2018/08/19 のログ
クレイプニルス > (こうしていることで、救われる……そう言ってくれる相手がとても好ましく。
自身の胸に預けられる重みが増せば、ふっと笑んで)

「……君は、優しいな。うん、ありがとう……」

(そう言って、少しの間、クレイプニルスは少女を抱きしめていて……
だが、その時間も終わりを告げる。クレイプニルスを探す声が聞こえたのだ。
さっと、少女に迷惑がかかってはいけないと体を離し、その声の方を見る。
煌びやかな宝石類を身にまとった、恰幅の良い男、クレイプニルスの父が探していて……)

『クレイプニルス。探したぞ。もうそろそろ、屋敷に戻るぞ』

(そう言って、少女の方を見れば、下卑た笑みを浮かべ……)

『ふふ、そっちのも。今晩はたっぷりとかわいがってやろう……安心したまえ。壊しはしない。
まあ、壊れた方が幸せかもしれんが?』

(何て言って、ゲラゲラ笑う父親から、少女を守るようにクレイプニルスは前に出て)

「父上。一つ、お願いがあるのですが……」
『……!おお、そなたが願うなどとは珍しい。なんだ?』
「これ、俺に調教させてくれないか?俺も、たまには女を抱きたいんだよ」

(そう、少女を「これ」と形容し、調教したいと言えば…)

『ほう、そなたは枯れすぎだと心配していたが、
そなたも、人並みの性欲があったということか……
っくくく、良いだろう。だが、それは借り物だからな。壊すのではないぞ?』
「……っ。はい。父上。では、俺は「これ」と、もう少しここにいます」
『うむ』

(そして、父親は去っていって……クレイプニルスは、父親がいなくなるのを確認すれば、
死角となる場所へと少女を連れて行き、今度は正面から、ぎゅっとだきしめようと……)

「……っ。ご、めん。君を、物みたいに言ってってしまった。本当に、ゴメン……っ!」

(そう謝罪しながら、少女の体を腕で包み込もうと…)

ユール > 「 やさしい ? いえ これは。 わたしは ただ …… 」

(弱いだけ。どっちつかずな、誰に対しても同じなだけ。
…だから、こうして。彼の父親がやって来たのなら。彼に抱き締められている侭であろうと、静かに一礼してみせる。
その男が言葉で、笑みで。少女という形をした借り物へ、あきらかな欲を向けてくるのなら。
それに対しても、拒む事なく、嫌う事なく。答えてみせるしかなくて。)

「 …ん…… はい あなたさま の好きに お使い いただけるのなら。 わたし は 幸せです。
です から。お望み でしたら 壊 … ……? クレイプニルス さま ………? 」

(それを遮ったのは、身を離した彼だった。
抱くとか。調教とか。物言いと会話は。父と子というか、似た物というか…雄性を感じさせる物だったが。
今し方までと裏腹な言葉であろうと、眼差しを揺らがせる事はなく。
彼の背後、透過してくるような、父側の視線に対しても。まんじりともせず立っていた。
ただ、どちらの男性に対しても。対象として見られ得るよう、無作法だけは晒さない。顔を伏し、頭を下げて…
二人の会話が終わり、彼が次に声を掛けてくれるまで。じっと、じっと待っている。
…そして。兵士達の交代が終わりに近付きつつあるのも一因だろう。
父親は一足先に戻っていく。家長に従う者達も、三々五々テラスから戻り始めるのだろうか。
そんな人の流れに抗い、もう一度彼に手を引かれ、今までの場所から離れたのなら。)

「 クレイプニルス さま。 いいえ 良いんです。 それで 良いんです……
これが わたしの おしごと で。 そうしないと 困るひとも 居て。 なにも 間違って なくて。
そもそも 抱いたり 調教 したり  …つかって いただかないと。 おしごと しなかった事に なって。
でも。 ……それでも…… 」

