2015/12/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にヴァイルさんが現れました。
■ヴァイル > 路地のひとつ。
夜中に出歩けば貞操か命のどちらかを落とす覚悟はしなければならない
治安の悪い場所に、白皙の少年、ヴァイルともう一人の女がいた。
平民地区から攫われてきた罪もない娘であったが、
特筆することといえば、首と胴体が切り離されていたことであった。
しかし、死んでいるわけではない。
いかなる不思議な術が使われたのか、その娘はまだ生きていた。
その首はさほど面白くもなさそうな顔をしたヴァイルに抱えられ、
自らの胴体が地べたに転がっているのを筆舌につくしがたい恐怖の中見せつけられていた。
■ヴァイル > 胴体のもとに屈みこみ、胸へと手を伸ばす。
ヴァイルの腕の先が抉りこまれ、心臓がえぐり出された。
胴体からちぎり取られてもなおも脈動を続けるそれを、
路地の壁に叩きつけ、溢れる血を絵具として
邪なる紋様を描いていった。
抱える首はバンシーもかくやといった絶望の悲鳴を上げていたが、
それはヴァイルの構うところではなかった。
何をしているのかというと、罠を作っているのである。
こうすることで、魔族や退魔士の類が悲歎と血の臭いを嗅ぎつけて
のこのこと姿を現すのを待っているのだ。