2015/11/21 のログ
■キーノ > 「そうだヨ。オイラだけ人間と同じ身体だけど、他の皆は南瓜なんだヨ。人間は怖がるけど、何にもしなければ襲ったりしないんだヨ。」
少ししょげた様子で女性に話していると背中を撫でられる。
その柔らかい感触に気持ちが暖かくなるような気がした。
「…グラフィーナさんは良い人だヨー。そうなの?オイラ、岩とはお話できないヨー」
自分が魔族と聞いても怖がったり嫌がったりしない女性を良い人だと認定する。
女性の言葉にそうなんだと話しては、女性から飯が食える所を聞かれて
「オイラ、この街でご飯食べたことないヨー」
抱き上げられても大人しいままだが、肝心の質問には知らないと答える。
■グラフィーナ > 「だったら、怖がる必要なんてねぇじゃねぇか。魔族つってもいろいろあるんだしよ。普通に酒のめるヤツだっているんだ。魔族ってだけで嫌ってもしゃあなくねぇ?」
しょげた様子に、励ますように。顔を近づけ、に、と笑って見せて。
「はははっ、だったら、キーノが私に草の話を教えて、私が岩の話をおしえてやれば、最強じゃねぇ?」
仲良くしようぜ、とけらけら笑いながら、返事を聞けば、そうか…と少し残念そうに
「メシは普通にくえんのか?だったら、少し離れるが、美味い店がある。一緒に食いに行くか?」
なんて、聞いてみよう。
■キーノ > 「うん…そうなんだけど。やっぱり、皆魔族って聞くと嫌そうな顔するんだヨ。でも、グラフィーナさんはそうじゃないか良い人だヨ」
笑顔を見せる女性のように柔軟に考えられる人も居れば、そうでない人も居て。
しかも、それが大多数を占めていると答える。だが、その少数派に出会えたことは嬉しいことだと笑った。
「おー!それなら凄いヨ、最強だヨ!仲良くするヨー!」
女性の言葉に仲良くすると答える。
少し残念そうな顔になる女性を見ると、少ししょんぼりとするけれど
「食べられるヨ。うん、一緒に行くヨー」
女性の言葉に即了承の言葉を返した。
■グラフィーナ > 「好きでそう生まれたやつばっかりじゃねぇだろうになぁ」
ま、気にすんな、と背中を叩く手はやさしく、よろしくな、と頬をくっつけて笑って。
「よし、んじゃあ、いくか。」
あ、呼び方はグラフィーナでいいぜ?なんて笑って言いながら、二人、この場を後にしたのだった。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からグラフィーナさんが去りました。
■キーノ > 「いこいこー!」
そのまま女性と共に、この場を後にするのだった
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からキーノさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にサラさんが現れました。
■サラ > …ふらりふらりと辿り着いた先。いつの間にか景色は先程までいた綺麗なものから、欠けたところの多い寂しい色へと移り変わっていた。
道も整備されておらず、ここまで何度も小さな石を踏みつけてしまった。
ここまで来る道中、腹の虫を慰めるため石よりもマシだと柵からはみだしていた木々の葉っぱを毟り取って胃へと突っ込んだため幾分か空腹は抑えられている。
娘は空を見上げた。先程まで見ていた景色よりも広く見えるというのに、どうしてだろうどこか薄暗い汚れた青をしている。
空気が、匂いが、そして気配が――なにかとても、違う気がする。
「…さっきまでいた場所と、変わりはありません……よね?」
景色は違うが。確かに、確かにここは先ほどいた場所の続きだ。
綺麗な服を纏った人間がいない。美味しそうな匂いが、しない。丁寧に装飾された大きな建物もあまりない。
身震いした。細い腕で、自分を抱きしめた。
決して寒いわけではない。どこか――どこか異様で。雰囲気が、怖い。
■サラ > 「何ですの!?本当に、ここは――」
言葉を続けようと開けた唇は、二の句を紡ぐことなく閉じた。
何を言っても、何かと比べても何も変わらないことは分かっていた。
ただ一人で、いきなり知らない場所に連れてこられたことに不安で仕方なくて、話す相手がいるわけでもないのに
独り言を呟き続ける。
娘の気持ちを妙実に表すよう、だらりと尾が垂れた。
脚に疲れを感じて建物の間と間、再び影へと入り込んで座り込んだ。
