2020/10/28 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にリシェさんが現れました。
■リシェ > (流石に、そろそろ、シェンヤンの流行も。落ち着いてきたのかもしれない。
それとも、もっと単純に、流石に連日繰り返し過ぎたから。そろそろ、本来のこの国らしさが、懐かしくなってきたのだろうか。
今夜、行われている宴は。この国らしい様式に、酒も料理も、馴染みの物。
生まれてこの方。ずっと、慣れ親しんでいる筈なのに…少しだけ、懐かしい、と。感じてしまうから。確かに、シェンヤンかぶれが過ぎた様子。
…といった、会話が。直ぐ側の、テーブルを囲んだ貴族達の間で、行われているのを。聞きながら。会場を歩く。
少女も。確かに、少しばかり懐かしい、と、そんな風に思えていた。
けれど、それは。きっと、別の理由。…受け取っていた物が、違ったから、ではない。受け取る、少女自身が、大きく変わったから…恐らくは。)
「…改めて。驚いて、しまいます――考えてもみませんでしたが…」
(そっと。溜息。
中途半端な、ヒトでもない、魔族でもない、自分は。本質的に、ひとりぼっち、だと思っていたが。
中間点で彷徨っていた所から、少しばかり、魔の側へと傾いた事で。城内という、少女にとっての世界が。別の姿を、見せつつあった。
ぬらつく、煌めきを増した、瞳。光彩には、ちらちら、光が過ぎる。
本物の、光源、ではない。それは、会場を埋め尽くすような、大勢の貴族達、その中に。時折混じる、ヒトではない者達の気配。
意外と。人間達の総本山。そう、信じていた場所が。決して、一方的な世界では、ないと。
その事に、気が付いただけでも。少女にとっては、大きな、大きな変化、で。)
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にギュンター・ホーレルヴァッハさんが現れました。
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
人間の総本山にして、その巣窟。支配者達が踊り嗤う場所において、権威と権勢を振り翳す王族が一人。
莫大な財力を以て宮中に厳然とその影響力を落とす一族が嫡子。夜会に訪れるには、少し年若いと言っても過言ではない、豪奢な礼服を纏った少年。
そんな少年は、溜息を吐き出す少女に気付けば、己を囲んでいた貴族達の輪を抜けて少女の下へ。
手には二つのワイングラス。その一方を差し出しながら、声をかけるだろうか。
「浮かぬ顔、という訳でも無さそうだが。楽しんでいるという様にも見えぬな。こういった夜会は、好みではないかね?」
小さく首を傾げながら、穏やかに笑ってみせる。
■リシェ > 「……?」
(ぱちり。不意の声に、瞬くと。少女の、瞳は。光を失う。ヒトとは違う、異種の証を。
それから。初めは、肩越しに。次いで、身体毎。ゆっくりと振り返れば…其処に立つ、声の主には。以前にも、少しだけ。会った事が有り。)
「…いつもどおり、です。ホーレルヴァッハさま。
こういう時、わたし、大体最後は……いつも。決まっています、から。」
(ふぅわり、と。笑い返して。少しだけ、横へと、逸れる瞳が。目線の先を、指し示す。
それは、会場の片隅、豪奢で重いカーテンが。どこか、不自然に膨らんで。揺れて。…耳を澄ませば、小さな、悲鳴。或いは嬌声。
あれは、まだ良い方の筈。こういう宴に招かれた、女という生き物の、多くが。結果として、どう扱われるか。考えたなら。
けれど、それを指摘しておいて。少女の、小さな微笑みも。相手のそれと、変わらない。穏やかな物。
…もう、「そういう目に遭う事」が、当たり前だと。決めきっているから。)
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「御機嫌よう。そして久し振りだな。とはいえ、以前会った時は余り言葉を交わす間も無かったが」
ゆっくりと此方に振り返った少女に、小さく肩を竦めて。
次いで彼女から投げかけられた言葉には、浮かべた笑みには僅かに苦笑の色が滲む。
「この宴はそういう場所であり、この城はそういった者達の集まり故。致し方ない事だと言うには、少々品が無いと言ええなくも無いが」
釣られる様に向けられた視線の先。
御盛んな事だ、とは思うが別にそれを否定するつもりはない。
言うなれば、己とて"彼方側"の人間なのだ。興が乗れば女を抱き、酒を飲み、料理を喰らう。
貧困に喘ぐ者が寒さに震える中で、贅と欲望の限りを尽くす王族の一員。それが己であるのなら。
「では、リシェも今宵の相手は既に決まっているのかね?
