2018/08/25 のログ
■クレイプニルス > 気にしていないと言われれば、ほっとして。
相手が紅茶を嗜みつつちょっとした話をしてくれれば、笑んで相槌を打とうと…
そして、話は報酬についての話に移る。
相手から提示された1500ゴルド。そして、成功報酬として2000ゴルド上乗せ…
中々に良い話だ。笑んだ表情を引き締め直し。頷こうと……
「ええ、ギルドに提示された報酬と差異はありませんし、上乗せもありがたい話です。
そのようにしていただけたら嬉しいですね」
そう受け答え。まあ何はともあれお金はあるだけ困らないのだ。
それに、腐った貴族の腐った取引をつぶせる…それだけで、万金に値する。
「しかし、王国の上の方にも、ノワール殿のような方がいてくださるとは、とても嬉しいですね。
不敗の根っこは深くても……その腐敗を黙って見ているだけでは無い人がいる。
それだけで、希望が湧いてきますよ」
なんて、笑って言おうか。
相手は多分、貴族ではないが……貴族よりも、高潔な人の様だ。
それだけで、今回情報をリークした甲斐があるというもので……
■ノワール > 一度席を立ち、私室の中にある棚から書類と、印鑑を持ち出した。
書類に冒険者ギルドの刻印と、その中に記載されている十二師団のエンブレム。
そして、自分の名前が書いてあることを確認してから、もう一度席に座る。
その書類を、クレイプニスルが見えるような形で広げた。
「当然だ、こちらとしても貴族の取引を抑制するいい機会になる。
こうやって裏で話をしてくれるのは、こちらとしてもいいけん制になるからな。
これをギルドに持っていけば、提示した金額と追加報酬分を受け取れるはずだ。」
これで動きが収まるとも思えないが、やるべきことはやっておく。
提示した金額を、きっちりと誓約書にその場で記す。
王国騎士団の印と、その保証人であるノワールの名前を記して。
「……私も、その腐敗に虐げられ続けてきた側の人間だからな。
それを内側から変えてやろうとして、いろんなことをしたものさ。
もっとも、こんな一個人の力一つで、ひっくりかえせはしないがね?」
口元は笑みを作っている。
紅茶を飲み干し、お代わりを促しながら誓約書をクレイプニルスへと差し出した。
■クレイプニルス > 誓約書を広げられれば、じっくりとそれを読む。相手を疑うわけではないが、
こう言う書類はじっくり読むタイプなのだ。
記載事項に問題はない。頷いて、署名欄に、自身の名、クレイプニルスと書き記して…
妙に達筆なのはご愛敬。
そして、相手からの言葉には。
「……確かに、個人では変えられません。でも、「個人では変えられない」と全員が思ったら、
それこそ終わってしまいます。あなたの行動は、きっと何かの実を結ぶと思いますよ」
そう、真剣な表情のまま返そうか…
そして、紅茶のお代わりは、ありがたい話だが断って……
「いえ、もうそろそろお暇しますよ。
あまり、長い間男と女が二人きりだと、何かあらぬ疑いがノワール殿に浮かんだらいけませんし」
そう言って、立ち上がって……
「では。今日はありがとうございました。また会えましたら……」
そう別れの言葉を残し、誓約書を持って去って行こうか……
■ノワール > 「世辞はいい、そんな気概を持つような人間はそれこそ貴族のいい餌だ。
私はただ、私がそうしたいからやっているだけだ。
正義がどうとか、語るのすらすべてが面倒くさいんでな。」
何かの実を結ぶかどうかはわかるまい、私だってわからん。
歩く右手を振って、そういう話題は露骨にそらせる。
紅茶のお変わりは断られたが、それならばとカップを片付けてしまおう。
書類がそろっていることを確認したのか、席を立つクレイプニルスを扉の前まで見送って。
「アッハッハッハ、そんな話題が持ち上がったら部下たちのいい酒のつまみにされてしまうだろうな。
ああ、また何か機会があれば依頼を出す、また貴兄に受けてもらえることを祈っているよ。」
扉をくぐったクレイプニルスをそこまで見送り、私室の机に座りなおした。
侍女が再び入ってくるが、そのまなざしには…仮面の下で、真顔を作り。
「こいつがばれなくてよかったよ…ほんとに。」
また書類とにらめっこし、侍女に笑われながらサンドイッチを片付けて行った。
ご案内:「王都マグメール 第十二師団私室」からクレイプニルスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 第十二師団私室」からノワールさんが去りました。