2023/02/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城」にヴァンさんが現れました。
ヴァン > 夜。滞在客用の施設に男はいた。
銀髪を後ろになでつけ、軍服姿。騎士然とした格好をしている。

男にとって誤算だったことが二つ。
一つは、神殿騎士団の会議が想像を遥かに超えて長引いてしまったこと。
長引いた原因は男にある。議題に関して他の隊長に厳しい指摘を続け、会議を停滞させてしまった。
もう一つが、外に降る強めの雨。先日教会で雨宿りをした時は雪に変わったから歩いて帰ったが、王城からは距離がある。雪になるあてもなさそうだ。
他の隊長達は馬に乗ってさっさと帰ってしまった。20分程度の距離だが、傘を借りるあてもない。
いや、あるにはあるがそれならいっそここに留まればいい、と考えていた。

窓の外で降る雨を眺めつつ、椅子に腰かける。入口に近い広間だからか、いくつかのテーブルと、それを囲うように豪華な椅子が並ぶ。

ヴァン > 男の表情はどこか不機嫌そうだ。先程までの会議の内容を思い出していたのか。

「騎士たちの練度の低下が問題だな。第一師団と比較されるようでは後がない……」

星の聖猫派によるテロにも後手に回っているという。
異端審問庁に任せておけという意見には思わず口を挟んでしまったが――おそらく、それが正解なのだ。
栄光は過去のもの。今では聖堂騎士団や異端審問庁の方が勢いがある。
己を放逐した今の神殿騎士団に未練はないが、それでも見る影もない姿を直視すると苦々しい思いがこみあげる。

思考を何か良い方向に切り替えようと軽く頭を振ったが、うまくいかない。
柔らかい椅子に背中を、そして頭を預けた。

ヴァン > 「……ちょっと、もんでやるか」

思考の悪循環の果てに、その捌け口となったのは王城に詰めている神殿騎士達。
ゆっくりと椅子から立ち上がると刀を納刀したままベルトから外し、鞘の中程でとんとん、と肩を叩く。

しばし後、雨の練兵場に不運にも掴まった騎士達を集め、夜間訓練をする男の姿が見られたとか。

ご案内:「王都マグメール 王城」からヴァンさんが去りました。