普段から足を使っているから、こんな少し歩いただけで疲れるはずもないのに。
どうしよう。これからどうすればいいのだろう。
頼る人もいない。話す相手さえいない。森の中なら、動物(ともだち)なんてたくさんいたのに。
「誰か…いませんの…?」
抱えた膝をぎゅっと抱き寄せる。
■サラ > そんなこと呟いたところで白馬の王子様よろしく奇跡などおきない。
…びゅう、と一際強い風が吹いた。狭い路地を真っ直ぐ、突き抜けていく。
その流れに抗うことなくはためくボロ布を今一度しっかりと押さえた。砂埃が巻き上がって、思わず咳き込んだ。
「さむい…」
身体を震わす娘。お腹だって、あんなものだけじゃすぐまた空腹になってしまう。
帰るとか、ここがどこか調べるとか、そんなことやる前に生命の危機が迫っている気がする。
せめて、せめて今日中には屋根のある元へ…この風を凌げる場所を探さなくてはならない。
だがしかし娘に人間に向かって「泊めてもらえませんか」なんて言える勇気はない。ただでさえこの見た目、その上先程奴隷商から逃げ出した身だ。
最悪また捕まって今度こそ森へ帰るなんて夢空事になるやもしれない。
膝を更に抱き寄せた。どうするのが最善か分からない。一人ぐるぐると悩むだけで行動を起こせない。
なぜかそういう自分に少しばかり腹が立って、近くにあった小石を拾い適当な方角へ投げた。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」にルーフェンさんが現れました。
■ルーフェン > 闇の向こうから飛んできた小さな石がこつん、と額に当たる
眠りを妨げられ、目を覚ませば寄りかかっていた木箱や屑篭が崩れ頭の上に落ちてくれば下敷きとなった
「…おのれ、眠りを妨げるとは」
ぶつくさ、と言いながら木箱や屑篭をどかし、起き上がれば周辺に目を凝らす
よくは見えないのだが、闇の向こうの気配に近づいていけば膝を抱えた姿を見つける
ボロを纏い、傷のある姿にどこぞから逃げてきた奴隷か、孤児の類だろうと思っていたが、尾と羽根がはっきりと
見えればこれまでに見たことのない生物のように思え、ごくり、と喉を鳴らし
「…おまえはなんだ?人か?」
驚きにさしものドラゴンも後退った
■サラ > 「はっ…ふぇっ……!!?」
突如鳴り響いた物が崩れ落ちる音と、低音に驚愕の余り娘は間抜けな声を漏らした。
まさか誰かに当たるとは思わなかった。ばっと立ち上がる。
謝るべきなのか、謝るべきなのだろうそうであろう。
しかし声が出せない。喉より吐出すのは、ただひたすら、「は?」「えと、」と歯切れの悪い音のみ。
「え、と…わたくしは…」
なんとかそれだけ絞り出して、一度落ち着くために頭を振った。
「わ、わたくしはサラ、サラ・ナターリエと申しますわ!誇り高き妖精族ですにょ…」
堂々と名乗ろうとしたものの、最後の最後で緊張のあまり舌を噛んだ。娘は再びしゃがみ込み、口を押えて震えはじめた。
■ルーフェン > 「はっきりせんヤツだな…腹でも空いてるのか?」
歯切れ悪く繰り返す彼女に何なんだよ、と眠りを妨げられた事やら驚きやらが重なって語気が強くなる
ようやく、彼女が自分の名を名乗り、種族を明かせばマジマジと彼女へ好奇心の視線を向けて
「にょ?…まあ、それはいい。…妖精…聞いたことはあるが初めて見る…人に近いが面妖な…」
しゃがみ込み、口を押さえて震え始めた彼女を気にする事なく…彼女の周囲を周り、マジマジと尻尾や羽根、
特徴のある耳に視線が注がれる…
「お、スマン…俺はルーフェン。竜の一族…どうした?お腹空いてるのか?」
フルフルしている彼女にポーチから燻製肉の欠片を取り出せばほれほれ、と近づけてみる
■サラ > 周囲を回られることに気を回る余裕さえなく、ひたすら舌に走った痛みに耐えていた。
しかしふわりと漂った香ばしい匂いに、はっと顔を上げる。
「ルーフェン…竜…」
名と竜の一族だという興味深い情報は右から左へ。それよりも真っ直ぐ見つめるのは近づけられた燻製肉の欠片。
それに呼応するよう愉快な腹が鳴った。無意識にぱたぱたと尾を振る。
「そ、それ…!」
肉を凝視していた碧眼は目の前の濃紺の瞳に。半場必死な目線。
視線だけで訴えていた。
■ルーフェン > 「俺の名前なんて、どうでも良いんだが…」
彼女が名乗ったから名乗りを返したのは礼儀みたいなものでそちらよりも、燻製肉の欠片に向けられる視線と
