2019/08/27 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城:バルコニー」にクロニアさんが現れました。
クロニア > 王城のバルコニーは中々のお気に入りの場所である。
バルコニーから一望できる城下の眠らぬ灯りは綺麗であるし、
その中で有象無象が蠢いていると考えるとゾクゾクくるものすらある。

何故今夜はこのような場所にいるかと言えば父上の挨拶回りの付き添いと言うもので、
騎士殿や国の主要派閥の人間に顔を売っておけと、
屋敷より引きずり出されたからである。

苦手なんだよ。
煌びやかに着飾る紳士淑女、一皮向けば何を考えているかわからない。
その点は自分も変わらないから、俗に言う同族嫌悪と言うもので、
そんな事よりも早く平民地区辺りを散策して冒険者でも構わないから、
酒場で女を漁って見つけて唾つけて、屋敷に引きずり込んで美味しく頂きたく準備をしたい。

「……が、どうせ帰れないんだろうな……。」

舌打ちを言葉の終りに打ち鳴らすと、バルコニーの手摺に背中を預け体重をかけて寄り掛かると、
ご禁制と名高い流行のアレを一服しようとズボンのポケットに手を入れて、
あれやこれやと探り始める。

確か貧民地区に使いを走らせて購入したモノがまだ数本残っていた筈だが……。

と、小首を傾げるのであった。

ご案内:「王都マグメール 王城:バルコニー」にレナーテさんが現れました。
レナーテ > 派出所での仕事を終え、見回りの仕事へと就く。
今宵は広間の多くで宴が催され、王族や貴族の出入りが多い。
ともすれば、危険な輩が入り込む可能性も増えるとあって、あまり気はすすまないが、仕事割り切った巡回である。
夏日の暑さが嘘のようにひいていき、草木から溢れる涼やかな空気が熱帯夜を和らげてくれた。
そんな夜風に当たりながら、歪になった地平線に灯る人々の暮らしを見やれば、少しだけ心も穏やかになるというもの。

「……?」

ベレー帽に隠れた猫の耳が小さく跳ねる。
何処からか聞こえた男の声は、宴の喧騒よりもはっきりと届いたのだ。
誰かいるのだろうかと思いながら歩いていくと、バルコニーに佇む彼の姿を見つけるのに、そう時間はかからなかった。
ポケットを探りながら訝しむ後ろ姿を見つつ、金色の瞳を幾度か瞬かせれると、ブーツが鳴らす小気味いい足音を響かせ傍へと寄っていく。

「…どうかされましたか?」

静かな声で問いかけると、小首を傾げた。
戦装束とは言えど、元々は可愛らしく着飾る為に作られている側面もあるもの。
コルセットスカートのラインが描く身体の細さは、猫科の獣を思わすような靭やかなシルエット。
少し背の高い彼を見上げるぐらいに近づけば、ほんのりとシトラスの甘酸っぱい香りが彼にも届くだろう。

クロニア > ――バルコニーで過ごすゆったりとした時間
パーティールームに戻ればまた挨拶回りだろうし、
戻らなくても後で父親に説教を喰らうだけ、何にも面白くない
これなら無理にでも部屋に引き篭もるか、窓から外に逃げるべきだったと溜息を吐こうと大きく息を吸ったところで、
ポケットに入れた指先が例のアレを探り当てる。

ヒュッと人差し指と中指で一本だけ摘んで抜くと、ご禁制であろうとなかろうと、
当たり前のように口に咥えたところで、誰かに声を駆けられた気がして、
慌てて咥えたばかりの煙草に似たアレを掌で折れぬ様に握りしめ、肩越しに振り返る。

「どーも……なんでもないさ、ちょっとパーティー疲れって奴でね?」

へらっと軽薄そうに声をかけてきた主に答え、適当にひらひらと例のモノを握り締めていない方の手を振って挨拶をする、
これをやるといつも屋敷の者に怒られるが、簡単でいいやないかと思うのだが。

ふむ
肩越しに横目で見つめる人影は何ともスマートで自分の記憶にある人物像にこんな猫……
それも肉食の獣を想像させる容姿の人間に覚えはない。
人間じゃなくても覚えはないし、今まで壊した玩具にもない。

拒まなかった事もあるが、人影は気がつけば結構な距離を詰められて、
自分に何かようなのか?と考えるが、その前に鼻腔に香る甘酸っぱい香りに、へぇ、と思わず口元を緩める。

――代わりに、もし覚えがあるならばあまり評判が宜しくない薬の類の香りが、
振る手の逆側の握りこんだ手の方から香るだろう。
服用が見つかれば衛兵がすっとんでくるような代物。

まあ見つかったところで親の威光と金でなんとでもなるので、
特に慌てて隠す素振りはない。