2016/01/07 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」に魔王レヴィアタンさんが現れました。
魔王レヴィアタン > 貧民地区の娼婦街。春を売る女達が客引きに精を出す頃合。
またも船から抜け出した魔王は、その景色を楽しそうに眺めながら歩いていた。
彼女達の誘いに乗るのも手だがもう少し様子を見てみたい。
歩く度、刻むように揺れる胸を隠さずに。

「……ん?―――はいはい、また今度ねぇ」

声をかけてきた男を軽くあしらい、再び歩き出す。
奥へ行くにつれ明るさは減り、薄暗がりが増えてきた。
耳を澄ませば娼館内か、それとも何処か路地か。嬌声が聞こえる。

魔王レヴィアタン > ふと、手指を絡め取られる。
其方を見れば娼婦と思しき女が誘うように此方を見つめていた。
取り立てて美貌とも言えないが――どこか愛嬌のある。

「………おや?お目当ての殿方を見つけに行かないのかね」

からかうように囁き、唇を軽く重ねる。
更に深く重ねんとする女の肩を軽く押し、離れた。
ひらひらと手を振って歩き始めれば、あとは立ち尽くす一人が残るのみ。
再び物色に戻る。

魔王レヴィアタン > 「――――行き止まりぃ」

コッ、と足を止める。そこには無機質な汚れた壁が一つあるばかり。
多々見える汚れが如何なるものかなど詮索することなく。

「………ま、収穫は無いでもなかったね」

踵を返せば今来た道が見える。
先ほど声をかけてきた女の姿は既に無く、それが少しばかり残念ではあった。

あとは己の場所、船へと戻っていこう。
ゆっくりと歩き続けて暫し――ふっ、と姿が掻き消えた。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区」から魔王レヴィアタンさんが去りました。