2021/03/19 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にネリネさんが現れました。
■ネリネ > ソレが運び入れられた時、室内にはざわめきが広がった。
その場の貴族達にとって。自分達がやったのだから、理解はしていても。
改めてソレの現状を見たのなら。考える事、思う事があったのだろう。
もちろんそれは。堕ちたメスに対する思いや、使えそうなモノへの評価だが。
誰が言い出したのかは知らない。だがバフートの人間に依頼があった。
ソレが確実に堕ちている事を。壊れている事を。改めて確認させろと。
かつてソレの属していた一族や一派が。決して復興する事は無いという事実を。城内の者達にも見せ付けろと。
目を伏せしずしずと歩くその足取りだけは。かつての令嬢めいていたかもしれない。
だがその歩みは。首輪を填められ、犬の様に引かれながらであって。確実に奴隷としてのそれだった。
一見すれば真っ当なドレスも。近付いてみれば大半の生地が薄く透け。
ともすれば下着同様の卑猥さで。ソレの肌身をさらけ出しており。
そういった姿を隠す事なく。感情らしい感情も見せる事の無いまま。ソレは広間の中心へと連れられていく。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にソラムさんが現れました。
■ソラム > 「......此処が、広場...」
その人は広場の端にある柱に座って黒いファイルを開き、ページの一つにペンを走らせる。
その人の正体は群青色のロングコートを来た20歳程の見た目の女性。
彼女は情報屋としての仕事をするために王城に来ていたが、今の姿は仮の姿に過ぎないのだが、誰も気づきはしないだろう。
「.......何?」
室内がざわめき、何かあったのかと走らせていたペンを止め、顔を上げる。
広場に入ってきたのは、一人の兵士と少女。少女は16歳ぐらいだろうか。それだけなら彼女は見向きもしなかっただろうが、彼女の目に止まったのは、手荒く使われたのか、体中に傷があること、そして首輪が填められている事だった。
「.........落ち着け、私」
まだだ、まだ飛び込むなと自分に言い聞かせながらも、ジッと少女に視線を合わせ続ける。まだ決まったことではない、と心の何処かでそう思いつつも事を観察する。
■ネリネ > 確かに瞳は合った。真っ直ぐに、視線が交錯した事だろう。
だがそれに対して。寧ろ何に対しても。ソレは特に反応を見せる事は無かった。
同時にきっと。彼女が誰の意思も交い潜るかのような、巧みな潜入振りだった事もあるのだろう。
やがて。広間の中央まで来た所で。兵士から一人の貴族へとリードが渡される。
手綱を握る者が変わったところで。始めて、ぴくんと。ソレは僅かに反応したが。
『さぁ覚えているかね諸君!』
朗々と。貴族男性の声が響いた。
『先の帝国が起こした戦、それを招き入れたのは一部の腐敗した貴族達だった。
彼等が等しく罰せられた事は記憶に新しいだろう?
――この娘は○○家の生き残りだ。今は咎をすすぐべく罰を受けている。…どうだね?
バフートから取り寄せたのだ。皆で、この娘に慈悲を与えてやっては――』
大層な語り口だが。つまる所。
政争の勝者達が、敗者を弄ぼうとしている。
自分達の勝利を再確認し、酔おうとしている。それだけの事であった。
■ソラム > 貴族男性が話始めた内容に耳を傾けながらも、少しずつ、だが確実に彼女の中で怒りが貯まり始めていたが、彼女は怒りという感情を知らない。
____故に、だ。
「......要するに、その子を弄ぶって解釈で、いい?」
広場の中央まで届く声量で問い掛ける。
まだ矛をしまっているものの、切れれば少女の為に龍化も厭うつもりはない。そんな気持ちが燻ったが、その気持ちも冷静な考えで抑え込む。
■ネリネ > 政治の上でとはいえ。戦いの結果の話。
勝った者と負けた者の対比。弱肉強食。それは当たり前の事であり。
だから、この場で有り得る筈の無い否定の声に。思わず振り返った者達が多数。
次の瞬間にはたちまち。
5人、10人…それ以上。大勢の兵士達が、彼女を包囲する事になる。
王城の中。多数の貴族が集う大広間。そんな所に、異分子めいた存在が何時、何処から入り込んだのか。
それに対する疑問や驚愕は後にして。
……そして。機嫌を損ねたかのように。この場の代表なのだろう貴族の男も眉を顰めて。
『これは善意だとは思わないかね?
反逆。国に弓引き民に仇なした愚か者、本来なら首を跳ねて当然だ。
それをせず、改めて人々に尽くす機会を与えてやろうというのだから。
―――それに。先ずはコレの意見も聞いてみてはどうかね?』
ぐぃ。男はソレを抱き寄せる。顎を上げさせ、彼女へと向き直させる。
そうすれば、ソレは――
「―――― ぁ…は… もて… あそぶー……? 」
始めて、瞳に色を浮かべた。
はっきりと。快楽を待ち望む、欲情にとろけた色を。
顎を上げさせられた事で。傷痕だけではない、穿たれた注射痕、投薬痕も見える筈。
■ソラム > 「......本来なら、手出しはしないよ。私だって、無駄な争いは避けたいし」
大勢の兵士を諸共せず、ツラツラとそう言う。クールに振る舞っている彼女だが、実際はかなり血が登っているようで、薄っすらとだが、青筋が立っている。
「......だけど、流石の私でも、見逃すことはできない」
彼女の足元からビキビキと床に亀裂が入る音が響き、彼女が床にかけている脚力が伺えるだろうか。
遠目からもはっきりと見て取れる何かを穿たれたあと。それを視認した瞬間、彼女の堪忍袋の緒が切れたのだった。
「.....最後の警告、と言ってもいいのか。すぐに道を開けろ」
少しの沈黙の後、女口調が取れ、淡々とした声が彼女の口から放たれる。その声を聞いた兵士や貴族な人達は背筋が冷えるだろうか。
■ネリネ > ――――間違い無く。後日大いに問題となるだろう。
入り込んだ異物。その彼女は間違い無く、人間を越える存在を思わせていた。
石造りの床にヒビが走る。そんな光景を見せられれば、誰もが驚かずにはいられない。
兵達の形作った輪が広がる。乱れる。更に外周で貴族達がじりじりと下がりだす。
それでも。流石にというべきなのだろうか、代表であろう男だけは。
僅かばかり汗を浮かべつつも、それ以上の変化を見せる事はせず。
『…豪毅なお嬢さん。
それが善意であるのなら。
我々人間の形作る社会は、そんなに単純な物ではないのだと。きちんと学ぶ事をお薦めするとしよう』
それはそれはもう大袈裟に。手を上げ、ソレのリードを離してみせた。
連れて行くとでも言うのなら、それを止める素振りは見せないが…
「 ――――……? 、ぇ…ぇ…?」
きっと一番動揺を見せているのは、ソレ張本人だろう。
何が起きているのか。さっぱり理解出来ないといった表情で。男達を見上げていた。