2019/08/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2【イベント開催中】」にリリアンさんが現れました。
■リリアン > どくん、どくん、どくん―――――。
まるで全身が心臓になったみたい、という表現があるけれど、
今の己はある意味、それよりもずっと深刻な状態だった。
身体の何処も彼処も熱くて、きっと白い肌は紅潮し切っていて、
何より、頭には白い猫の耳が、お尻からは細長い尻尾が飛び出している。
お守りのようにして、首につけたチョーカーを握り締めてみても、
一向に熱が鎮まる気配は無く―――――
「ぁ、…………ぁ、嘘、っ………」
身体の芯に燈っていた熱が、とうとうあらぬところを溶かしてしまったらしい。
ベッドの上で蹲り、もぞりと擦り合わせた腿の間に、僅かではあるけれど湿り気が広がる。
堪らずに起き出し、寝間着姿でベッドに腰かけると、暗い室内を見回して。
「ばあや、………ばあや」
念のため、と声を投げてみたが、応える声は無い。
溜め息を吐いて立ち上がり、足許へ置いてあった布靴を履いて、ふらふらと部屋を横切る。
辿り着いた扉を、そろ、と押し開けて、顔だけを覗かせ。
静まり返った廊下に、己の知る誰かの姿を探そうとして。