2015/10/15 のログ
マルテ > 「……!それは……。」

気付かれたかと思えば、慌てて口を噤む。
――その間にも下着を擦りあげ、愛撫を続ける異形の手。
多少感度の良い皮膚ではあるにしろ、すぐに濡れ溢れる事はない。
何より今は恐怖の方が勝っている、とてもそういう状況ではなかった。

「そんな、なんで…!…ひゃっ?!」

確かに何をしようとしているかなど、考えずともわかる。
この男は己を犯そうとしているのだと、わかる。
だが何故なのかはわからない、これほど傷を見せている奴隷相手にそのような情欲を持つものなのか。
そもそも魔族が人間に対してそれ程の欲を持つのか、わからなかった。
下着を引き裂かれ下腹部に寒気を感じれば、身を強く竦ませる事となったが――、
「……ぁ…!」

手錠と首輪の拘束を、力任せで破壊された。
その破壊力故にもし自らにそれが向けられたらと思えば自分の末路は明白だ。
だが、それだから故に、恐れたが故に、両手が、首が自由になれば咄嗟に両手で床を押し、体を起こして逃げ出そうとする。
もっともそのまま立ち上がればどうやっても壁際にぶつかり、外に脱出するには男を迂回しなければならない為、そこまでの隙が与えられる可能性までは、一切考慮していなかった。

フィン > 恐怖心が勝つか
当然の反応か。
(愛撫を続けるが少女の反応から恐怖が勝っているのははっきりと見て取れ刺激する動きを緩め)

人の快楽も悪くはない。そういう事だ。
お前は中々に興味を持てる。こんな場所に居、私にこうされてまだ抵抗をするのだからな。
(ほかの牢屋の奴隷と同じなら犯そうとも考えなかった。そう告げ
むしろ今の姿を見るからこそ欲情をかき立てられたと)

……お前は面白く思う。本当にな。
(邪魔だったとはいえ拘束を破壊してしまえば咄嗟に体を起こし逃げようと動く姿
恐れ故とはいえまだそこまで行動を起こせる少女の行動力に感心し自身を迂回して牢を出た少女を本当に面白いものを見る目で見る)

犯し捨てるかと思ったが気が変わった。
女、お前を買うとしよう。私に買われるのが嫌なら気が変わらぬうちに逃げるといい。
(捕まえて犯そうと思えば直ぐにでもできるがそうとはせず。
逆に荷物から外套を取り出し少女へと投げ渡して、どうすると目で問う)

マルテ > 「ひ……ぅ………!」

此方の感情に影響されたのか、否か。
異形の手の動きが緩くなって行くのを感じる。
それによってすぐに何か状況が変わるわけではないにしろ、刺激によって身を煽られるような状況は避けられるだろうか。
この時点でマルテが感じている恐怖は二種類あった。
一つは犯される事への恐怖、もう一つは、異形による凌辱の恐怖であった。

(この人……この魔族は、他にもこういう事をしている…?)

怯えた感情が表情へと浮かぶ最中、思考を巡るのは彼が何を考えているのか、である。
人間にはきっと他にも、沢山手を出しているのだろう、自分と同じように。
そしてそれは肉を喰らうのが目的ではなく、こういった行為をする事が目的なのだと察する。
ようは、人とあまり変わらない事をしようとしていると、マルテは認識した。

「はぁ、はぁ……!……っ?」

咄嗟に飛び出したが、追って来ない事に漸く違和感を感じる。
武器を所持しているならば兎も角、この状況でならその場で取り押さえる事も出来た筈なのに。
『面白い』と言う言葉の意味が分かりかねて、恐る恐る後方へ振り返ると、顔に大きな布が当たり、それを慌てて受け止めた。

「……私に、そ、そういう奴隷の価値は、無いって、言われてます。すみませんけど……か、買うものではないと思う。」

受け取った外套を胸に抱きしめながら、声を振るわせつつもそう答える。
恐らく彼は自分が無価値の奴隷である事を知らないのだろう、だから言葉にはそう答える。

「逃がしてくれるなら……逃げさせて、もらいます。その、ありがとう、ございました……。」

そう告げると距離を離した状態で一つ、御辞儀をすると外套を頭から被りながら、その場から走り去ろう。

ご案内:「貧民地区:奴隷牢屋」からマルテさんが去りました。
フィン > 価値は買うと決めたものが決める。
私には十分に価値はあると見たが?
(まさか無価値な奴隷などとは知りもせずに少女の言葉を聞き)

気まぐれだ。次に会った時は覚悟しておくといい。
(走り去った姿を見送れば暗闇に紛れるようにその場を去る)

ご案内:「貧民地区:奴隷牢屋」からフィンさんが去りました。