2015/10/12 のログ
ご案内:「貧民地区・裏路地」にエルレストベーネさんが現れました。
■エルレストベーネ > ……さて
(明らかに人目を引く少女
その姿は不自然なまでに美しく整っており、その所作の一つ一つが乱れない
目立ちすぎるのも考えものではあるが
少なくとも人形である以上、見目が良いほうがいいに決まっている
そう言うところで気にはしないし、むしろ出来栄えを評価する基準となるのだから
それは良いものである
ただ、少女は、情というものがわからない
正確には、理論として知ってはいるが、理解が出来ない
どういう時に悲しんだり怒ったりするのかをわからないわけではないが
何故どうやったら感じるのかを知らないし理解できない故にそれを探している
そのためであれば大抵のことは厭わない
だから今こうして、貧民街にいる
なにか手がかりがないか探しに来たからだ
幸い、此処には、素性を問わず人も物も集まっている)
■エルレストベーネ > (とりあえず、この辺で人に物を聞くには、要求を押し付け、こっちから言い出すほうが速い
故に、答えを持っていそうな相手に問いを訊ねてみる)
ねえ……貴方は、私の望む答えを持っているのかしら?
(通りで、腕の立ちそうなものに声をかける
もっとも、魔族とはいえ極上の女にそう言われれば、誘われてると思う者も多い
頷いたところで満足な答えが得られないのであれば、最悪縊り殺すこともある
もしかしたらそれはそれで、この極上の女と閨を共にすることが出来るならと褒美のように思うものもいるかもしれないが
決闘で答えを奪い取ることも多い
残念ながら、まだ満足の行く答えを示してくれるものはいないが、それでも、腕の立つものを相手にする方が可能性は高い
となれば、そのへんの凡夫ではない、そういった相手に声をかける方が速い)
……そう、なら試させてもらってもいいかしら?
(声をかけたのは、それなりに腕の立ちそうな戦士
相手が受けるのであれば、そのまま剣を抜き合う
別に剣でなくても試せるのであれば、それでも構わない
弁が立つのであれ、体で示すのであれ、何かしら示せるのであればそれでもいい
ただし、それが真摯で真実であれば、だ
意図せぬ嘘はともかく、そうでなければ許す理由もない
そう言う意味で、剣で試すのは一つの方法であった)
■エルレストベーネ > (水晶の剣を抜く、その出で立ちに違わず、その意匠も美しい透明の剣だ
戦士の力強い攻撃を、その剣で綺麗に流し、いなす
銀糸の髪をなびかせつつ綺麗に立ちまわる姿はさながら舞のようである
戦士が劣っている、というわけではなかったが、人形は美しく舞うための芸術品である
周囲をまるで楽しませるかのように踊る少女はさながら舞姫のようで
魔族の騎士はコレほどのものかと思わせるような舞で圧倒する
正確には、舞で相手をエスコートしているようにも思える
不思議なことに、そうなってくると多くの人間は激昂することが多い
中にはむしろそれを楽しむものも少なくなかったが、この男の場合はそうではなかったらしい
であれば、足元を掬いあげ、綺麗に一回転させた挙句、首元にその剣を突きつける
まだやりますか、と問うと、降参する
ならばそれはそれでいい
この男は答えを渡すより約束をやぶる方を優先した、ということだ
体目当てだった、とその旨だけを確認する
別に、自身はそう言う人形だ、そう思われること自体は問題ではないが
約束を破るとなると別だ
だが、既に恥は十分にかかせたので赦し、放逐する
この後、挑むもの、もしくは関わりを持ってくるものはいるだろうか
十分に目立ったし、誘いがあるかもしれない、または問うに足る人物がいるかもしれない
それを、待った)
ご案内:「貧民地区・裏路地」に魔王アスタルテさんが現れました。
■エルレストベーネ > (目立つ故だろうか、もしくは与しにくさからだろうか
これだけの見目を維持するには相応の戦闘能力が必要だろうに
でなければ当然、どこぞの誰かに売り飛ばされ愛玩人形として囲われたままだと思う
おそらくは関わりたいが、恥をかかされるのは御免だ、というものが多いのだろう
もっとも、こちらもそうなるようにしているのだからその通りなのだが
まあ、問に答えてくれるのであれば、別に誰であろうと気にしない
問題は、相手にその気があるかどうかだ
その気がないなら嬲って吐かせてもいいし、その気があるなら逆に相応に身を挺する分にも構わない)
■魔王アスタルテ > (わぁ~、ものすっごく美しい女の子がいるよ!
