2021/02/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にヨアヒムさんが現れました。
■ヨアヒム > 「薪代など物の数ではない。春になれば出費は減る。安心していることだ」
孤児院の出資者に向かっておっとりとした口調で話す低身長の中年男は、そう言って何時もの笑顔を浮かべた。
「それとも、私は無理を言っているだろうか?去年、君の御子息が面倒ごとに巻き込まれた時は随分と骨を折ったが、あれでは足りなかったかな?いっそ、表ざたになった方が良かったと思っているのかね」
意味ありげな言葉と共に中年の王族が首を捻ると、王室出入りを許された豪商の男は口を噤んだ。夜の王城のサロンには2人の他に誰もいない。テーブルに置かれた2つのカップから、湯気が立ち昇っている。
■ヨアヒム > 商人は王族が寄付を募ったその他の慈善事業についてひとしきり文句を言った後、サロンを後にした。その後ろ姿を見送った男は、わざとらしく溜息をついてカップを手に取る。
「まったく気の短いことだなあ。少しばかりの金銭で、実に多くのものが手に入るというのに……」
そう呟くように言って、中年男は背もたれに身を預けた。男の仕事は客を待つ事、客の文句を聞くことだ。公人として、男は王都マグ・メールにおける救貧院、孤児院、寄付により設立された学校や病院に「一定の」責任を負っている。
気苦労が多く、感謝されない役目である。だからこそ「役得」にありつけるのだが……
■ヨアヒム > 今日は「役得」とは縁がなかったらしい。歩み寄る従者に耳打ちされ、男は席を立った。
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」からヨアヒムさんが去りました。