2022/10/09 のログ
■ヴァン > 今の反応や、酒場兼宿屋を夜に訪れた時のことから考えるに、どうやら男は不意打ちに弱いらしい。
からかってくる際にはうまいカウンターになるだろう。
「あぁ。俺はしばらく自由に休みがとれるからあわせるよ。
本は……前、国内なのに主教がなかった島のことを話したと思う。そこのある貴族が亡くなったとかで、蔵書を買い取ったんだ。
言葉が同じで、外国のような土地。マーシュさんも気にいるんじゃないかと思ってね」
出張に乗り気でなかったのは、折角仕入れたものを読むのがお預け状態だったことも関係している様子だった。とはいえ、それだけであそこまで酒は飲まないだろう。公園で男自身が伝えた通り、二人で過ごす時間が奪われたことも大きな理由だろう。
面白そうな本を見繕っておく、と伝えると、ようやっと腕を離した。
「じゃあ、俺はそろそろ戻ることにする。
休みが決まったら教えてほしい。図書館かうちまで手紙をくれれば、それで」
一歩後ろに下がり、にっと笑うと軽く手をふった。
■マーシュ > ───男の不意を突けば思わぬ反応を得られる、という知識を得たとして女にそれを効果的に扱えるかといえば、いささか怪しいところだが。
「では、確認を取ってから返事をいたします。おそらくは問題ないでしょうが──。
……それは興味深く思います、楽しみにしておりますね。」
普段の会話、言葉。
未だ男の腕の中にいることも忘れて、まだ見ぬ文化に触れることを楽しみにする様子で応じていたが、体が離れて改めて距離の近さを思い出したともいえる。
「はい、まだお戻りになってそう経っていなかったのでしょう?ありがとうございます。」
辞去を伝える言葉に素直に応じる。
返事の伝え方に対しても頷いて、おそらくはその通りに。
手紙になるか、使いのついでに立ち寄るかはその時次第にはなるのだろうが。
「ヴァン様も、ゆっくりお休みください」
帰還した安堵はあるだろうが、疲労もたまっているはず。
そんな風に捉えて夜の挨拶を手向けた。
■ヴァン > 他愛もない会話の中、男は心地よさを感じているように微笑んでいた。
平穏な日常を過ごすことの喜び、とでもいうものか。
背を向けてから、一度大きく伸びをした。やはり疲れはあるようだ。
扉に手をかけて、閉める前。顔だけを扉の間から覗かせる。
「呼び捨てでも構わないぞ?」
悪戯っぽい顔。どうやら、あやふやな記憶でも要所はしっかり覚えていたらしい。
返事を聞く前にすっと顔は陰に隠れて、ぱたりと扉が閉められる。
■マーシュ > まだ少しだるそうな様子を残してはいるが、精神的な摩耗はなさそうだ。
立ち去る相手を見送り、頭を下げた、ところで───。
「──────!!!」
投げかけられた言葉に女は言葉をなくすほかなかった。
直後に扉の締まる音が響いて、しばらくそれを見送っていたのだが。
───羞恥交じりの嘆息を一つつくと───………本来の職責を果たすために、無理やりにでも日常に戻っていくのだ。
暗誦できるはずの聖句を、三度もつかえてしまったのだけれど──。
ご案内:「王都マグメール 王城/礼拝堂」からヴァンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 王城/礼拝堂」からマーシュさんが去りました。