(抱き締められた。抱き締めてくれる。言葉のあやに、謝罪すらしてくれる。
こんな異性が、今まで身の回りに居ただろうか、とすら思う。
今度は抱き返す事が出来無かった。痛い程がっちりと、しっかりと抱き締められていた上に。
此方からも返して良いのか、判らなかったから。ただ、少しだけ顔を上げる。背の高い彼に、少しで良いから、言葉を届けやすいように。)

「 それ でも …わたしを。 まだ こういう風に。 おもって、下さる のは。 …うれしい です きっと。 」

(相変わらず。声音は平坦で、表情は希薄で。それでも、この言葉は嘘じゃない。
物ではなく。物であろうとしているだけだから。
…らしからぬ事を。そして、酷く恥ずかしい事を。随分口にした気がする。
ほ、と零した吐息が、気恥ずかしさで少しだけ、熱を持って。)

「 なので あなた さまが。 抱いて下さる の なら。 …使って下さるなら では なくて。
 ……少しだけ。 おしごと 放り出して しまいそう ……です 」

クレイプニルス > (少女を抱きしめ、少女を物のように扱うようなことを言ったことを謝罪した後、少女が、
これも仕事だからというようなことを言えば……)

「……確かに、それが君の仕事だと、君が言うのなら、そうなんだろうな……
だけど……っ、君みたいな儚い娘が、親の都合で、ただ性欲処理のためだけに汚し犯されるなんて…
そんな残酷な話が……あるかよ……」

(それはまごうことなき本心で、少女の仕事の残酷さ、それがとても辛かった。
だが、少女が嬉しいと言ってくれれば……)

「………ユーレイアさん、その、嬉しいって思い、忘れないでくれ、失わないでくれ…
君は物じゃない。れっきとした、人間なんだ。少女なんだ……
少なくとも、俺にとっては、そうなんだよ」

(そう言いながら、抱きしめる力を緩め……そっと、目線を合わせ……)

「ああ、屋敷で、いっぱい抱いて、一杯抱きしめてやるよ……で、一杯、冒険の話をしてやるから…
楽しみに、しててくれよな」

(そう言って。そっと、触れるだけのキスを、唇に落とすだろう、
その後、馬車に着くまで手を繋ぎ、触れ合ったまま、屋敷へと…
少女の事は、きっと屋敷で抱くだろう。二つの意味で、少女を抱く。だが、その抱き方は、
きっと優しさにあふれたものであるはずで……)

ユール > 「 ざんこく … そんな事は ない ですよ……?
本当に酷い事 惨い事 もっと。 …もっと、恐ろしい事は いっぱい 有り…ます から… 」

(だって。生きている、生きていられるだけ、ましな筈。 もう居なくなってしまったあの人よりは きっと。
これも、先程彼に言った通り。開き直りなのかもしれない。
それなのに、彼は謝ってくれる。いっそ泣いてくれすらしそうな程。
痛い程に抱き締められる、その力の強さに。彼が、本気で言葉通りに思っている事が伝わってきた。
反して微かな。本当に掠める程度の、淡い口付け。
甘い言葉などまるで無い、閉ざしきれないだけのような唇が。それでも、少しは強張りを溶かされたかもしれず。
差し出された手と手を繋ぎ、彼と共に歩き出しながら…)

「 ありがとう ございます  …わかって ます。 物みたいに 使われる って。
…物のように 、なれって言われる …って。 まだ 物になり きってない って事で……す から。
……そういう の。思い出せた 気が。 します … あなた さまの。言葉 で 」

(直前に、唇と共に重ねた瞳は微かに揺れて。 少なくとも、まだ生きている、生物だと主張する物だった筈。
作り物ではない、生身の温もりも残している事を、彼に訴えるのは。
屋敷に着いて、そして抱かれるその時になってから。
久しく忘れていた温かさに包まれた、予期せぬ幸運を与えてくれた彼に。
長い時間、身を。それ以上に心を。委ね続けていた、筈で…)

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