2019/01/20 のログ
ご案内:「王都マグメール 王城2」にリシェさんが現れました。
リシェ > (此処暫く。どたばた。王城に関わる多くの人達が。忙しなげに駆け回っている。
何でも、お偉いさんの首が挿げ変わったり。それに反対した人達の首が飛んだりしたらしい。
自分も首を失っては堪らないから、皆が皆、職務に励んだり。誰かに取り入ったり、で忙しいらしい。)

「…そうなると。……疎外感、感じますね。」

(他人の娯楽、遊興、精処理…そんな事の為に生かされている少女は。
余所様が真面目に働いている間、どうしても置いてけぼり。
年明け早々の乱痴気騒ぎ、その他、散々酷使される期間が続いたから、やっと休める気もしていたものの。
暇が続くと、それはそれで、心配になってくる。
…もう、飽きた。使う気にならない。居ても居なくても、どうでも良い、などと。
考えられていたら、どうしようと。
そのせいで。疎外感とは言いつつも、実際の所、覚えているのは、漠然とした不安。
廊下を歩き回っては、すれ違う文官、武官に、行き交う邪魔だと扱われたり。
厨房にお邪魔してみては、異物扱いで、即座に追い返されたり。
結局、人から必要にされなければ、自分から、誰かを必要だなどと言い出せなくて。)

「は…ぁ……」

(立つ瀬のない侭、邪魔物扱いされる事のない、空いたサロン室でぽつねんと。
見様見真似、自分で入れてみた紅茶は、とても飲めた代物にならず…ますます。意気消沈しっぱなし。)

ご案内:「王都マグメール 王城2」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 「……なんか騒がしいな」

王城の廊下を、ゆったり歩く男は。城の中の雰囲気にそう呟く。
なにやら、騒がしいというか、忙しないというか……。
とにかく。いつもとは違う雰囲気がそこにはあった。

「……ちっと、調査してみますか」

もしかしたら、何かあったのかもな、と思い。
男は情報収集を開始しようとする。
しかして、もともとこの城に入っていい立場ではない男。
はっきり言えば侵入者なのだ。ヘタに動けばお尋ね者コース。
さぁどうしたものか、と思っていれば。通りがかり、入ったサロン室で一人の女性を見かけ。

「……失礼いたしました。人がいらっしゃるとは思いませんで。
 ……よろしければ、紅茶のお代わりをお入れいたしましょうか?」

相手の雰囲気から、自分とは違う。この城に居ていいタイプの人間だ、と判断。
男は、執事の演技をしながら相手の様子を窺う。
もしも御しやすい相手なら、この女性から情報を仕入れればいいか、と思いつつ。
にこにこと笑いながら、相手にゆっくりと近づいていく。

リシェ > 「……うぇ、ぇ…!?」

(急に掛かる声。誰も居ない、そう信じきっていたせいで。思わず、変な声が出てしまった。
これで、椅子に座っておらず、立ちっぱなしだったのなら。たっぷり数㎝ほど、飛び上がっていた…かもしれない。
どきどき、一気に高鳴る胸の辺り、押さえてしまいつつ。振り返ってみれば。
執事姿の男性が1人。…思わず大きな息を吐いて。)

「…済みません。少々、驚きました。私こそ、何方か、おいでになるとは。思わなくて。
てっきり、良からぬ…そうですね、例えば、間諜と呼ばれる方等でしたら。如何しようかと…」

(紅茶の申し出に。お願いします、と頭を下げつつ。付け足した言葉は…
勿論、相手の素性を、見破ったからなど、ではなかった。
飛び上がるかのような、自分の驚き具合を。誤魔化そうと、冗談めかせただけ。)

セイン=ディバン > 「おっと」

相手の驚いた様子に、男はそんな間の抜けた声をわざと出す。
コレは、相手の警戒を解くため。自分が危険人物でないということ。
そして、敵意も持っていないということを演出するための演技だ。
事実、敵意はないので、相手に近づくときも。わざとゆっくりと近づいている。

「こちらこそ申し訳ありません。本来であれば、ノックをするのですが……少し、気が急いておりまして。
 ……ハハハハハ。そういった存在でしたら、こんな風に、紅茶を入れたりなどはしないでしょうね」

相手に謝罪しつつ、ティーポットを覗き見、香りを微かに嗅ぐ。
瞬間、本当に微かに眉を顰めるが。何も言わずに、男はサロン室内の道具を確認。
紅茶を手早く入れ始める。
相手の、男の素性を見事に見抜いた言葉には、満面の笑顔で応対するものの。男の警戒心、最大レベルに。
もしも見抜かれていたのなら、最悪手荒な手段を使わなくてはならないか、なんて考えつつ。男は新たなティーカップに紅茶を注ぎ、相手に渡す。

