2023/07/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城/練兵場」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 月に一度の練兵場での鍛錬。
悪名が知れ渡ったのか、賭け試合に乗ってくる者はいなくなってしまった。近づこうとすると露骨に逃げる者ばかり。
銀髪の男は軽く肩を竦める。正規騎士団の徴兵が行われる時期も近い……そうなればまた『授業料』を得られるだろう。
壁際にある長椅子に腰掛けた後に騎士や兵士たちの訓練の様子を眺めながら、練兵場に来る道中のことを思い出していた。

「……内紛をする暇があるってことは、しばらくこの国は安泰だな」

皮肉交じりの呟き。どうやら王宮内がきな臭い。貴族や騎士達がする噂話を耳にして男は鼻を鳴らした。
有力者の対立、そんな話の続きは大抵『どちらにつくのが良いか』という内容だ。
魔族の国という明確な外敵があっても――いや、あるからこそ内部の権力闘争は終わらない。

スキットルを取り出して中身を軽く呷り、かぶりを振って思考を振り払う。
どうせ考えるならばもう少し楽しい話題にしたいものだ。あるいは身体を動かすか。

ヴァン > 他のことを考えようと努めるが、結局は元の話題へと戻ってしまった。
家長である父親がそうであるように、この男も中央政治に興味はない。
興味はなくとも、王国がなければ所領の保全が困難であることは理解している。王国なくしてラインメタルなし。
シルバーブレイド家は粛々と東方・南方との交易で金を稼ぎ、兵站に変えて最前線である北方の辺境伯へと送っている。
血や汗でなく金で貢献するスタイルは多くの王侯貴族からは理解されないが、気にはしない。

(うちは海軍が主で陸上戦力は防衛戦特化だ。ハテグにせよタナールにせよ、お荷物にしかならん)

文句を言うのはそんなことすらわからぬ者達、ということだ。あるいは、血で贖わぬ姿勢が気に食わないから文句を言うのやもしれない。


考えるのを中断し、練兵場の様子へと意識を戻す。
最前線が遠いこと、戦争があまりにも長期化していることから、訓練の風景はどこか平和にすら見える。

ヴァン > いつの間にか、人影も少なくなってきた。
頃合いかと男は立ち上がり、練兵場から去っていく。

ご案内:「王都マグメール 王城/練兵場」からヴァンさんが去りました。