2015/12/03 のログ
■魔王アスモデウス > 貧民地区の娼館が並ぶ一角で娼婦を買って楽しんだ後。
ふらりと足を向けた露店の並ぶ辺り。
雑多で猥雑な雰囲気のこの街が、自身には好ましく思えて、足取り軽く視線を巡らせていた。
そんな中、目を止めたのは青みがかった黒髪の男。
人間とは異なる気配に紅眼を細めて、店主と何事か和やかに話しているのを眺め。
そちらの方へ、ひら、とスカートを翻して向かう。
「美味しそうなお肉だねぇ、一口分けて?」
声が届くほどに近づけば、馴れ馴れしく男に向けてそんな一言をかけた。
■ルーフェン > 「店主、もう一本…」
金貨を数枚、屋台の上に置けば入れ替わりに一本、芳しい香りを放つ串焼きを手渡される
貧民街の露天は幾つか巡ってみたが、この露天のものが一番、口にあった
どうやらタレに秘密があるらしい所までは店主の作業を眺め探ったがそれ以上のことはわからない
問いただしてもチャームポイントの白い歯を見せただただ、笑うばかりである
中毒性のある薬品の類でも混入させているのではなかろうか、と疑ったがそもそも、人に対する麻薬など
自分には薬ほどにも効果はないのでその線は消えていた
「…秘密を教えたら店を持たせてやるぞ、店主よ」
という冗談に相変わらずクソ忌々しく白い歯を見せて笑う店主の顔を拝んでいれば、不意に声を掛けられそちらへ
視線を向けた
「………一口だけだぞ?」
物乞いか?とも思ったがそういう風ではない
妙な違和感を覚えたが声の主の口元へ向け、串焼きを差し出した
■魔王アスモデウス > 見ているうちに、更に一本追加購入している男の様子に、どうやらお気に入りのようだと思い。
店主と何やら、やはり楽しげに会話していた男が、声に振り向けば。
ふわりと微笑んで、訝しむような視線に応え。
「ありがとぉ。それじゃ、いただきまぁす」
さらりと豊かな胸に流れた長い髪を指先でかきあげ、耳に掛けると、差し出された串焼きに顔を寄せる。
紅を引いたように紅い唇を、控えめに開けて、紅い舌をちろりと覗かせ。
串の先に刺された肉の、三分の一ほどに齧り付いた。
柔らかく、程よい噛み応えのある肉を咀嚼し、ごくりと嚥下すると、嬉しそうな笑みを浮かべて。
「ん、美味しぃ」
そう言って、それから唇についた脂を舌先で舐めとった。
■ルーフェン > 当然といえば当然なのだが、遠慮無く肉にかぶりつく様をぼんやりと眺める
妙に煽情的な食べっぷりであるように見えたがそれよりも、一口で如何ほど肉を食べるものかヒヤヒヤしながら眺める
「店主、良かったな褒められたぞ」
スキンヘッドの額に光る汗を拭いながらニッコリと笑みを浮かべる店主
人の良さそうな笑顔であったがこの顔でドラゴンも満足させる味を作り出すのだから人間とは恐ろしい
彼女に差し出した串を引っ込めると自分の口元へと運び、残った肉を野菜ごと半分ほどパクリとかじり付き
むぐむぐ、と口を動かしながらじぃ、と遠慮ない視線を彼女に向ける
「お主は…娼婦か何かか?人にも見えるが全く別モンのような気配もする…」
人の女は化ける…というような話をかつて聞いた気がするがその類であろうか?と視線同様に遠慮なく質問していく
その間も串焼きを食べ進め、残った串を露天横のゴミ箱へぽい、と放り投げて
■魔王アスモデウス > 誘う意図があったにも関わらず、動じた様子もない男に、人間ではないようだと確信して。
店主へと向ける男の声に合わせ、店主の方にもにこやかな笑顔を向けておく。
店主の白い歯が眩しい。
ほんの少し食指をそそられたが、今は目の前の人外の男の方が興味深かった。
「間接キスだねぇ」
自身の齧った肉を、野菜も一緒に半分ほども齧り付いた男に揶揄するように言って。
男からの遠慮のない視線に豊かな乳房を持ち上げるように両腕で身体を抱いて。
「あなたもぉ、人じゃないみたいだけど?」
否定はせず。しかし肯定する言葉も紡がずに、問いを返す。
ゴミ箱へ放り捨てられた串の行方には目もくれず、男の唇へ視線を注ぎ。
脂のついたそこを拭おうと手を伸ばす。
■ルーフェン > 「…ん、む?間接…うむ、言われてみればそうなるな」
全く意識が無かったのか言われてみれば確かに、と彼女の言葉に頷く。そこから文句の1つも言われるのだろうか、と