「……どうぞ。……失礼ですが。
 この紅茶は、貴女様がお入れに?」

男が用意した方ではない、相手が飲んでいた紅茶に視線を向けながら尋ねる男。
飲んではいないが、香りで分かる。明らかに慣れていない人間の入れた紅茶だ。
もしも相手が、何も疑わずに男の入れた紅茶を飲んだのなら、味の違いについてはすぐに気付くだろう。
何せ男は、料理及びそれに関わることに関してはかなりの腕前なのだから。

リシェ > (驚きの声、というものは。ついつい、大きくなりがちな物で。
だから、それを聞いた相手の方も、思わず声に出てしまったのだろうと。
そんな風に考えてしまうと。流石に、少しばかり。頬を染めるような仕草。
初対面の男性を前にして、とんでもなく、恥ずかしい姿を曝している…そう思えてしまうから。
はっきり言って。この少女にとっては。裸身を晒す、痴態を見せる、より。余程恥ずかしいかもしれない。)

「其処は、その、申し訳…御座い、ません。私も、何というか。
あまり人様来ないかなー…というような。場所、選んでましたから。
うぅ、ん?どうでしょう、分かりませんよ?毒殺。とても、とても。お約束です。」

(刺殺だの撲殺だのに比べれば、宮中での死因として、遙かに多い筈。
飲食物に毒を盛られる、毒殺、という可能性は。
もっとも。そんな事を、笑いながら言ってのけて。
差し出して貰ったティーカップを、ありがとうございます、という言葉と共に受け取るから。
これも、彼女なりの冗談、らしく。
先程から逐一、物騒だったり、不穏当だったりするのは。きっと趣味が悪いか、性格が悪いかだ。)

「……やっぱり。きちんと、本職のお方が、淹れて下さった物は。
本当に美味しい…です。
えぇ、試しに、道具だけ、借りてきたのですけれど。……全然、駄目、でした。」

(執事だと思っているから。プロの手際という物を、一口目で感じた気分。
寧ろ、今此処で、実は執事じゃないのだと言われたら。その方が、信じられない…かもしれない。
もう一口、更に一口。其処で息をついた…というより、溜息。
自分で淹れた物と、あまりに違いすぎるから。
何せ、この少女、生活能力と呼べる物など、金輪際持ち合わせていない。
理由は簡単…一人で生きる事をさせない為。籠から逃げる、そんな事を、考えもさせない為。
能力の欠如も、だが、常識の方も、かなり怪しい。何せ、此処まで来てからやっと、最初に聞いておくべきだった事を、思い出す。)

「…そう、失礼ですが。…執事様、何処にお仕えの方なのでしょう?
宜しければ。お名前と共に、お聞かせ願えませんでしょうか。」

セイン=ディバン > 相手の驚いた仕草を観察した結果、男が判断した情報。
少なくとも、この相手は戦闘能力などは無い。
もしも戦闘能力を有しているのなら、そうとう隠すのが上手い。
後は、初対面の人間に対しての微妙な不慣れ感……。
これは、男が完全なる部外者であるが故の、気配を感じてのことかもしれないが。

「いえ、だとすれば尚更申し訳ありません。
 せっかく静かにお休みでしたのに……。
 ……えぇっと。その。貴女様のように美しい方を毒殺する意味が、分からないのですが」

再度頭を下げて謝罪する男。その後の言葉に、男は心底困ったような表情になる。
というのも、基本男は毒殺を好まない。更に言えば、美しい女性にそういったことをするのは大嫌いだ。
更に更に言えば、この相手を排除する必要が全く無いのだから。

「恐縮至極。そう言っていただければ、身に余る光栄であります。
 ……やはり、そうでしたか。しかし……。
 貴女様の様に、位の高そうなお方がなぜその様なことを?」

相手が美味い、と言ってくれれば。内心だけでガッツポーズ。
演技のためとはいえ、やはり自分が提供したものを喜ばれれば嬉しい。
そこで男は、疑問を口にしてしまうが、しまった、と思いつつも演技を崩さない。
なぁに、城には執事もメイドも多すぎるくらいだから、バレやしないさ。
そう思っていたのに、深く切り込まれた質問。一瞬黙り込むが。

「……えぇ、と。その。ご存知でしょうか。
 レーヴェナイン・K・グリューブルム様に仕える、セイン=ディバンと申します。
 大変に失礼なのではございますが、貴女様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか?」

咄嗟に出たのは、最近城の中で再会した相手の名。
たしか、その時にウソを吐いて雇われたことになった感じなようなことを吹聴していたので。
ダメ元でそう名乗ってみた。もしもバレたなら、その時はその時だ、と。