小気味良く鳴る腹の音、パタパタと揺らされる尾にカラカラと楽しげに笑う
「食ってよいぞ、どうも俺には香辛料が強くていかん…」
最後まで食いきれなかった、と彼女に差し出す
ベルトに括ったポーチから少々硬くなった黒パンもそのまま彼女に押し付けるように渡す
「これも食ってよいぞ、どうも、口に合わんかった」
最後に革製の水筒をほれ、と脇に置けば動く彼女の尻尾へ視線を向けて、内心自分のほうが立派だな、とか思い眺め
■サラ > 「! いただきますわ!!」
許可を得れば満面の笑みで燻製肉の欠片を受け取りそのまま口に含んだ。
押し付けるよう渡された黒パンも遠慮なんてそぶりは見せず、受け取ればそのまま口に。
少々硬くなっていても気にはしない。何週間も食物を口にしていた無かったと思えるレベルのがっつきよう。
そして喉に押し込みすぎて案の定むせ、胸元を叩きながら傍にあった水筒から液体を押し込む。
やっと流れた食物に一息。満足げに纏ったぼろ布の下にある小さな羽根がぱたぱたと動いた。
「…ふぅ…本当空腹で死ぬかと…助かりましたわ…えーと、ルーフェン…」
にこやかに笑みを向けて、そこまで言った途中で固まった。
あれ?名前と、確かもう一つ何か言っていた気がする。なんだっけ。
「……竜?」
ぽとりと手から水筒が滑り落ちた。全て飲み切ってしまっていたようで、液体が零れることはなかった。
「竜!!?ホントに!?本当ですの!!?」
ばっと身を乗り出した。ルーフェンをまじまじと見つめるよう、肉薄する距離まで。
■ルーフェン > 気持ちいい程の食べっぷりである
彼女に差し出した食料は決して特別なものではなく、自分で買って口に合わずに残したもので決してご馳走ではない
勢い良く食べ進める彼女の耳やら尻尾やら羽根やらを十分に眺めさせてもらったと思えば、少し離れた所に腰掛け、
壁に寄り掛かるようにして彼女の食べっぷりを見る
旨いか?―――なんて聞いてみたくもあったが夢中っぽいので放っておく
「…いや、俺が持っててもダメになったろうからな。食ってくれたほうが作ったもんも嬉しかろう…」
水筒は返してくれ、と控えめに伝えつつ、彼女を眺めるのにも飽きたか、ふわふわ、と欠伸を零す
本当に「竜」なのか、と身を乗り出し此方に尋ねる彼女に、今更なんなんだろう…とでも言いたげに頷き
「嘘ついても仕方ないだろ…証拠見せろ、と言われても困るが…」
肉薄する彼女に、すん、と鼻を鳴らせば眉根を寄せ
「………心地が付いたら水浴びでもするがよかろ」
とか、少女に向けて酷い台詞を言い放つ
■サラ > 耳にしたことがある。竜というのは力強く誇り高き一族だと。
妖精族とはまた違う、力の持った叡智の一族だと。
感嘆の声を漏らしつつ物珍しさに触れてみたくなったのだろう、突いてみるべく恐る恐る人差し指を近づけようとした時だった。
「……へ?」
言い放たれた言葉に間抜けな声を返した。
一瞬何を言われたのか分からなかった。
「み…ず、浴び?」
顔を俯かせて、自身を見る。水浴びしなければいけない程、どこか汚れているだろうか。
纏っていたボロ布を捲って―――その下に纏う、いや纏っていないと表現してもよいほど肌の透ける、薄い深紅のベビードールを露わにしたところですぐさま隠した。
間抜け面晒していた娘の貌は、一気に耳まで真っ赤に。すっかり忘れていた格好。
「……~っ、」
二の句がつなげられない。距離はそのまま。恥ずかしさに目線を合わせれずにいた。
■ルーフェン > 何が彼女の好奇心を刺激したのかはわからない
恐る恐る、といった様子で近づけられる指先に、触った所でどうということもないんだがなあ…と内心思う
「…だから、水浴び。大方、逃げまわってたんだろ?埃まみれじゃ気持ち悪かろう?」
真っ赤になる彼女に、はて?と首を傾げる
ボロ布に不似合いなベビードール…妙な格好とは思えど、娼婦街で似たような格好などは見かけるし、
どこぞから、それこそ娼館のような所から逃げてきたのであればその格好も納得が行かぬではない
「…サラ、だったか?なにを赤くなってる…」
じ、と此方を見る彼女の碧眼が美しい
見惚れつつも、ううむ、と唸り、とうとう思い浮かんだ
「―――別に食い物の代価に身をひさげというてるんじゃないぞ?」
■サラ > 「だ、だだ、だってこんな格好誰かに見られるなんて…!」