貴様程の美貌であれば、それなりに男共の引く手数多とは思うが」
王族であるが故に、彼女が『そういう目』に遭う事は己にとってもまた、当然の事であった。
だから、決して彼女にとって正義の味方になる事もなければ、彼女を救う義賊の様な存在にもならない。
傲慢に、尊大に。欲望の儘に贅を喰らう王族として。
クスリ、と小さく笑いながら、彼女に尋ねるだろうか。
■リシェ > 「もう…半年も、経って、しまいました。
色々な物が。変わるには、充分すぎる時間……です。」
(ちゃんと、覚えている。少女にとっては、貴重な、外出の記憶。その一つ。
全てを、包み込んだかのような、桜色の世界。きっと、一生、忘れないだろう。…そこで出逢った人達も。
あの時と、比べたら。用意された物は、皆、とても豪華な筈なのに。料理も、何も、色褪せて思えてしまうのは。とっても、不思議。)
「初めから、もっと品無く、それだけの為に集まる…よりは。マシ、ですよ…?
今日はちゃんと、宴から、始まっています。お陰で、少しは、美味しい物もいただきました。」
(苦笑する程でもない、というべきか。ただ、彼の指摘には、少しだけ。眉を下げる。
結局、順序が違う、優先度合いが違う、だけで。何だかんだ最終的に。あぁなるのが、お約束である…以上。
変わらない、と。その一言で、済ませてしまって。良いと思う。彼が、自分が、”どちら側”なのか、は。)
「どうでしょう。…いつもでしたら、既に。…ただ、此処の方達でしたら…みなさま。わたしの事は、そろそろ、…飽きておられるかも、ですし。」
(流石に、今度は。苦笑してしまう。
少女自身が、今日集まっている貴族達、彼等の、使い古しだと。自覚した上で、名言してしまうから。
普段から。彼等に、少女が、どんな事をされているか。王族である、彼なら、噂に聞いていても、おかしくない。なので、取り立てて、隠す事はなく。
軽く、小首を傾げながら。彼の方に、問い掛ける。
但し。以前、桜の下で出逢った、あの時と違い。はっきり、その唇に、笑みを浮かべて。)
「ホーレルヴァッハさまが、わたしでも…宜しいのでしたら。
喜んで…お仕え、させて。いただきますよ……?」
■ギュンター・ホーレルヴァッハ >
「…そうだな。人が変わるには十分な時間で、国が変わるには短すぎる。きっとリシェは多くの変化を得たのだろう。
しかし、此の国は相変わらず、変わりない儘。だから私もリシェも、こうして此処に居る」
桜色の思い出も。初めて食べた"和菓子"の味も。今でも鮮明に覚えている。覚えてしまっている。
だからこそ、それでも変わらずにある此の国に沈む己は、随分と薄汚れてしまっているのだろうなと、笑ってみせる。
「体裁というものを気にするものだからな。我々王侯貴族というものは。
最初から女を抱きたければ、そういった場所にも行く。しかして、情欲に浸る迄の雰囲気とやらを味わいたいからこそ、こうして戯れの様な宴を開く。
見栄を張っているだけで、大差は無かろうよ」
彼女の思う通り、結局は情欲を発散させる儀式に上っ面の宴を貼り付けているだけに過ぎないのだから。
多少はマシ、と告げる彼女には、それなら良かったと緩やかに笑みを浮かべるに留めるだろうか。
結局最後は、彼女もまた男達の欲望の中に沈むのだろうと想いを馳せて。
「…随分と己を卑下する事だな。善い女を抱くに飽きるというのは、確かに最高の贅沢やも知れぬが」
彼女がどの様な扱いを受けているのか。
この宴の後、どうなってしまうのか。
それを理解しているからこそ、彼女の言葉には浮かべる苦笑いを深くしてしまうだろう。
彼女を抱くに飽きる等、贅沢な事だと。
だから、次いで彼女から笑みと共に告げられた言葉には。
僅かに瞳を細め、グラスを置いてその躰を観察する様に眺めて。
笑みを浮かべた儘、ゆっくりと唇を開くだろう。
「………そうだな。私も、今宵の相手は特に決めていた訳でも無し。
私への奉仕を。私に仕える事を許そう、リシェ。
今宵一晩、お前は私のモノだ」