2018/08/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 第十二師団私室」にノワールさんが現れました。
■ノワール > ちょうど夕刻の時間帯、フルフェイスの口元だけを外して簡易的な食事をとっていた。
サンドイッチとコーヒー、あとはサラダという簡易的なもの。
サンドイッチを口元に持っていきながら、片手で書類に目を通していた。
貴族たちの取引の履歴書だが、ところどころ黒塗りされている。
「はっ………、無駄なことをしてくれるな。
名前さえ知られなければ調べられることはないとでも、本気で思われたかな。
浅はかな考えなんて、お見通しなんだ…よっ。」
肩をすくめながら嘲笑した。
書類をバンッと、机の上にたたきつけてコーヒーがこぼれる。
琥珀色の水に目をくれることもなく、傍らに置いていた呼び鈴を鳴らした。
外に控えていた部下を呼びつけ、見せつけるようにため息をつく。
「昨日の昼間、貴族街のC地区で行われた取引を調べろ。
積み荷がどこに運ばれたのか、その際に仮面をつけていたと思われる貴族の身元を調べて搾り上げろ。
人身売買だろうが、武器の密売の可能性もある。
いいか、何を言われても徹底的に調べ上げろ、責任なら私がとってやる。」
ご案内:「王都マグメール 第十二師団私室」にクレイプニルスさんが現れました。
■クレイプニルス > 第十二師団の団長の私室へと向かう廊下。そこを歩く、レザー装備の冒険者風の眼帯男。
兵士たちは、「なぜこんなところに冒険者が?」という表情をしているが、冒険者風の男…
クレイプニルスは平然と歩いていて。そして団長の私室前へとくれば、部屋の中から兵士が出てきたのが見えて…
そして、扉をノックする。
「失礼します。今朝、手紙を送らせていただいたクレイです」
そう言って。許可が出れば、扉を開けようと……
「こんばんは、こうやって顔を合わせるのは初めてですね。俺がクレイ…クレイプニルスです」
そう名を告げよう。そして……一礼しつつ、話を続けようと…
「手紙で送った内容……貴族による、子供の人身売買の情報は役に立ちましたか?」
そう、今回ノワールさんに、貴族による取引…子供の人身売買の情報を送ったのはこの男で…
「まあ、俺の情報などなくとも、貴方なら暴けたかもしれませんが……
人身売買を止めるなら、早いほうがいいので」
そう言って……
■ノワール > 控えていた侍女が、汚れた机をふき取る。
サンドイッチを口の中に運び、飲み込みながら次の書類に目を通す。
遺族が絡む、もしくは絡むであろう取引の内容に目を通し。
『…調べるのも楽じゃあないんですよ、団長殿。
また成功報酬でお願いしますよ?』
「生言ってる暇があるならさっさと行け、逃がしたら給料減らすぞ。」
おお、怖い怖いと笑いながら部屋を出ていく部下を見送る。
その部下と入れ違うようにして飛び込んできたノックの音に、「入れ」と促した。
「ん……クレイ?…ああ、冒険者のクレイか。
…外してくれ、二人きりで話がしたい。」
控えていた侍女を下がらせる。
仕事の話は、できる限り人払いをした状態でしたいからと。
勿論、聞き耳を立てるのもご法度だといい話、侍女を下がらせた。
「…第十二師団団長の、ノワールだ。
貴兄の手紙は非常に助かった。おかげでこっちも尻尾をつかむことが出来そうだ、感謝する。」
ガントレットに包まれた、右手を差し出す。
冒険者ならフットワークも軽くて、調べ物をするにはもってこいだ。
庶民の出身である以上、ギルドに頼むのは別段抵抗はない。
貴族も、足を付けないためによく使う手段だと心得ているのもあるが。
■クレイプニルス > 侍女が下がるのを確認して、相手からの挨拶と感謝の言葉には、片目だけだが、笑んで答えようと…
「ノワール殿ですね。いえ、俺も偶然ながらその取引の情報の鱗片を耳にしていまして……
そちらからの調査依頼はまさに渡りに船…と言うのかな?そんな感じでしたね」
そう言いながら、出されたガントレットに包まれた右手を、此方も右手を出し、握り返そうか…
ちなみに、なぜクレイプニルスがその取引の情報を握っていたのかというと…
実は、今回の取引を企てた貴族は、クレイプニルスの兄の友人なのだ。
