2015/11/27 のログ
リーシャ > 【せーぶしたよー!】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館街」からリーシャさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 娼館街」からエデルガルトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」に魔王ネスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にテアさんが現れました。
テア > 王都マグメール貧民地区。
貧民区寄りとは言え、一応は平民地区の薬草店の物置を居室として間借りしている臆病者の少女にとって、普段は決して近づかぬであろうスラム街。

そんな場所に立ち入ったのは、今がまだ日も高い真昼時である事と、貧民地区を横切る小道を使ったショートカットによって大幅な時間短縮が可能となるため。

ぐねぐねと入り組んだ通りの多い貧民区なれど、今回用いようとしているのは大通りと大通りをつなぐ細道。
背の高い集合住宅の作る薄暗い影の向こう側に、目的地たる大通りの明るい雑踏が見え隠れするそんな場所。
酔っぱらいの浮浪者と思しき老人が蹲っていたり、病気持ちの野良猫が道端のゴミをかき回していたりはするものの、幸いにしてテアに絡んできそうなゴロツキの気配はない。
怯える性根をぐっと抑えこみ、意を決した様に唇を引き結んで―――。

「――――――………っ!」

ダッと駆け出す。
無骨なクロースアーマー越しにもはっきりと分かるたわわな双乳を、片腕でむにゅりと抑え込んで激しい揺れを防ぎつつ、鈍臭そうな外見とは裏腹な、意外な躍動感を見せる駆け足にて細道を走る。

細道の中央の凹みに溜まる、淀んだ水溜りを踏み散らし、浮浪者の眼前を緊張気味に駆け抜け、フーッ!と毛を逆立てて威嚇してくる猫から大きく距離を取って―――。

魔王ネス > はぁ、不味い.......

(ズルッズルッと音を立てながら右手で引きずっているのは路地裏で殺めた男達の死体。魔王と言えど少女。流石にこんな大柄な男を二人も引きずっている。肩は凝り、右手は筋肉痛のような鈍痛。痛みに顔を歪めながら、路地を歩いていく。そんな幼き少女の姿に怯えるゴロツキや貧民者達)

はぁ、不味くて不味くて、貧血も収まらない...

(先日の戦闘のせいで貧血は収まらず、フラフラと身体はぐらつく。さすがに貧民地区の人間はやせ細り、貧しい生活のせいで殺しても骨しかない様なもの。それでも、少し大柄な人間を選んだのだが、血液に脂が混じり、酷い臭いに吐き気もする)

はぁ...、はぁ.......

(息を荒らげながら細道の壁へ手をつく。このまま死体を闇の中へと送り込むか、と死体を闇に近づける。しかし、魔力も血液も足りないのか移動魔法はうまく働かず、もう限界、というように路地へ倒れ込んでしまう)

テア > 出口まで後少し。
事なきを得るかに思えたショートカットが、しかし、脇道から倒れこんで来た人影によって阻害された。

「――――――………ッ!!?」

シュタンッと地を蹴り、倒れこんだ小柄な人影を飛び越しながら護身用の小剣を引き抜いて、着地と同時に振り返る。
黒狼のマントが大きく翻り、目深に被っていたファー付きのフードがパサリと落ちる。
手入れの行き届いていない灰金髪と、森の湖水を思わせる澄んだ翠瞳が路地裏の暗がりの中で露わとなった。

へっぴり腰がじりりっと後退り、獲物を抜いても戦う意志等欠片も持たない臆病者の本音をさらけ出す。
今にも逃げ出そうとしていた翠瞳が、倒れこんだ人影をちらりと見て――。

「―――……?」

怯えた所作をピタリと止める。
代わりに浮かんだ困惑に目を丸めながら、おずおずと人影に近付いて行けば――。

「―――――ネ、ネス……なの……?」

つい先日のゴブリン退治、修羅場の最中に出会って奇妙な一夜を共にした少女の名前を呟いた。
場違いなドレス姿は相変わらずなれど、薄汚れた石畳の上に倒れこむその姿には出会ったばかりの超然とした力強さが見当たらない。

「――――ど、どうしたの……っ、大丈夫……?」

抜いた剣を鞘に収めつつ駆け寄ると、細身の少女を抱き起こして問いかけた。