やや構えたがどうやらそういう意図で無かったらしい。そもそも、一口よこせと言ったのは彼女であったから文句を
言われる筋でもないのだが
「…そんなにアピールせずとも、主の身体が豊満であるのは見れば判る…」
じ、と彼女の豊かな胸元へと視線を向ける
女性らしい身体つきは人間であったらば惹かれるものがあるのだろうなあ、とかぼんやりと思いつつ、
続いた彼女言葉に彼女の瞳へと視線を向ければ、にぃ、と鋭い犬歯を見せて笑い
「…人ではない。竜族だ。わけあって…と言うほどの理由でもないが人に紛れて人間の世界を見聞してる」
露天の店主は知っているのかいないのか、会話を気にすることなくせっせと串焼き作りに精を出している
伸びた指先を嫌がるでもなく、唇に触れられれば、食べ滓でも付いてたか?と首を傾げて
■魔王アスモデウス > 反応が鈍い。実に鈍い。
雄の感性がないのかと、少し不安に思うほどに。
言われてみればと頷いた男に、くすくすと笑い零し。
「あぁ、アピールしてるっていうのは判ってくれるんだぁ」
などと揶揄する調子を強めて言う。
人間相手であれば男女を問わず誘惑の容易い女性的な身体を、笑いに震わせて。
男が鋭い犬歯を覗かせて笑えば、どこか誇らしげにも見えて。
「へぇ、竜……かぁ。人間の世界は楽しい?」
理由にまでは興味は及ばない。
自身の興味はあくまで、性に関わる部分。
たとえば、竜族と寝たことはないが、どんな抱き方をするのだろう、とか。
そんな下世話な部分ばかりだ。
男の唇へと伸ばした指、避けられもしなければ、脂を拭って自身の舌で舐めとって。
「間接キスがしたかっただぁけ」
なんて冗談めかして片目を閉じて笑みを浮かべて見せた。
■ルーフェン > 「俺とて木石ではないからなあ…主が魅力的なのは見れば判る」
豊かな胸に括れた腰、性的な魅力は十分すぎるほどの彼女であったがどうも腹が満たされたばかり
1つの欲求が程々に満たされると少々、気持ちが落ち着き客観的に物事を捉えることが出来るのかもしれない
「どこもかしこも、戦争、戦争…ようやると呆れ半分感心半分といったところか…」
彼女の質問に何ら隠すことなく正直な反応を述べる
自分の一族もかつては争いに明け暮れたが、今の人間たちほどではない
唇を拭った彼女の指先が口元へ運ばれるのを見れば、ばっちいぞ?と苦笑を浮かべ…
「…して、主は何者かの?俺もあまり他族に詳しいわけではないが主はちと、他の人間連中とは感じが違う」
上手いこと説明はできぬが、と付け足すと彼女にずい、と身を寄せて鼻をスンスン鳴らして匂いを確かめようとする
匂いで判ろうはずもないのだが、他に彼女の本質を知る術もなく仕方なく、ではあったが彼女からすれば
不躾な行為に違いはない
■魔王アスモデウス > 「それなら良かった」
性的な魅力があることを意識してもらえていれば、と安心して。
男と違い、自身は色欲。他の欲求で代替にすることはできないもの。
人間の世界についてを語る男に、一歩身を寄せようとして。
「本当、人間は飽きもせずに戦争してるねぇ」
あけすけな物言いに同意を返して。
それを楽しんでいる自分たちのことは棚上げだ。
ばっちい、なんて言われれば、そんなことない、ともう一度その指を舐めて見せ。
「……特別にぃ、教えてあげる」
自身の正体を気にして身を寄せて、鼻を鳴らす男に微笑み返し。
体臭は甘くスパイシーなお香にも似た香り。
それに混じって香るとすれば濃密な、魔王級の魔力。
近づいた距離、男の耳元へ睦言囁くように唇を近づけて。
雑踏に紛れそうな吐息のような声で、重大な秘密を打ち明けるように言った。
「色欲の魔王、アスモデウス。……でも、アエーシュマって呼んで欲しいなぁ」
■ルーフェン > ―――その胸であれば良い母になろう
と、口から出掛かったが咄嗟に言葉を飲み込んだ
自分としては褒めているつもりだが、果たしてその言葉が正しく相手を称える言葉になるのか怪しい所であった
「うむ…何れか後悔する事もあるだろう…俺には関係ないがな、まあそれも良い教訓となれば良いが」
あくまで観客。この世界の主役は今や彼らである
闘争の中で自分の一族の大半を自らの感情に沿って討ち滅ぼした竜の言葉は含蓄があった…かどうかは、定かではない
