2023/06/17 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2/本会議場前」にエリシエールさんが現れました。
エリシエール > 数時間にも及ぶ、激烈を極める諸会議の終わり。
正面や脇の入場扉からは無数にいる王族貴族や文官・一部の騎士たちがぞろぞろと退室。
各々がそれぞれの持ち場に戻っていく。

「…………茶番でしたね」

神々しい白地に銀の装飾をあしらった、神聖なる印象を与えるドレス姿の女は後ろ髪を整え直して
後れて議場から出て来る。


「あのような無為な時間に、数百の権力者が数刻も潰すと分かっていれば、
 正面扉から裸で乱入し、場を荒らした方がまだ親切で有為であったと言えましょう」

王城内では政争や派閥抗争が絶えない。その激戦の舞台となるのが法案や予算・人事を巡る
本会議場だ。

王立コクマー・ラジエル学院の経営状況や教育計画の見直し、現行の王国軍の軍事編成や
予算案など、真っ当な議題を進められる……かと思われていた。
蓋を開けてみれば無数にいる王族貴族の派閥同士の揚げ足取りやいちゃもんの応酬、
水掛け論に等しい不正の告発……終始醜い争いに終わり、結局必要な採決はほとんどが
見送りとなった。

女は特にどの派閥にも属していなかったが、王族たるヴァエルフィードの血筋としては
王国内の風向きだけでも把握しておく必要はある。

王位や権力に関心はないが、いざ国がまずい方向に走ろうとなればそれを抑止する為に
相応に動かねばならない。

「ヒメキシ騎士団は影響力を失って久しいですね。……無論、敗戦続きで結果を
 出せていないともなれば自明の理ではありますが。テスト嬢は健気な方ですが、
 気の毒なことです」

自身はこっそりと、議場の端っこで目立たぬよう立ち聞きしていただけだった。
言いたい事は山ほどあるが、自身を血眼になって殺そうとする者だっている中で
悪目立ちするのは避けたい魂胆だった。

何時間も立ち往生で見苦しい蛙鳴蝉噪をひたすら聞いていた女は、ハンカチで額を拭い。
鼻で笑い呆れたように微笑するしか出来なかった。

ご案内:「王都マグメール 王城2/本会議場前」にセリアさんが現れました。