リシェ > 「…………?」

(首を傾げる。凄く、凄く不思議そう、に。
そんなに、目の前の執事様を、困らせるような事を。言ってしまっただろうかと。
もしかして。無理を言って、城の厨房から、ティーセットを持ち出した事だろうか。
それとも、ひょっとすると彼とその仕える人が、お忍びの立場であったり、などで。
お仕え先を聞くのはまずかったのかだろうか、などと。
てんで見当違いの方向に、暫く、発想を飛躍させた後。
はた。と、気が付いたかのように。)

「え、と。……えぇと?…すみません。冗談、だったのですが……
それに、確かに。私に、毒を盛る意味。ありません、ものね。」

(趣味が悪すぎて、冗談だと伝わらなかったのかもしれない。そう考えると、何とも、申し訳なかった。
困り眉で、頭を下げてみせる、そんな様子は。正しく、コミュニケーション能力、皆無。
より正確に言うのなら、真っ当な社会適応能力という物も、また。持ち合わせていない、箱入り娘の姿。
…箱の形その物は、大きく、歪んでいるのだとしても。)

「いえ、別に。…偉くは、ありません。私。
偉い方は、身の回りの品も。見目に拘って、仕立て上げておられるでしょう?
だから、私、良い服を、着せていただいて。…脱がせる愉しみの為、も。有るでしょうし。
何方にも、お呼び立てをいただけない、夜など。出来る事もない、冷や飯喰い、ですので。」

(あっさり、あっけらかんと、言い切ったような。
…それでも、何処かに。疎ましげ、憎々しげ、そんな毒を含ませたような。
そうやって、自らの立場を。位ではなく、立場、存在その物。口にしてから。
矢張り、また首を傾げてしまう。城で飼われている、性処理玩具の少女。
王城の関係者であるのなら、別に、知っていてもおかしくないのにと。)

「………ぐりゅー、ぶるむ。……えぇ、確か、えっと。
伯爵様、ですね、お名前だけは、存じています。…其方のお方、ですか。
セイン様、のような、お方が。側に、居られるというなら。…羨ましい、お話ですね。」

(くるり。目線を、上にやって。少しだけ思案するのは。
上げられた貴族の名前が、女性だったからか、歳の変わらない相手だったからか、そんな理由で。
当の人物には、使われた、などという事が。無い為に。
それでも、一応。名前だけは、漠然と聞き覚えていた、ようで。納得した、と頷いてみせる。
住所氏名、聞いたような物だから。興味本位の職務質問は、これにて終了、とあいなって。)

「……あ。申し遅れました。リシェ。此処で…このお城で。暮らしております。」

(思わず、ほっこりとした息を紡いでしまう、温かく美味な紅茶から、貌を上げて。
応えたのは名前と。此処に居る、そんな事実。
それ以上、答えようがない答え。だって、実際、それだけだから。)

セイン=ディバン > 相手の様子に、男も微かに首を傾げてしまいそうになるが。
くぃぃっ、と。方向修正。なんというか。
微妙に、ペースを握られているような気がするが。
疑われぬためにも、男は執事らしい振る舞いを継続しようと心がける。

「……失礼いたしました。その、冗談に、疎いものでして。
 えぇ。そうですね。私は、貴女様と初対面ですし。
 貴女様に危害を加える意味も、必要もありません」

おほん、と咳払いし。そう告げる男。
冗談にしても、もう少し、笑えるものが欲しかったぞ、と内心思うが。
相手の振る舞い、仕草の類は。どこか違和感が拭いきれないもので。
もっといえば、貴族王族らしさ、というものもあまり感じられない。

「……? え~、っと。その。仰ることがよく分かりません。
 身の回りの品、などというのは。金をかければいくらでも整う。
 いや、貧乏人や下賎な物でも、盗めば手に入れられます。
 ……私には、貴女が気品ある方だと見えたので、位が高い方なのだと思ったのですが」

相手の言葉に、いよいよ本当に首を傾げてしまう男。
なんだこの子は。なぜ、城に居る人間なのに。そんな卑下をする?
冷や飯食い? どういう意味だ? そんな疑問がぐるぐると。
男の中に芽生える興味。そして同時に芽生えた、疑問と、憐憫。
相手が首をかしげるのを見ても、男は考えるのをやめない。
若干、ボロが出つつあるというのに。

「いえ、その。ナイン様には野暮天、と呼ばれておりますが。
 ……リシェ様、ですね。ありがとうございます。
 ……その、やはり、城で暮らしているのであれば、王族、貴族の方、ですよね?」

ははは、と乾いた笑顔と声の男。かの女性は、どうにもある種の剛毅さがあるが内面は可憐だったりするアンバランスガール。
その姿を思い浮かべていれば、またも迂闊な一言。
相手の名前を聞いておきながら、素性まで尋ねる。それはつまり。
『私、この城の関係者ではございません』と告白しているようなものであった。