なんせ、その竜は今まさに、女に鼻先を寄せスンスンと鼻をならしているのだから
彼女から漂う香りは人の雑踏の匂いに自分の産まれた遥か北の大地では嗅ぐ事のなかった異国の香り…
それに紛れて悪酔いしそうな程の魔力の気配であった
「魔王…王か。王にしては伴も付けずに街歩きとは、自覚がないのか、度胸があるのか…」
耳元で囁かれれば蠱惑的な吐息が耳を擽るような、何とも言えぬ妙な気分であった
じい、と真紅の瞳を見つめ返しながら、物珍しげに目を瞬かせて
「アエーシュマ…陛下?敬称は必要か?…必要ないのであればそうだな…エーシュと呼んでも良いか?」
妙な知己を得たものだ、と笑いながら、あっ、と小さく声を漏らし
「俺は嵐の竜の一族、ルーフェンと名乗っている。串焼きのよしみ、好きに呼ぶがよい」
握手を求めるべきか、ハグをするべきか…或いは、尻尾を結ぶべきか…悩んだ挙句、一先ず手を差し出し握手を求めてみる
■魔王アスモデウス > 飲み込まれた褒め言葉は、きっと正しく賞賛の言葉とはならなかっただろう。
なにせ色欲。母性は極めて薄い、否。ないと言って過言でない。
「人間のことは、彼らの好きにやらせておけばいいんだよぉ」
人外、超越者然とした横柄な物言いで、投げやりにまとめてしまった。
含蓄ありげな竜の言葉ほどの親切さもなく。
寄せられた鼻先を嫌がるでもなく、むしろ嬉しそうに見て。
囁いた言葉への呟きには、思わせぶりな笑顔が向かうのみで。
それは余裕と見えただろう。度胸か、あるいは自信がある。そんな顔。
「エーシュ、素敵だねぇ。ぜひ、そう呼んで」
好奇に瞬く濃紺の瞳へと、嬉しそうに声音弾ませて答え。
彼からの名乗りに、面白そうな表情へと変えて。
「好きに? じゃあ、真似てルーフェ、でどう?」
逡巡の末に差し出された手を見れば、ダンスの誘いに応えるような仕草で握手を受けて。
「こういう時はぁ、女性の手の甲にキスのひとつもするものだよ」
なんて冗談も付け加える悪戯心。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にルーフェンさんが現れました。
■ルーフェン > 「でもなあ…なんというか、こう危なっかしいというか…」
思いはするが特に手を差し伸べる心算があるわけではない
大空を飛ぶ自分の一族も初めから上手く飛べるわけではないが、失敗をして学ぶのだから放っておけば良い
なんにせよ、傍観者の立場を捨て舞台に上がり、役割を演じる程に自分は役者ではない
物言いたげに観客席からぶつくさ言ってる辺りが似合っている、と思えば彼女の言葉に、主の言うとおりじゃな、と頷いた
「そうか、気に入ってもらえたのであれば良かった…ルーフェか…何やらむず痒いが、お互い様か…」
人としての名を使うようになってからこういった機会はこれまでになく妙な感覚であったが悪い気はしない
握手を受けて貰えれば、彼女の言葉に申し訳無さそうな表情を浮かべて
「すまぬ、こういった礼儀には疎くてな…何せ、ずっと寝てばかりいたもので…」
彼女の指先をそっと取れば、軽く持ち上げるようにし彼女の手の甲にそっと唇を触れさせる
「これでよいかエーシュ?………あ、いかん、串焼きを食ったばかりだった」
慌ててシャツの裾で彼女の手の甲を拭うと、すまんすまん、と繰り返し笑って誤魔化そうとする
■魔王アスモデウス > 人間が危なっかしいというのはよく分かる。
なにせ彼らの多くは、ひどく壊れやすいから。
とは言え、自身は時折舞台を引っ掻き回して眺めて楽しむのが性に合う。
自身の言葉に頷く男に、そうだよ、と頷き返した。
「うん、初めて聞く呼び方で、とぉっても気に入っちゃった」
言葉通り初めてされた呼び名を気に入って、弾む声音。
握手して、自身の投げた悪戯を本気に受けて自身の手の甲へ唇を触れさせてくれば。
慌ててそこを拭う姿に、ころころと無邪気な笑いを浮かべる。
「うん。ふふ、ルーフェは素直なんだねぇ。かわいい」
大の男の姿をした、長寿の竜種をして、可愛いと言い切る。
魔王の余裕か傲慢か。愉しげに笑って。
自身の手の甲を拭っていた手を掴もうとする。