兄の友人を売るのに抵抗はない。腐った奴は火あぶりになればいいと思っていて…
「しかし……幼い子供を売り買いして……奴隷に仕立て上げたり、生贄に使ったり…本当に、反吐が出ますね」
そう、顔をしかめつつ正直なところを言おうか。
売り買いれた子供の行先など、考えたくもない。
だが、そういう情報が耳に入ってしまうのが、冒険者と貴族の二足の草鞋を履くクレイプニルスで。
「……壊滅させるのは難しいでしょうが、必ず、尻尾を掴んでください」
そう、切に願おうか……
■ノワール > 「タイミングが良かったというやつかな。…ああ、かけてくれ。
侍女を下がらせてしまったからな、私自身が茶を入れる羽目になってしまったが…こんな大女の入れた茶は不味くて飲めんか?」
冗談めかした言葉をかけながら、客人用のティーカップを用意する。
受け皿を用意し、湯を沸かしている間に茶葉を出す。
茶請けには、いつも部下たちにふるまっているシフォンケーキでいいだろうか。
それも皿に盛り付けて、ホイップクリームを添える。
「まあ、こんな国だ。王位が空席である以上戒めるトップがいない。
奴隷制度というものを敷いている以上は、こういうことも多々あるさ。」
かちゃりと静かな音を立てて、カップを置く。
ちょうどよく沸いた湯を注ぎ、茶葉を振りかけて蒸らす。
色合いがつき始めれば、砂糖とミルクを添えてクレイプニルスの前に差し出した。
「王位が近しい者がいても、結局はそれをしないからのうのうと貴族が私腹を肥やしている。
根絶やしにするには根っこが深すぎてな…口惜しい限りだよ。
ああ、甘いものはお嫌いかな?」
シフォンケーキと紅茶を出し、向かい合うように座った。
■クレイプニルス > 「ありがとうございます……って、え。大女?」
再び礼をして、席に座ろうとすれば、相手が大女と言うのに少し驚く。
フルフェイスだし、フルプレートアーマーなので、女性だとは気が付かず…
だが、驚いたのは失礼かと思い。すぐに謝罪しようと…
「失礼しました。ノワール殿。いえ、女性が淹れてくれたお茶は、冒険者にとっては貴重です。
ありがたく頂戴いたしますよ」
そう、此方も笑んで、冗談めかした言葉に応えようか…
そして、王国の現在についての話を聞けば…
知っているとはいえ、言葉にされると堪えるものがある。
そんな腐敗した、根っこの方にいる貴族が家族なのだ…
そして、シフォンケーキを出されれば、にこやかなまま…
「いえ、甘味はとても好きです。ありがとうございます。団長自ら、わざわざ俺なんかのために…」
とても好感の持てる対応に、思わず頬も緩むというもの。そして、シフォンケーキをフォークで切り、
口に運ぶ……うん、甘く、美味しい。
紅茶はストレートで飲む。これも中々、しっかりと味が出ている。
だが、ついついとケーキを食し、紅茶を飲む仕草に、貴族としての礼儀の良さ、マナーが出てしまうかも……
「美味しいです。ケーキも、紅茶も……」
そう正直に言いつつ、ケーキを食べ進め、紅茶を楽しもうか…
■ノワール > 「………慣れている反応だ、気にしなくていい。
自分でもわかっているよ、鎧を着ているし、こんな大きな剣を担いでいるからな。」
ガントレットの手で、コツコツと、背中に背負っているセフィルブレードの柄を叩いた。
自分の分の紅茶も用意して、一口たしなんだ。
いい味が出ていると納得したような口元を作り。
「そうか、実はこれは侍女に教わった淹れ方でな。
いやはや、こんな大女でも取り柄があるものだと、いろいろなところから言われる始末だよ。」
面倒くさくなくていいがな、と笑って見せた。
部下も随分と親しい態度でかかわってくるから、嘗められているのか慕われているのかわからない。
愚痴とも、それとも談笑ともとれるような言い方でケーキを食べる様子を眺めていた。
「…おっと、忘れないうちに報酬の話もしておかないとな。
提示していた金額は…確か1500ゴルドだったな。
貴族の取引現場を押さえられたら、これにさらに2000を上乗せしようかと思うんだが…。」
成功報酬を提示し、話を進めよう。
どこか、気品漂うような感じのしたクレイプニルスの食事には引っかかるところを覚えたが。