2023/07/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 王都マグメール 王城
 昼の王城内 天候は雨近づく曇り

 王城内 腰に二刀を差すいつもの黒で統一された一張羅姿
 豪奢な貴族服とは違い、その姿は単純なもの
 半袖から覗く、親から賜った両腕肌に黒い刺青墨絵というイレギュラーさ
 下半身は短パンにスリットを加えた姿のせいか、王族貴族とは呼べない姿だろう。
 上等な冒険者風ともとれる仕様は、初めて見る者や他所からの視線は、やれば侮りを見せる者もいる。

 しかし王城内に普段いる王族貴族からしてみれば、時偶にしか姿を見せない戦馬鹿
 その姿は先王にしか心が行かない“イカれ”の一人は、もはや誰もが知っている。
 此処一定期間アスピダに赴かず、必要性のみでタナールに赴く姿に焦りを抱く者もいた。

 アスピダ攻略の膠着では、壁を越えて染みのように広がる賊らを屠るだけでいい。
 だが、その戦力 メイラを含むいくつかの異様な集合体
 及びメイラが何かを目論んだと噂される、いくつかの主戦力がアスピダに赴く事に対する鈍さ。
 これは他所から埋め合わせを送り込まなければいけないせいか、昼行燈を決め込んでいた者
 日の目を見なかった者などが送り出されていくことになる。
 王族貴族に逆らえない消耗品同然の者らもそうだ。

 ・戦場への流れが変わった事
 ・なぜメイラ・ダンタリオを含める轡を並べた者がアスピダへの脚を鈍くするのか。

 肥え豚貴族らは税金泥棒の無駄飯喰らいだと罵る一方で、メイラが絡めば口をつぐむ。
 王族貴族内での派閥争いの者らすら、アレが赴かない現状と王城に居る事
 
 “王城に優先すべきなにかがある”

 と踏んだ者がそれなりに出来上がるのも無理はない。

 いくつかは既に動きを見せているのが、現在の王城内での一幕の一つ。
 

 
 

メイラ・ダンタリオ >  
 王城内では暗がりで行われることは多い。
 王族という立場すら盾にならない者がいる始末だ。

 理性的な一人がいた。
 危険な匂いに敏感な一人がいた。
 腹の中は脂身と贅肉と胃液で腐った酒肉を詰める外道の一人がいた。
 それらが神妙な顔で時折メイラに尋ねる。

 一体、何があったんだと。

 王城内での動きにただでさえ肌に汗を流さない日はない
 危険な匂いに敏感な鼻はツンと奥にくるようだ。
 臆病者の兎の眼で 次の主君 を誰にすればいいのかを求める。
 そう言った者が王城内にいることが増えたメイラに問いかける。

 先日から後ろ盾にいるあのイカレ姫と何があったんだと
 協力できることはないのか。

 と。

 媚びも横流しでもない
 生き残る手段を得る為の腹を明かした話。
 それでも、メイラは本心を語ることはない。
 けれどもボソリと一言。


   「―――斬らなければいけないクソッタレがいるだけですわ。」


 と、アスピダよりも優先する敵対者が確実に王城にいることをにおわせる。
 
 全員が難しい顔をしている。
 全てを無視して斬りかかれる獣同然の女が行動に移さないのは
 物事がまだはっきりしていないせいだとわかる。
 腐った脳髄でも理解できるだろう。

 メイラ自身、顔付きは赤い瞳は奥でギラつき、白い乱杭歯は錆び知らずの肉厚なトラバサミのようで。
 メイラに余計なことをしでかした、馬鹿の焙り出しを始める者が出始めるのだろうか。


   「わたくしに何かしたいのなら、エリシエールにでも媚びなさいな。
    あんなのでも、王族の一人ですわよ。」


 そう言って、腰の大刀 兜金を包む手
 黒鉄で覆われた五指の先 手の甲はミシリと力を入れて鉄の悲鳴が小さく喘ぐ。