■ルーフェン > 本気で気に入ってもらえたようであるのは彼女の声音を聞けば判る
竜種の感性もなかなかに捨てたものではないな、と心の中に謎の自信が芽生える
これであれば、今後もうまく人間に紛れて彼らを観察していけるだろう、等とイマイチ根拠に欠ける自信に
得意気に鼻を鳴らせば、不意に可愛い、という単語が耳に届き、む?と首を傾げる
「俺にはよくわからんのだが、素直なのは可愛いのか?エーシュの好みなのか?」
魔王独特の感性なのだろうか、と不思議そうに彼女を見つめていれば、伸びてきた彼女の手に自分の手が捕まって
どういう意図があっての事なのか、とより不思議そうにしつつ掴まれた手と彼女を交互に見やれば、
んー、と暫く唸りながら何事だろうか思案顔を浮かべる
■魔王アスモデウス > 首を傾げた男の言葉に、くす、とつい零れてしまう笑い。
「そうだよぉ。素直なのは可愛くてぇ、私の好みでもあるよ」
大多数がそうであるとは限らないが、自信満々に言い切って。
捕まえた手、指を絡めて自身の口元へと導き。
思案顔に向けるのは、艶事に誘う女の顔。
意図は誘惑。動作だけでなく。
ちゅ、と男の指に口付けて上目に見つめ。
「だからぁ、ルーフェと交わりたいんだけどなぁ」
だめ?と小首傾げるさまは可愛らしく、しかし紅眼は熱っぽく潤んでいる。
■ルーフェン > 「あけすけじゃな…故に魔王なのかもしれんが…」
正直、人間に変じた際に別段、顔をよくしたとかという心当たりはない…というより、人間の顔の良し悪しは
未だによく判ってはいない
その辺りは自分が好ましいと思えるか否か、であった
「…まあ、よかろう。じゃが、魔王と竜のまぐわいとなれば、それはもう―――戦争じゃ」
彼女が如何な魔王か知っていれば合点もいったかもしれない
だが、そのあたりを知らぬ竜には何故、彼女が自分を褥へと誘ったのか合点がいかぬことだらけである
だが、これも勉強である
この女の豊かな肢体に魅力を感じぬはずもなく、熱に濡れた瞳を見て、美しいと思えぬほど耄碌したわけでもない
そして何より、嵐の竜の一族は挑まれた戦から決して逃げぬのだ
「…ここに至っては力の限りを尽くす。エーシュもそうあれば幸い、力の限りを尽くし俺を受け止めよ」
するり、と伸びた腕が熱っぽく此方を見上げる魔王の頬に触れ鋭い視線で睨めつけた
「では、参るとするか戦場へ」
案内を頼むぞ?と彼女の括れた腰を抱けば飛ぶぞ?と彼女に伝え、空を駆けるが如く彼女をさらうが如く
跳躍しようと力を込めた
■魔王アスモデウス > 顔の美醜はそこまで重視していない。その時の自身の気分だ。
だが、男の顔はどちらかと言えば整っている方だろうと思えた。
あけすけ、などという言葉は自身にとってはちょっとした褒め言葉だ。
ありがとう、と微笑んで。
「戦争、かぁ……閨での、ならその通りだね」
自信が誘った理由が彼に判らなくとも、関係はなかった。
受け入れてくれたという、その事実が何より重要で。
「嬉しぃ……ルーフェの全力をくれるなら、全身で受け止めるよぉ」
とろりと、情欲に濡れた瞳で頷いて。
頬に触れる男の手へと擦り寄って、抱き寄せられるまま抱えられ。
「任せてぇ」
戦場へ、案内をと言われれば喜んで答え。
彼に身を任せて、男の跳躍で運ばれていく。
何処へか、邪魔の入らない場所へ――。
■ルーフェン > 「魔王と竜であれば、神話の如き闘争じゃな!」
にぃ、と独特の形状の犬歯を見せて微笑んでみせる
獣のような少年のような何とも言えぬ微笑み顔を向けながら、ぎゅ、と強く腰に回した腕に力を込めた
「ならば、今暫く、眼を閉じろ…というのは、魔王に対してはいらぬ心配だな」
失礼をした、と続ければ力いっぱい、地面を蹴る
加速に耐えかねた石畳が撓む、と一気に加速して闇に消えていく
雑踏の中にあって突如として消えた2人に気がつくものは少ないが串焼き屋の主人はぽっかりと口を開け、
消えていく2つの影を見送るのだった―――。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」から魔王アスモデウスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からルーフェンさんが去りました。