2019/02/25 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城 回廊」にリシェさんが現れました。
リシェ > 「………………」

(そんな目で見られたくない。
部屋から部屋へ、歩いて向かう、その途中。
すれ違う、役人や兵士、貴族などなど。彼等、彼女等から、向けられる瞳は。
半分くらいが、驚きの物。残り半分を、更に半々程度に分けて、侮蔑と、欲情と、それぞれが絡み合う。
見られているのは、開いた背中、其処に広がる、鞭の痕。
昨日一昨日辺りの、真新しい傷痕は、未だに生々しく、肌を染めて。晒される。
勿論、それは。相手の、男が望んだ事で。少女自身は、鞭打たれたかった、などではないものの。
この、性玩具にすぎない少女なら、案外悦んで、などと。そう考える者の割合が、視線の内訳に、絡んでいる。
だから、少し、むっすりと、表情を、強張らせる。…自分にも、そういう事をさせろ、とか。
いつ、誰かに言い出されても。決して、おかしくはなかったから。)

リシェ > (昨夜、無理矢理にでも傷痕を洗って。その後、薬も、塗って貰った。
おかげで、空気に触れるだけでも、ぴりり、痺れるような感触は、ようやく、感じなくなったものの。
癒えた筈の、痛痒感を、どことなく…錯覚してしまう。
まるで。実際に、触れられているように。行き交う人々の、視線に、感情に、物理的な圧力が、存在しているかのように。
ぶるり。背中が、全身が、震えてしまう。冷水でも浴びせ掛けられた、ように。)

「これは、ちょっと、勘弁して貰いたい、ですね…」

(肉欲の範囲に収まらない、形侭の、悪意、めいた感情を。向けられる機会が、少しずつ、増えている気がする。
混血の存在である事実が、少しでも、噂になれば。たちまちそれが、関わる者達に、悪意を招く。
とりわけ、ここ暫く、戦争間際の緊迫が、魔族…だけでなく、異種族への、対外的な感情を。
人々の、特にこの国を、支配する者達の中で、煮詰められて、膨んでは。それが、手近な異種族、少女自身にも、向けられてくる、ような。
…そういえば、一昨日の男も、偉い貴族だった、と。思い出して。
少し、人目が途切れたタイミング、足を止めると。くしゃくしゃ。髪を梳くように、頭を掻き毟る。)

リシェ > (それでも、決して、長く立ち止まっては、いられない。
今日も今日とて、少女は、誰かに使われる。今も、その為に、相手の待つ寝室へ、向かっている途中だったから。
痛痒感を耐える為に、いつもに比べて、少しだけ姿勢悪く、背を丸めるようにしながら、歩いていく。
そのせいで、ますます、背中が人目に付く、という事には。多分、気が付かないままで。
もう数日は、悩みを抱え続ける、事になるだろう。運が悪ければ、更なる疵を刻まれて、悩みが伸びる事になる…かもしれないが。)

ご案内:「王都マグメール 王城 回廊」からリシェさんが去りました。