自身の誤解と言われた意味とで、後半は口ごもってごにょごにょと不鮮明になる。羞恥を隠すためか、誤魔化すためか、尾をパタパタと振る。
もとはといえば売られる目的で無理やり着せられたもの。望んで着たものではない。
そう、決して自分の意志で着ているのではないのだ。決して。
「……ホント、ですの?」
反らしていた目は、上目遣いにルーフェンの瞳を覗き込んだ。
■ルーフェン > 「…別に俺はどうも思わんが…」
そもそも逃げてくる間に不特定多数の視線に晒されたのではなかろうとも思う…
彼女も他の人間のご多分に漏れず、恥ずかしがったり何だりと忙しそうだと思った
尻尾がパタパタしているのを見れば、とりあえず彼女が落ち着かない気分なのはわかる
「…雌が欲しけりゃ力づくで奪えばいいし…」
此方を覗きこまれればホントじゃ、と頷く
―――ただ、彼女の碧色の瞳にだけは興味があるようで、じぃ、と見つめ返す
■サラ > 返された言葉に胸をなでおろした。
この人……竜は自分を捕まえたような敵ではない。食べるものもくれた、信頼できる人…もとい竜だと。
ここに来てルーフェンと出会うまでこういった安堵できる相手がいなかったために、心から息を吐く。ふにゃりと全身の力を抜いた。
緊張しっぱなしだったからか、少しばかり体が怠い。
じっと濃紺の瞳を見つめた。真っ直ぐ、ただ真っ直ぐこちらを見ているようだった。
「……なにか、わたくしについてますの?」
ぺたぺたと自身の口まわりや頬を撫でる。
先程一気に食物を口にしたのだ、何かついていてもおかしくはないと。纏っていたボロ布で拭った。
■ルーフェン > 緊張していた彼女の身体がゆるりとわずかに弛緩する
食べ物をあげたのも、自分の口には今ひとつ合わなかったからで、彼女にその代価を求めないのも
気紛れというか、自分に不要な物を必要とする彼女が偶然、通りかかったから体よく処分したに過ぎない
「…サラ、餌付けされた位で気を抜かないほうが…」
危うく見える彼女にそんな忠告を告げようとするもそれより先に告げられた彼女の言葉に遮られてしまい…
「…いや、別に…瞳の碧色が綺麗だと思っただけだ…抉ってもよいか?」
俺の宝物に加えてやろう、と続けるが冗談である
妖精種に通じるかはわからぬドラゴンジョーク
■サラ > 口を拭う手が止まった。それはもうピタリと止まった。まさに彼女だけ時が止まったかのように止まった。
そしてがちがちの、錆びついた機械のようなぎこちなさで目を向ける。
「……」
暫し、沈黙。そのまま徐々に後退り。
その様子から分かる通り残念ながらドラゴンジョークは娘に通用していないようだった。
ぴたりと壁に背が付いたところで、やっと口を開いた。
「な、なななな、い、嫌に決まってますわ!!!あ、あああああげませんわよ!?絶対!!」
そんなことを言いつつ、抉られぬよう両手で目を覆い隠した。
■ルーフェン > さらり、と自然な流れで発した言葉であった
彼女の返答を待つ間も、じぃ、と彼女の碧眼を見つめる
―――抉っても良いか?というのは、無論冗談であるが、色みを気に入ったのは冗談でも何でもなく本気である
「…冗談だ。抉って色が濁ったらツマランしな…自分の物に出来ぬから余計に美しく見えるのかも知れん」
慌てる彼女を見てはカラカラと笑って
一頻り笑えばふわふわ、と欠伸を零して身体を横たえる
「俺、寝るから…この辺で寝るんなら、朝までは安心して眠れるようにしてやる」
―――後は好きにするが良かろ
と告げれば、す、と気配が消えて静かな寝息を立て始める
■サラ > 冗談だ、とカラカラ笑う声が聞こえたなら、指の隙間からちらりとルーフェンを見遣る。
本当に冗談なのか、冗談というのも冗談なのか、半信半疑。
「こんなところで寝ますの…?」
家屋でもないこの場所で、とあたりを見て再びルーフェンの方へ視線を向けた時にはもう彼の気配はなかった。
…この辺で寝るなら、朝までは安心して眠れる。
「……それも冗談だったら怒りますわよ…」
辺りを見回して丁度良さげな場所を見つければ、彼女も簡易に寝床を作り床につくことにするだろう。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からサラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区/路地裏」からルーフェンさんが去りました。