2021/03/20 のログ
■ソラム > 「.....お生憎様、私は人ではないが、助けるという事は、ね」
彼女は少女の首輪に繋がるリードを掴むことはせずに、優しく少女を抱きかかえると背中から一対の翼を広げる。
その白銀の翼は、彼女のロングコートの上からかけられていたマントから広げられ、先端には3つの鉤爪があり翼脚とも呼ばれるものだった。
自身の足で床を蹴り、天井へと舞い上がると、翼脚を器用に使い基礎となる柱に掴みぶら下がる形で貴族達を見下ろす。
「......人間の争いは、皮肉なものね」
蛇に似た赤い瞳で貴族達を睨むと予め開けていた窓から飛び出す。
外に出る直後に翼脚の鉤爪を彼女の肩で固定し、再びマントとして利用しつつも、少女を覆う形で纏うと、爪先で地面を突き衝撃を和らげ、街中へと向かう途中の道を外れ林の中に身を潜める。
「......大丈夫?」
マントと化した翼脚の中で抱きかかえられているであろう少女へ小声で問いかける。
■ネリネ > 彼女がソレを抱き。翼を拡げる。
そこまで来れば誰の目にも、彼女が人ならざる物である事は確実であり。
最早誰が邪魔をする事も無く。飛び立つ彼女を見送るしか無かっただろうか。
後々警備の問題等で大いに揉める事となり、誰かが責任を取らされる事になるのだろう。
それを尻目に、彼女によって連れ出されたソレは。
「ぁ――、ぁぇ、…ぇ…ー……ど…うして?ぅぁ、…だれ? ……ねりねのこと…なん、でー…」
少し時間が経ってから。大いに困惑する様子を見せ始めていた。
当たり前かもしれない。突然、全く知らない人によって。林の中へと連れ込まれてしまったのだから。
自分の事を抱き抱えた彼女の事を。首を傾げつつ、唇を震わせて。
「へ…ん、だ…よー……?
……ねりね――ちゃぁ…んと、…ごほーし…して、…みんな…と、せっくすして…
――そう、しなきゃ……いけない、のにー…」
■ソラム > どう捉えようとも、従順すぎる。
そう判断した彼女は頭を抑えようとし、やめた。
まずは正気を持ってもらわないとならない。
結果が変わらなくても、少しは自我と言う物を持ってほしい。そう思いながらも彼女は少女に、
「.....諦めちゃ駄目。気をしっかり」
そう答える。兵士がいなくなったのを見計らい、林沿いに移動していた。
少女に気をかけつつも、邪魔な木は翼脚でどかし、足をかけて飛び越える。そうしていると河川に到着する。
ここでなら休息を取れるだろうと彼女は判断し、翼脚を収納し、少女を近くの岩を椅子代わりに座らせるだろうか。
■ネリネ > 喋ったのなら喋ったで、そういう話しか出て来ない。
喋らなくとも…ソレは瞳を潤ませ、抱えられた体も火照り。明らかに発情したまま。
彼女に抱かれて改めて移動している間など。ごそごそと相手をまさぐるようにして。
どうやら今日自分を犯してくれる筈の者達、男達ではないのだと。改めて確認し意気消沈してしまう程。
やがて連れ出されたのは静かな川岸だった。
岩の上に座らされると。まだ、頭の座らない赤子のように。ふわふわと体を揺らしつつではあるものの。
首を傾げながら、改めて。…というよりも始めてきちんと。彼女の事を見つめてみせる。
「――ぁ……ぁ、-…もしかして……ごしゅじんさま…でも、おきゃくさま…でも、なぃー……
ぁれ…?―― ぇ…じゃぁ……ねりね、はー……あれ、あれー……?
…かえって、いい…のー……?」
■ソラム > 「ほっぽって行く訳、ないよ」
そう言うとポンポンと少女の頭に優しく手を乗せ、撫でる。
「.....大丈夫?体が熱いけど、熱?」
肩に触れたときに体が火照っている事に気づくと、彼女は少女に問いかけるだろうか。
「(この火照りをなんとかしないと、ね)」
頭でそう考えつつも彼女は少女に触れて顎を少しだけ上げて少女の首筋を見る。
注射痕や切り傷が沢山あり、どれだけ乱暴に扱われてきたのかが見て取れた。
■ネリネ > 「ぅー……ぅ、ん、だれ…か、な…でも、……ぇぇと…えぇと?