魔王がエルレストベーネを見て真っ先に思ったのがそれである。
どれぐらい美しいかっていうと、もう綺麗な宝石も霞んでしまうぐらいだよ!
まあ元々、宝石なんかよりも、可愛らしい女の子の方が美しいんだけどね!
魔王アスタルテは、人に化けた直属の配下たる四天王や、他に人に化けた数十人の魔族を引き連れていた。
そして少し遠くから、先程の舞姫の戦闘を眺めていた。
これまた、優美な戦い方だった。
ついつい、目が離せなくなってしまう程のまるで剣舞のような剣術。
剣士というよりも、もはやイメージするのは踊り娘である)
(アスタルテは、そのエルレストベーネに接近し、話かける)
「君の戦い、とっても美しかったよ。
なんていうのかな、舞姫のようだったね。
こんなに美麗な戦闘を見られるのはいついらいかな。
君、名前はなんていうの?」
(にっこりと気さくに話しかける魔王。
遅れてくるようにして、他の魔族もアスタルテの背後に集まる)
■エルレストベーネ > (魔族の気配
……だが、答えを与えてくれるのなら誰でもいい
もしかすれば人間よりも魔族のほうがそういったことに関して詳しい可能性もある
なんにしても、その姿を褒められれば、その人形は丁寧に礼を持って答えた)
お褒めに預かり恐悦です
……エルレストベーネ
魔族の騎士にございます
(相手が魔王、それも、己の主人を支配しているものだということは知らない
もっとも、己の主人が魔王の配下になった、ということ自体は知っているが
その相手が目の前の少女だということはわからない
故に特に敬うでもなくへりくだるでもなく答えた
……その姿もまた美しい)
■魔王アスタルテ > 「エルレストベーネちゃんだね。
なら、愛称はエルちゃんだよー」
(勝手に愛称を決める気ままな魔王。
ちなみに、ロザリアが魔導機械の所有物になった事は耳にしているが、それが目の前の舞姫だという事はまだ気付かない。
そりゃあ、最近の出来事だからね)
「あたしはアスタルテだよー。
こんな所でこんなに可愛らしい魔族に会えるのはとっても嬉しいね」
(無邪気に微笑み、堂々とその魔王の名を口にする。
ちなみに魔王であるだけに、アスタルテは魔導機械に関してはそこら辺の博士よりもよっぽど詳しい。
エルちゃんは、すっごく精巧な魔導人形だね!
