今夜の寝床はどこにすっかねぇ」
なんてあてどなく彷徨う。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレイシーさんが現れました。
■レイシー > 娼婦や浮浪者の吹き溜まりである貧民地区の夜の裏路地に似合わない陽気な鼻唄が響く。
高価そうな黒のローブと白のワンピースを風にはためかせながら、また如何にも不釣り合いな軽快な足取りで歩を進めているが、よく見るとその足元には靴が履かれておらず素足である。しかし、そんなこと全く気にしない様子で裏路地を散歩しているらしい。
そんな風に楽しげに裏路地を散策してみれば、浮浪者に酒の入った瓶を手渡し気さくに笑いかける…鮮血に染まったシャツを着た男を目に止めて。
「ねぇ、君さ…如何にも死んじゃいそうなほど血が出た形跡あるのに、なんでそんなに楽しそうなの?」
歩く男の背を追い、ぐいっとその鮮血に染まった服を軽く引いて此方に視線を向けさせようとしてみる。
嗚呼、面白いもの見つけた。とでも言いたそうな弾む声に、上りきった口角を隠さないままにその男に話しかけ。
■アルマーレ > 陽気で調子っ外れな歌声は、眠りに落ちる寸前の野良犬を起こし、浮浪者に呻きをあげさせる。
吹き溜まりの空気は絡みつくように小汚く臭く、マトモな神経ならば足早に駆け抜けるところだ。
にもかかわらず、交叉路に出れば小枝を地に落として、道を適当に選んで行く。
行き着く先に何があるのか、今日の寝床か、はたまたナニかの巣窟か。
なんて退屈を紛らわすための児戯は唐突に終わりを告げて
「んん?………ーーーーーコレはこれは、麗しき小嬢さん。ご機嫌麗しゅう」
なんて気配を察知すら出来なかったことに内心で驚きつつも、裾を摘まれたままで大仰にお辞儀をして見せて
「何で、って言われてもな……そうだな、死んじゃいそうなほど血が出たからって答えはお気に召すかい」
マトモに答える気がないと思われてもおかしくない軽薄な笑みを浮かべて混ぜっ返す。
ふと、ヘテロクロミアな瞳と目が合えば、わずかに目を丸くしてから
「嗚呼、俺は何てツイてないんだ…おぉ神よ…俺はココで美味しく頂かれてしまうのだろうか」
彼女の纏う雰囲気と容姿。恐らく尋常の人間ではないだろう。
凄惨とも言えるような笑みを浮かべる彼女に怯える“フリ”をおどけて見せたら、太陽のような明るい笑みを浮かべて
「ま、頂くなら晩御飯にはオススメしないぜ? 何て言ったって俺の飲み水は聖水で、主食はニンニクと十字架と聖典だ…食あたり起こしちまうぞ、レディー」
相手が人間でないなら苦手なモノを列挙して、からかってみるのも一興とばかりな様子
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にレイシーさんが現れました。
■レイシー > 陽気だが少々外れ気味の歌声に目を覚ました野良犬が立ちはだかるもののそれににっこりと微笑めば、動物の直感とは素晴らしいものである。危険を察知した野良犬達は呻き声を飲み込み大人しく引き下がってゆく、結果的に娼婦やら浮浪者やらを助ける事になっているのだが本人は目の前の男を追い掛けるのにご執心であった。
ご丁寧にお辞儀なんかをする相手を見て少しだけ目を丸くし、驚いた表情を浮かべるもののすぐにまたにやりと大層楽しそうな表情を浮かべる。
「…ふぅん。死んじゃうから楽しいんじゃ無いみたいだね。」
少々腑に落ちないが、軽薄な笑みの下に痛みを堪えるような仕草や動作は見られない。そもそも、出血多量で死にそうな人間がこんな答えを返すだろうか…じっと相手を見つめ、不意にその服を鮮血に染め上げるまでに至った傷跡がある辺りに手を伸ばす。無理矢理にでも真偽を確かめたくなる性分らしい。
「…へぇ、なんで気づいたの。面白いなぁ、君は。ふははっ、うん…心配しなくても見知らぬ人をガブッと食べちゃうほど渇いてないし、生憎そんなもので食当たりして死ねるくらいならとっくに死んでるさ。
…まぁ、この結果で君を味見してみたくなるかは変わるけどね。」
伸ばした手は相手から発せられた言葉により寸前で止められる。己の正体に気づき、そして尚からかうような言動を向けてくる辺り、男も人間から逸脱した者なのであろう。
列挙された物は好きでは無いが、致命傷に至るほども物ではない。無駄に長く生きたせいで慣れてしまった節もあるのかもしれない。
とにかく傷跡寸前で止めていた手を動かし、その鮮血の下の真実を確かめてみようと。