………ありがと、-…?」
それでいいのかと。更に首を捻りながら、ソレは言葉を口にした。
性交とも快楽とも無縁の場所で。誰かに感謝を告げるなど。
きっと今のソレの記憶の中には。もうまるで残っていないような事だったから。
「っふゃ…、……んはー……いつものおくすりー……
どきどき、して、…ぞくぞく?…ふぁ、ぁ…きもちいい…こと、したくなっちゃぅー…」
僅かばかり触れられただけでも。ぴくんとソレの体が跳ねる。
定期的且つ恒常的な投薬を思わす針の痕は。それはそれで、快感に繋がっているようで。
今も薬は効いている。岩の上に座ったまま、もじもじと腰を揺らすようにして。
与えられる筈だった快楽がおあずけにされてしまった事が。もどかしくて堪らないといった様子。
そして。もう、薬がなければやっていけない。それが当たり前となっている事も。解るだろうか…?
■ソラム > 「.....こういうことも、あるのね」
彼女は顎に手を当てて考え始める。
もうこの子は元の自分に戻れなくなっている、と言う決断に至るのに時間はかからなかった。だからこそ、
「......気持ちよくしてあげるかぁ....」
そう呟く。性交に関しては経験があるため大丈夫だが、今回は自身が犯す側にまわることになるだろう。
そこを考慮して今後の対応を綿密に練り始める。
■ネリネ > 彼女の気が付いた事実。
それが解っていたからこそ、男達は無理に追わなかったのだろう。
今のソレにとって、帰る場所があるとすれば。それは即ちバフートの事でしかない。
元居た場所も元の在り方も。既に残っていないのである。
「っ、ん、……んは…?きもちいい、こと…する……?いい、よー…?
ねー――ぇ、やっぱり、きょうの…ごしゅじんさま…になって、くれるんだ…ぁ…♡」
ああ。よかった。
ソレの声からは。そういった安堵の響きが滲む。
性交に繋がるのだろう彼女の発言にだけ、それはもう敏感に反応してみせると。
ずぃ。身を乗り出して、考え込む彼女の表情を覗き込み…。
叶うものならそのまま。ソレの方から、彼女へと。口付けすらしてしまおうと……。
■ソラム > 「....と言っても、気合い論でどうにもできない、し」
身を乗り出す少女に気づかず、彼女はどうしようか迷っていた。犯すにしろ何にしろ、どうすればいいのか、とりあえずは手順を踏むとしよう。そう思い顔を上げた直後、少女の唇が自身の唇に重なる。
「....んっ!?」
驚きなのか、口から声を漏らす。
少女の方から口付けされるとは思ってなかったのか。彼女は目を白黒させる。
■ネリネ > 「ぅん、ぁふ、っちゅ――ん、っちゅふ、ふっ…ぁ、ぷふぁ…♡」
そうと決まれば。なのだろう。
ソレの中で、彼女が今日相手にするべき「ごしゅじんさま」なのだと定まってしまえば。
遠慮なく積極的に、奉仕へと移ろうとする。
相手が女性だろうと。躊躇う事なく唇を交わし。ちゅる、と音を立てて唇を吸う。
一度だけ。唾液の糸を引きながら、隙間を作り息を継げば。
驚く彼女に再びたっぷりと口付けを送り続けようと…ともすれば。ソレの側から、舌すら送り込んでしまう勢いで。
■ネリネ > ―――その後どうなったのか。
情事と奉仕が果たされたにしろ、そうでないにしろ。
ソレの運命は定まっており、変わる事は無いだろう。
再び元通り奴隷として。
ただ、あの日元居た王城で犯されて。決定的に過去を破壊され尽くすという結末だけは。
遠く先伸ばしにされた筈だ――――
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ご案内:「」にソラムさんが現れました。
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