まず何よりも、優美だよ。
戦わない時の彼女もまた、麗しい……)
「それにしても、とっても美しい剣技だったけど、どうしてあんな男なんかと戦ってたの?」
(きょとんと小首を傾げる。
まあ、魔族が人間を襲うなんて事はよくある事だし、なんの問題もないんだけどね)
■エルレストベーネ > アスタルテ……はい、私も同族に会えるのは嬉しく思っております
(名前を耳にすれば、それは主人の屈した魔王と同じ名前である
実際、彼女を囲うように部下と思しきものが配置されているところを見ると可能性としてはありうるかもしれない
が、実際にそうでもそうでなくとも、現状は単なる一個人である
そういった事情はそうだとしてもあまり関係のないところでもある
故にその思索を一度横においておいた)
……答えを探しております
私にはないものですから理解したいだけなのですが、なかなか見つからず
それ故に人を探して問うて回っています
先ほどのことはその一環で、人集めとその、この見目ですから体目当てだけでないかどうかの確認を
(ただ、彼女はもともと高位魔族用の魔導人形であり、周囲の者はともかく目の前のものがその気配があると知れると
理由の如何なく丁寧になる
愛称を決められようと、フランクに話しかけられようと、そこは許しがあるまで丁寧な姿勢は崩さない
自身がすでに芸術的な調度品である、という事実を知られていることにはまだ気づいていないが
知られたところで、高位の魔族相手ではあまり問題はなかった)
■魔王アスタルテ > (答えを探している、という言葉に『なるほどねー』と相槌を打つ。
まあ意思を持って魔導人形だもんね、色々事情はあるよね。
例えば、よくありがちなのは『どうして生まれてきた? どうして造られた?』。
魔導機械っていうのは大抵、製作者の都合の良いように造られてるんだけどね。
感情があまりないタイプもいるね。
その点、四天王の一角、エルと同じく意思ある魔導機械メカルトは感情も人格も十分に備わった超高性能といえるね。
メカルトの方に少し目にすると、彼もまたエルに何か思う事があるようだ)
「答えかぁ」
(だが『答えを探しております』という言葉だけでは想像する事しかできない。
エルが丁寧になっている理由は、魔族用の魔導人形であるからと見て間違いないだろう)
「こんな人間達に問うても、答えがかえってくるはずがないねー。
それで、具体的には何の答えを求めているの?
君が生まれた理由?
それとも、感情?
あるいは、その『答え』そのものかな?」
(配下の一人にタルを持ってこさせ、魔王はそれに足を組んで座る。
エルの質問に対して、結構真面目に対応していた。
彼女と話合っていくうえで、その答えをみつけるのもいいと思うし、まあ見つからない可能性の方が高いかもしれない)
■エルレストベーネ > (部下たちの様子にはあまり気にしない
そもそも相手はあまり危険だと思っていないようだ、気づかれているのだろうか?
もしくはそうでなくとも、理由なく切りかかってくるようなことはないと思われているのだろう)
はい……感情や熱情、情念など、そういったものを探しています
まったくわからないわけではないではないですが、その感じ方がわからないので、理解したいのです
ただ、そういうものをあからさまにあまり言うのも何ですし、この見目ですから
それを直接言うと理由も答えなく体目当てになる場合が多いので、こうして先程のような「選別」を行ってます
別に剣でなくともよいのですが、話せるものはだいたい何か持っていますから、勝敗よりもそちらを見ています
(感情を探している、と言いつつも、少女は自然であり、また感情を有しているようにも思える
また、自身で選別する、勝敗にかかわらず人そのものを見るとなれば、判断力も相応に有しているということになる
むしろ意図的に感情を削られているデザインの可能性が高いし、もしかすると答えを探している、というのもデザインかもしれない
そこまでは分からないが、そうした、歪な物を探す様子もまた魔族を楽しませるには良い趣向の品といえるだろう)
■魔王アスタルテ > (斬りかかってきたところで、まず数の上では部下達が有利である。
そして部下もまた、実力者揃い。中でも、四天王は文字通り桁違い。
何より、偉大なる魔王や四天王が味方にいる部下達にとって、恐れるものなど何もなかった)
「体目当てになっても仕方がないよねー。
だって、エルちゃんはこんなにもかわいいもん!
あたしもついつい手を出しちゃいそうだよ!」
(そう無邪気に、だが息を僅かに荒げて言う。
もぉ~エルを襲いかかろうとしちゃう雄の気持ちも分かるよー。
まあだけど、今回はそういう話じゃないねー。
そう思って、再び真面目な態度に戻る。
魔王は魔族や魔物達を従え、導く者だ。
つまり、迷える子羊……もとい、魔族に造られし迷える魔導人形に導こうとするのも当然の行為だといえる)
(魔導人形でも、あんまり感情を搭載されなかったタイプかぁー。
まあでも、全く感情のない機械っていうのは、本当に文字通り機械的だからそれとはまた違うね。
選別できるだけの判断力とかはあるって事だよ。
全くの無感情というわけでもないから、なにかしら感じやすい感情もあると思う。
それは喜びであったり、悲しみであったり、怒りであったり。
まずはそこを探るところからかな)
「感じ方というのも、結構人それぞれで変わってくるものなんだよねー。
例えばエルちゃん、人を殺した事とかあるかな?
