2023/06/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にメイラ・ダンタリオさんが現れました。
メイラ・ダンタリオ >  
 王城内 応接室の一つ
 王族貴族が話し合う場所 家族で団欒する場所
 色々な意味でつかわれる場所ながら、メイラはその場所で堂々と腰を下ろしている。
 周囲には誰もいない 王城内で好き勝手に歩き回れる程度の貴族
 及び豪胆な者など数が知れているのもあるものの、メイラと共に居たがる者はもっと少ないせいだ。

 肥え豚貴族は避けて通り、王族ですら退けとは言えない。
 先王に対する忠義を欠片も零さない在り方を、褒めてくださる者もいるものの
 その者に忠義が向くわけではなく、ただその誉を受け取るのみ。

 纏めれば、メイラは王城内で十指に入る扱いにくい存在の一人。
 それが、最近は王城内によく訪れている。
 くつろぎ酒を飲み干すようなことは無い者の、一度は先王の肖像画を眺めに行き
 訓練場で稽古をつけ、アスピダとタナールの現状を行き来する者らから聞く
 今は、普段こういった出掛けの場で身に着けている愛刀の手入れを行っていた。


   「―――。」


 応接間の柔らかい綿がたっぷりと詰まったソファに腰を下ろし、大股を開く
 目の前のテーブルに置かれた大刀と大脇差
 二つは一つずつ正確に手の中で鍔と柄を外され、油を塗るか粉を叩く。
 専用の砥石粉を塗す手元 丸い粉痕 それを半円に半円を重ねていくように波打つ模様が描かれていく。
 茎部分も同様だ 銘が刻まれた部位にまで塗し終わる姿を眺めた後
 上質布を半分に折ったそれで包み、根から先端へと抜いていくと、余分な脂を落としながら磨かれた抜き身が出る。


   「―――まさかお前を、王城内で幾度も使う機会が来るとは、思いませんでしたわ。」


 愛刀に語るメイラの口元は寂しげ。
 場所が場所なせいもあるだろう。
 本来ならこんな、あの御方の居わした場所で行うのは不敬。
 掃きだめの隅にでもおびき出して、斬るような手段を取ればよかろうにと思ってしまう。
 が、それでは遅いのだとわかっているせいか、抜き身の愛刀に愚痴をこぼしながら、肩を下げた。


   「何人の王族貴族が路頭に迷うのでしょうね。」
 
 

ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からメイラ・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城 騎士の間」にスヴァナさんが現れました。
スヴァナ > 王城内に数多ある空間の中でも、此処は常に人の気配が絶えることが無い。
木人に斬りかかる掛け声、戦法について議論を戦わせる男達の声。
ちらほらと耳に届くそれらを聞き流しながら、スヴァナは隅に備え付けられた長椅子に腰を下ろしていた。

「───みんな頑張るねぇ…」

しみじみと。鍛錬に励む騎士の後姿を眺めながら呟く。
お前も頑張れよ、という兄の声が聞こえてきそうだが、彼は今ここにいない。王城内にはいるのだろうが。
腰に下げた剣をあやすようにぽんぽん、と片手で優しく叩きながら、気怠げな瞳はぐるりと室内を見渡した。

「僕の興味を惹くようなものがあればなぁ」

時折、城内に漂う不穏な香りを鼻が嗅ぎつける。
王族、貴族。その立場に応じて、色々と面倒ごとも増えていくのだろう。
血生臭いそれらから敢えて目を逸らし、距離を取る。
あくまで自分は一介の騎士であり、傍系に仕える貴族でしかない。
面倒ごとに巻き込まれるのは御免だ。と、そういう態度を取り続けていた。

そうすることで退屈から逃れられないのは──甘んじて受け入れている。

ご案内:「王都マグメール 王城 騎士の間」からスヴァナさんが去りました。