その時に何と思うかな。
『ど、どうしよ……』と不安や焦りを覚える者や、『ご、ごめね』と後悔や懺悔する気持ちになる者、はたまた『あはは、殺しちゃった!』と快楽に浸る者。
結構、様々あるわけだね。
エルちゃんは人を殺した時、どういった思いが膨らんでくる?
あるいは、その膨らむ思いは、殺した相手によって一定しているかな?」
(感情を表しやすい状況は様々だが、死はそれを強くする事の一つだ。
例としてはいいかもしれないが、はたしてエルはどう思うだろうか。
魔導人形ならもしかすれば、殺害したところで沸き上がる感情を抑えている、というケースもあるからねー)
■エルレストベーネ > 殺し……ですか?
あまり、感慨はありませんね
必要なら、殺す、そうでないならそうしない、ですから
ただ、嬉しい、という感情はあります
上手く舞えている時、刃の重ねが綺麗なとき、肉を裂いて骨を斬るとき、相手の刃を身に受けるとき
すべて「嬉しい」です
もっとも、どれも同じではありませんが、時には昂ぶるときはあります
(微笑、やや恥じらいもあるか、複雑な表情の笑みだ
人形には嬉しい感情しか無い
傷つけても殺しても壊されても敵わなくても嬲られても嬲っても嬉しいのだ
故に、あまりに戦闘の熱が上がってくると、むしろ傷つきたくなる癖を抱えている
とくに人ならぬ速度と剣撃を連続で流し合わせ、綺麗な音を奏でた時など、たまらなく興奮する
美しい肢体に流れるような動き、忠実さ、献身さをもつ騎士でありながら、歪んだ喜びにその身を焦がす人形
それが彼女である
魔王ならばそういうデザインだということい思いあたるだろうか)
ところで……こうしてお話をいただけるのは大変ありがたいのですが、ここは長話にあまりにも質素
せめて、どこかの店なりなんなり使うべきと思いますがどうでしょう?
(要は気を使って、どこか密室なりなんなりで、という提案だ
相手は相応に格の高いものと判断している
ならばこのままこの場で話させるのも悪いというものだ
それに、自身の素性も相手の素性もあまり外で吹聴するものでもない)
■魔王アスタルテ > (なるほど、そういう事だねー。
エルの話を聞いて、色々と納得。
そっかぁ、“嬉しい”という感情が強いんだぁ。
魔王は、にっこりと笑った。
まあひとまず、エルの提案する通り移動しちゃおう。
せっかく、気を使ってくれているわけだからね。
話の続きは、それからでもいいね)
「そうだねー、ゆったり出来る場所に移動しちゃおう。
貴族のお屋敷なんかでいいかな?」
(アスタルテ率いる魔王軍には、王都の王族や貴族などに成り済ました魔族なんかもたくさんいる。
魔王の配下たる、貴族になり済ました魔族のお家に移動しようよ、という提案だった)
■エルレストベーネ > ……はい、構いません
折角のお誘いですし、よろしくお願いします
(もしかすると絶世の美女である魔族の騎士とざっくばらんな少女との対話自体、すでに訝しげなものかもしれない
それもあってわざと周囲を固めているのだろうとも思う
なんにせよ、お互い目立つ、ここで長く立話をするのもあまりよろしいことでもない
提案にはすぐに快諾し、魔王のあとをついていくだろう
別にどこだろうと構うものでもない)
ご案内:「貧民地区・裏路地」から魔王アスタルテさんが去りました。
ご案内:「貧民地区・裏路地」からエルレストベーネさんが去りました。